日々進歩する獣医学を学び 動物にやさしい治療を目指す

最新の獣医療に触れるため
大学の研究員としても活動中

――日々進歩する医療技術を学ぶために母校の日本大学獣医外科学研究室で研究員として研鑽を積まれているそうですね。

研究室にはほぼ週1回通って手術の見学やクリニックでの症例について相談しています。全国から獣医師の先生方が勉強に来られているので、ディスカッションを重ねることも多いですね。海外のセミナーや日本ではできない外科実習に参加することもあります。

当クリニックのスタッフは、私を含めて獣医師3名、動物看護士2名、トリマー1名。スタッフ全員が交代でセミナー、勉強会に参加して刺激を受け、スキル向上に努めています。

常勤スタッフのみなさん。動物の情報はすべて共有し、連携して治療に当たります(カトウ獣医科クリニック:神奈川県横浜市港北区日吉本町)▲常勤スタッフのみなさん。動物の情報はすべて共有し、連携して治療に当たります(カトウ獣医科クリニック:神奈川県横浜市港北区日吉本町)

――併設の美容室で行っている「スピードトリミング」とはどんなものでしょうか。

「スピードトリミング」とは時間を短くしたものではありません。動物に負担の少ないトリミングです。ワンちゃんのトリミングは、ブラシをかけ、シャンプーして乾燥させ、カットして、と2時間も3時間もワンちゃんを立たせたままで行いますから、ワンちゃんへの負担が大きく、トリマーも腰痛や腱鞘炎などで体を壊してしまうことが多かったんです。

動物にもトリマーにも優しいトリミングはないかとアメリカで開発されたのが「スピードトリミング」です。当クリニックでは専用の道具を揃え、トリマーはメソッドを学ぶためにアメリカで研修を受けています。できるだけ短時間で済むカットやシャンプーを行っていますが、途中ワンちゃんの休憩時間なども入れるので、全体ではやはり2時間ぐらいはかかります。

以前はどのワンちゃんもトリミングをお受けしていましたが、現在は当クリニックにかかっているワンちゃんだけのトリミングを行っています。ワンちゃんの健康状態、病歴をしっかり把握して、途中で体調を悪くしたり、ケガをするといったトラブルを避け、安全に対応するためです。トリマーは皮膚の状態をしっかり観察するので小さなことにも気づいて、獣医師と連携して病気を見つけることも少なくありません。

動物に優しい「スピードトリミング」は、カットの時間を短くするために専用のバリカンを使用。ワンちゃんの休憩時間も入れながら負担が少なくなるように配慮しています(カトウ獣医科クリニック:神奈川県横浜市港北区日吉本町)▲動物に優しい「スピードトリミング」は、カットの時間を短くするために専用のバリカンを使用。ワンちゃんの休憩時間も入れながら負担が少なくなるように配慮しています(カトウ獣医科クリニック:神奈川県横浜市港北区日吉本町)

――加藤先生はずっと動物と一緒に暮らしているのですか。

小さい頃から犬や猫に囲まれて育ちました。いまはワイマラナーロングのローズという名の犬と猫2匹を飼っています。ローズは寂しがりなので、毎日一緒にクリニックへ出勤しています。僕はアウトドア派とは言えませんが、休日はローズと一緒に公園を散歩したり、ドッグランへ行ったり、ドライブしたりとローズたちと一緒に出かけることが多いですね。

自分も飼い主の一人として、動物を愛する気持ちや心配する気持ちはよくわかりますから、動物を診療するときも飼い主さんと同じ目線だと思います。目の前にいるワンちゃんやネコちゃんが、昨日と比べて元気がない、目の輝きが違うなど、その時の様子や小さな変化をしっかり診るようにしています。

逆に検査の数値はよくなっていないが元気があるから家族のもとに返してあげようというときもあります。長くお付き合いすることで、ワンちゃん、ネコちゃんのこと、飼い主さんの家族構成や家庭環境なども理解して、お互い信頼できる関係性を築いていけるようにしたいと思っています。
 

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常勤スタッフのみなさん。動物の情報はすべて共有し、連携して治療に当たります(カトウ獣医科クリニック:神奈川県横浜市港北区日吉本町)
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