海や川遊びのシーズンに入ってきました。
水辺の事故は、「こんなところで溺れるの?」というような場所で起こってしまうことがあります。思わぬところで落水してしまったり、急に深くなって足がつかなくなったりすることで溺れてしまうのです。
保護者が目を離した隙に姿が見えなくなったと、よく聞きますが「姿が見えなくなる」「溺れる」ということについて、「子どもたちにライジャケを!」の活動を行なっている森重裕二さんにお話を聞きました。
また、オススメの子供用のライフジャケットを、安全規格やポイントを交えながらご紹介します。
森重裕二さん
「思いはただ1つ…子どもたちの命を守ること。」をコンセプトに、2007年より「子どもたちにライジャケを!」の活動を開始。ホームページや各種SNSのほか、講演や各種イベントを通じて「子どもたちのライフジャケット着用」を呼びかけています。
「子どもたちにライジャケを!」サイト
子どもは静かに一瞬で溺れます
「子どもが溺れる」と聞くと、どんな姿をイメージするでしょうか? 顔を水面より上に出して、バシャバシャともがきながら「助けて~!」と叫んでいる、というイラストをよく目にしますが、実際はそうはなりません。子どもが溺れるときは、一瞬で沈んでしまったり、浮き沈みをしていたとしても声は出せず、数秒の間、水面付近で静かに上下した後に沈んでしまったりというのが実情です。つまり、近くにいても気づくことができないことも多いのです。
『デキる子どもを育てるシリーズVol.2 非認知能力を高めるつりの本』
子どもから一切目を離さず見ていられればいいのですが、わずか数秒目を離したら、さっきまでいたところからいなくなっている、ということも。「一瞬で沈んでしまう」、「声もなく溺れてしまう」ということを頭に置きながら、子どもを水辺で遊ばせてほしいと思います。
水辺の安全のポイントは”浮いていられるか”
水辺の子どもたちを見守る際のポイントは、「浮いていられるかどうか?」です。そのための最強アイテムが「ライフジャケット」なのです。ですが、ライフジャケットを着用していればカンペキというわけではありません。しかし、確実に浮きます。ちょっとやそっとでは沈まないのです。
『デキる子どもを育てるシリーズVol.2 非認知能力を高めるつりの本』
ライフジャケットを着用していれば、目を離しても沈むことはなく、溺れることを防げるのです。だからといって、放っておいていいという話ではなく、しっかりと見守っておくことは絶対です。ただ、ちょっと目を離したから沈む、溺れるということのほとんどを防げるのです。
『デキる子どもを育てるシリーズVol.2 非認知能力を高めるつりの本』
「見守っていたら『溺れ』は防げるというのは思い込みだ!」というくらいの気持ちで、水辺に近づく際には必ず、お子さんにライフジャケットを着用させましょう。また子どもだけでなく、見守る大人も、ぜひライフジャケットを着用してください。
Topics
絵本「かっぱのふうちゃん(子どもの未来社:森重裕二作)」発刊。
水辺の安全のことを楽しく伝えます。
オススメの子供用のライフジャケットを集めました
大人よりも体が小さい。手も小さくて力もない。
子どもが大人用のギアを使うと、不具合が生じることがあります。
でも、近年にリリースされたキッズ用のギアはしっかり設計されデザインも凝ったものが多く、子どもたちを楽しませてくれます。
(文:宮澤豊)
HULAフローティングベスト子供用
2本のフットレスト(股ベルト)で抜け落ちを防止。全3色(ブルー、レッド、イエロー) サイズ:身長100~140cm、胸囲50~60cm、体重30~45kg、5,060円
水辺の遊びである釣りでは、ライフジャケットの着用が望ましいです。ただし、着ていれば安心というわけではなく、ライフジャケットはあくまでも浮力の補助をするだけの役割ということを認識しておきましょう。
HULA ライフジャケット子供用 TypeF
国土交通省型式承認品のライフジャケットです。全2色(ブルー、オレンジ)、サイズ:身長100~120cm、胸囲50~70cm、体重15~25kg未満、8,800円
マリンベストDX 笛付き
ショルダー・ウエストベルトは長さの調節が可能です。全3色(シアン、ライム、オレンジ)、サイズ:子供用S/身長120~130cm、子供用M/身長140~150cm、オープン価格
型式承認品とは?
一般的な船釣りでは、乗船する際に法律で定められている基準を満たしたライフジャケットを着用しないと、船長が罰則を受けます。その基準を満たしているのが「国土交通省型式承認品」のライフジャケットです。そして「国土交通省型式承認品」のライフジャケットにはTypeA、D、G、Fがあり、すべての航行区域で使用できるのはTypeAになります。船釣りで使用の場合はTypeAを購入しておけば間違いはありません。陸からの釣りでも、安全のためライフジャケットを着用しましょう。
コヒロ LC1-BSJ220
かわいい動物をモチーフにした、小児用ライフジャケットです(船釣りでは使用不可)。全3色(レッド、ブルー、イエロー)、サイズ:M(体重:15kg以上、25kg未満)、L(体重:25kg以上、40kg未満)、4,180円
子供用 小型船舶用救命胴衣(国土交通省型式承認品)
成長が早い時期での使用を想定して2サイズがラインナップされています。緊急用ホイッスルつき。カラー:イエロー、サイズ:子供用S/身長100~120cm、子供用M/身長120~142cm、オープン価格
トカラウ BSJ-201ARS
釣りやマリンレジャーで使用できる、最もベーシックなライフジャケットです。国土交通省型式承認品 Type D サイズ:S(身長138~160cm、胸囲~ 94cm、着丈46cm)、 M(身長155~175cm、胸囲~100cm、着丈:48cm)、L(身長170~195cm、胸囲 ~110cm、着丈:51cm)、6,160円
ヒューペ BSJ-2121
小型船舶用救命胴衣の幼児用モデルType Aです。首周りに浮力体があり、うつ伏せで落水しても反転するので安心。全2色(レッド、イエロー)、サイズ:身長80~100cm、体重10~15kg未満、5,500円
ヒューペ BSJ-212Y
Type Aを取得しており、船釣りにも対応します。身長120~150cm、体重25~40kg未満と身長100〜120cm、体重15~25kg未満の2サイズをラインナップ。全2色(レッド、イエロー)、5,500円
浮力はどのくらい必要?
ライフジャケットの浮力は体重の1/10の浮力があればいいといわれ、その基準以上でメーカーも作っています。では、なぜ1/10でいいのでしょうか?人間の体の比重は水と同じぐらいで(筋肉質の人は比重が高く沈みやすい、脂肪分が多い人は比重が低いので浮きやすい)、体重の約1/10ぐらいの重さといわれる頭部が水面から出た状態で浮けばいい設計になっているからです。ちなみに、小児用ライフジャケットの国土交通省型式承認品は、体重40kg以上用が浮力7.5kg、体重15kg以上40kg未満用が5kg以上、体重15kg未満用が浮力4kg以上の浮力を満たしています。
オーシャンJr-1S&1M
TypeAで船釣りでの使用もOK。シンプルなデザインで2サイズをラインナップ。全2色(レッド、イエロー)、サイズ:S(110~130cm)、M(130~150cm)、7,700円
ジュニアヘリーライフジャケット(キッズ)
国土交通省型式承認品(TypeD)。内側にホイッスル付き。対応体重は15〜25Kg。サイドアジャスタブル機構つき。全3色(ヘリーブルー、レッド、イエロー)、7,700円
ヘリーライフジャケット(キッズ)
国土交通省型式承認品(TypeD)。対応体重は25〜40kg。フロントビスロンファスナー仕様。サイドアジャスタブル機構つき。全3色(ヘリーブルー、レッド、ホワイト)、11,000円
ベストの下についているベルトってなぁに?
ライフジャケットの本体についているベルトは通称「股ベルト」と呼ばれ、ジャケットのスッポ抜けを防ぐものです。ジャケットが抜ける現象は、水に飛び込んだときに両手を挙げた場合、サイズが体よりも大きなときに起こることがあります。そのため、ライフジャケットは必ず体に合ったものを選び、股ベルトをしっかり両足に通して着用しましょう。股ベルトを窮屈だからという理由で使用しないのは、万が一のときにライフジャケットの性能を生かせません。
チャイルドフローティングベスト
小児用小型船舶用救命胴衣TypeA。調整幅を大きく取ることで成長の早い子どもにも対応。全2色(オレンジ、レッド)、サイズ:M(15~25kg未満)、L(25~40kg未満)、7,040円
ウォーターロックス Kidsライフベスト
▲ウォーターロックス Kidsライフベスト
▲ウォーターロックス Kidsライフベスト
▲ウォーターロックス Kidsライフベスト
体重20kg、30kg、50kgモデルがあり、カラーバリエーションが豊富です。股ヒモ、ホイッスルつき(国土交通省型式承認品ではありません)。全10色(20kgモデルには存在しないカラーもあります)、オープン価格
うきまろベスト
両肩反射テープ、両サイド長さ調節ウエストベルト、緊急ホイッスル、股ベルト付き。水抜き用リングが前面に2個ついています(国土交通省型式承認品ではありません)。サイズ:身長100~120cm、120~140cm 3,850円
子どもたちの楽しい経験や思い出が悲しいことにならないよう、今一度マリンレジャーに対する認識と、ライフジャケットの準備をしましょう。
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『デキる子どもを育てるシリーズ』発刊一覧
子どもの自己肯定感を育む、親子遊びのハウツー&Tips満載でお届けする3部作です。
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このシリーズを参考にぜひ、親子で外遊びを満喫してください!