毎日学校に行くだけがすべてではない!フリースクールという選択

「毎日学校に行くのが当たり前」そう思っていませんか?
ある日子どもが「学校に行きたくない」と言い出したら私たちはどのように受け止めたらいいのでしょうか。

不登校の児童生徒数は過去最多に!

学校に行けない不登校の子どもの数は、年々増加しています。
令和4年度、文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、小・中学校における不登校児童生徒数は299,048人。
前年度から約22%増加し、過去最多を記録しました。
過去5年間を比較してみても、小学校・中学校ともに不登校児童生徒数及びその割合は増加しています。

また、同じく令和3年度の「不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書」によれば、小学生の不登校の要因(最初に行きづらいと感じ始めたきっかけ〈複数回答〉)では、先生のこと(先生と合わなかった、先生が怖かった、体罰があったなど)が29.7%で最も多かったものの、「友だちのこと(いがらせやいじめがあった)」と、「友だちのこと(前出以外)」を合わせると、友だち関係の要因が50%近くにもなります。


子どもが「学校に行けなくなってしまう」とき、そのココロの中ではどのようなことが起きているのでしょうか。

フリースクールの規模も形態もさまざま

フリースクールとは、不登校やひきこもり、発達障害などの理由で学校に行かない、行くことができない子どもたちが、小学校・中学校・高校の代わりに過ごす学びの場です。

子どもの不登校数の増加とともに、2000年代から増え始めました。
民間の教育機関であるため、費用がかかるところもあれば、ボランティアで運営しているところもあり、規模も大小さまざま。
インターネットの普及により、オンラインで参加できる通信制も増えてきました。
対象になる学年や教育方針も各施設により異なり、復学を目的にしているところや学習支援に力を入れているところ、医療機関と提携し、適切なサポートを受けられるところもあります。

フリースクールは学校教育法第一条に定められた学校、いわゆる一条校ではないため、基本的には通っていた小学校や中学校に籍をおいたまま通うことになります。
時間割もありますが、すべて生徒の自主性に任せられており、できることを自分のペースで行うことが基本となります。
もちろん、進学を考えている、もっと勉強をしたいという生徒に対しては、別途、学習の機会を設けているところもあります。

青葉区 ビタミンママ

好きなことをとことん追求
フリースクールの可能性

学校のように、集団の同調性が必要なく、自分のペースで過ごせる場所であれば、今まで感じていた壁や“壁のようなもの”はなくなります。そうすると、がんばりたい、やりたいという気持ちがわいてくるようになります。

フリースクールはまさにそんな場所になり得る存在です。いろいろな人との関わりがあることで、家に閉じこもっているよりも成長のチャンスがたくさんあります。

自分を見つめ、好きなことを好きなようにとことん追求する中で、これまで押さえつけられていた、いろいろな才能が開花する可能性もあります。その能力を伸ばし、社会で生かしていく――。
フリースクールはこれからの学びの新しい選択肢と言えるかもしれません。

フリースクールQ&A

基本的なフリースクールについて素朴な疑問をまとめました。

  • Q.1.フリースクールに通えば学校に出席したことになる?
  • フリースクールなどの民間施設に通った期間を学校の出席数にカウントすることは認められていますが、在籍している学校の判断によります。フリースクールのこれまでの実績などにもよるため、あらかじめ確認しておきましょう。
  • Q.2.クラス分けはどうなっているの?
  • 同じ年の子どもたち同士が同じ教室で学ぶ学校とは違い、基本的にクラス分けはされていても、学年や年齢に関係なく混ざり合っている場合が多いです。年齢を超えたところで気の合う友だちを見つけたり、刺激をもらったりするケースも多々あります。
  • Q.3.フリースクールではどのくらい勉強を教えてくれる?
  • 時間割には国語や英語、算数などの学習の時間が用意されていますが、もともと一般の学校で行われているような授業を目的にしていないところが多いので、進学を目指すうえでは物足りないと感じるところが多いかもしれません。
    費用は別途必要になることが多いのですが、放課後や通常カリキュラム以外の時間で高校受験にも対応した学習支援をしてくれるところもあります。
  • Q.4.自分にあったフリースクールを探すには
  • 目的や規模、雰囲気など、一口にフリースクールと言ってもまったく違うので、自分に合った学校探しはとても大切です。
    学校見学や説明会、体験などを随時開催しているので、本当にどこが自分に合う場所なのか、できる限り足を運んで確かめてみましょう。

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