健康保険で「ワキ汗」の治療ができる!?
今年はうららかな春の季節はどこへやら…初夏を思わせる日が続いたり、急に冷え込んだりと寒暖差が激しく、体調管理も大変ですね。
気象庁の予想によると、今年の6月~8月は猛暑日が増えるそうで、お出かけ時に気になるのが「汗」。特にワキの下はもともと汗腺が多い上に、緊張やストレスなどの精神的な刺激と、気候や運動による温熱刺激の両方で発汗が促進されるため、汗を多くかきやすい部位です。薄着になるこれからの季節、汗シミやにおいが気になるという方も多いのではないでしょうか。
制汗剤を使っても効果はなく、日常生活に支障を来すほどワキ汗が多く出る方は、「腋窩多汗症(えきかたかんしょう)」という病気かもしれません。医師が「重度の原発性腋窩多汗症」と診断した場合は保険治療が可能です。先ずは原発性腋窩多汗症チェックをしてみましょう。
原因不明の過剰なワキ汗が半年以上前から続いている。さらに、以下の6項目のうち、2項目以上当てはまる場合は医療機関で相談を
- 両ワキで同じくらい多くの汗をかく
- ワキの汗が多いため、日常生活に支障が生じている
- 週に1回以上、ワキに多くの汗をかくことがある
- このような症状は25歳より前にはじまった
- 同じような症状の家族・親戚がいる
- 眠っているときはワキの汗がひどくない
上記の項目に2つ以上チェックがついた方は、「原発性腋窩多汗症」と診断されるケースが多く、治療をおすすめします。
重度のワキ汗「原発性腋窩多汗症」治療は「ボトックス注射」
「原発性腋窩多汗症」の治療方法は、しわ取りなどの美容施術で用いるボトックス注射です。ボツリヌス菌がつくる天然のたんぱく質から精製された薬をワキに注射することで、交感神経から汗腺への刺激の伝達をブロックし、発汗を抑えます。
〇施術時間・・・5~10分
ボトックス注射に関するよくある質問にお答えします。
Qどんな診察が必要ですか?
A問診のみで行います。触診やにおいのチェックはありません。
Qワキのにおいにも効きますか?
Aにおいの原因成分の分泌を抑える直接的な効果は期待できませんが、汗が減るためにおいも軽減します。
Q注射は痛いですか?
Aワキを十分に冷やし、細い注射針を使用するので痛みはほとんど感じません。
Q受診当日に注射できますか?
A基本的に初回は診察のみとなります。
Q未成年でも受けられますか
Aはい、中高生でも受診する方も大勢います。
Q治療費はどのくらいかかりますか。
A保険適応で約23,000円(3割負担の場合)です。
Q注射以外の治療方法はありますか?
A重度の原発性腋窩多汗症と診断されなかった場合、また注射に抵抗がある方には、①塗り薬、②飲み薬(抗コリン薬・漢方薬)などがあります。
お話を伺ったのは
松井クリニック 松井潔院長
連日200名前後の診療をこなしつつ、自らのアンチエイジングにもストイックに取り組む「超熱血ドクターM」。確実に成果を出す松井先生は、今ではトレーニングジムの監修、アドバイスまで行っているそうです。