園児たちの一日は自由遊びから始まります。ほとんどの子が登園すると園庭に飛び出し、たっぷりと外遊びを楽しみます。幼稚園は子どもたちが初めて集団生活を体験し、人間形成に必要な力を育む場です。熱中することで想像力が開花し、遊ぶことで社会性、思いやり、想像力が育ちます。
ブランコを例にとっても、順番を待ったり、譲り合ったりすることはもちろんですが、「いま乗ったばかりだからもう少し待ってね」と自分の気持ちを相手に伝え、ときには意見を通すことも学びです。
これによって、将来直面するであろう壁に立ち向かう力が養われます。大人には同じ行動を繰り返しているように見えても、子どもはその都度、創意工夫を凝らしながら遊びを発展させているのです。自由遊びの後の一斉保育は集団活動の場。この時間で、協調性や団結力を養います。
すぎの森幼稚園の子どもたちは、お母さんの手作りのお弁当を毎日食べます。慣れない集団生活で少しさみしくなるときがあっても、お母さんのお弁当を食べれば元気になって、またみんなと楽しく遊べるからです。
運動会は園庭で、発表会も園のホールで行います。いつも練習している場所で本番を迎えれば、日頃の成果を発揮しやすいからです。また、体操教室は、楽しいだけではなく、興味の幅を広げるきっかけになります。
私たちの願いは、子どもたちが心身ともに健やかに成長することです。そのためには、ご家庭と園、保護者同士の関わりを密に取りながら、みんなで子どもを見守るという姿勢が大切です。職員同士、毎日園児の様子を共有しています。そして、小さな出来事でも保護者の方への電話連絡を心掛けています。
幼児教育はすぐに結果が出るものではありませんが、ここで過ごした3年間が「温かい思い出」として、思春期も、そして20年後も30年後も残り、心の礎となることを願っています。
お話
すぎの森幼稚園 園長
吉野 浩司 先生