ウチの子、ちゃんと食べないんです。大丈夫かしら?
「好き嫌いや偏食がひどい」「食事中に食べ物で遊ぶなどなど、子どもの食事に関するさまざまな悩み。
でも、大丈夫。決して無理強いせず、食べないからと叱らず、そして食べたときはたくさん褒めてあげれば、だんだん食べるようになります。
では、具体的にはどうすればいいの?そんな悩みを管理栄養士の佐藤紋子さんが解消します。
母乳はしっかり飲んでいたのに、離乳食を食べません。
母乳やミルク以外の味にとまどっているのかも。離乳食の開始時期は首がしっかり据わり、食べ物に興味を示しだす生後5、6カ月あたりからですが、1歳頃までは栄養の中心は母乳とミルクです。
元気で体重が順調に増えているようなら、食べなくても大丈夫。食べないときは無理強いせず、子どもが欲しがるだけ母乳やミルクを与えましょう。始めはうまくいかなくてもだんだん食べられるようになります。
◆食べさせ方のポイント
スプーンを下唇の上にのせ、上唇が閉じるのを待ちます。離乳食が口の中に入ったら、スプーンをゆっくり引き抜きましょう。
好き嫌いが激しく、食べるものがとても限られます。
子どもは1歳を過ぎると、自我が発達し、特に見たことのないものを食べたがりません。でも、大丈夫。1日に必要な炭水化物、たんぱく質、ビタミン、カルシウム、鉄分、食物繊維などは、だいたい摂取できているはずです。
どうしても栄養が偏っていると感じた場合は、おやつで補い、今は食べることが楽しいという雰囲気作りを大切にしましょう。
とはいえ、嫌いなものでも少しは食べてほしいと思うのが親心です。同じものでも調理方法や盛り付け方を変えてみたり、手づかみで食べられるようおにぎりやロールサンド、おやきにしたりすると、案外パクパク食べてくれることも。
そして、何より大切なのは、嫌いなものが食べられたら、たくさん褒めてあげることです。
おやつばかり食べます。
幼児期の子どもにとっておやつは、食事だけでは足りない栄養やエネルギーを補う、第4の食事。ご飯を食べなくなると心配しなくて大丈夫です。おやつの回数は1日1~2回、量は1日に必要なエネルギー量の10~20%に収めるのが適当です。
1歳から2歳であれば1日あたり約150キロカロリー前後、3歳から5歳であれば1日あたり約200キロカロリー前後の摂取が目安になります。果物やさつま芋入りの蒸しパン、野菜のパンケーキなど手作りのおやつもおすすめですが、手作りにこだわらなくても大丈夫!
上の図を参考に手軽なおやつを考えてみてください。おやつタイムにはお母さんも一息入れて、子どもと一緒に楽しい時間を過ごしてみてはいかがですか。
とにかく野菜を食べません。
口うるさく言うのはNGです。でも細かく刻んだりすりおろしたりして好きなお料理の中に入れたり、星やハート型にカットして見ための工夫をするなど、あらゆる手を尽くしてみましょう。
スープにするというのも一つの方法です。ポイントは野菜が入っていることに気づかせないということです。頑張って作っても食べてくれない!とイライラせず、食べてくれたらラッキー!というくらいの気持ちでお子さんと向き合いましょう。
大丈夫!だんだん食べるようになりますよ!
口に入れたものを出したり、食べ物を投げたり。叱るべきでしょうか?
食事中、叱られることが続くと、食べることが嫌になってしまうかもしれません。ちゃんと食べないときは、おなかが空いていないのかも。そんなときは潔く食べることは切り上げて、次の食事のとき空腹であるように、整えてあげましょう。
一日のうち、どこかでしっかり食べていれば、大丈夫! おなかが空けば食べるはずです。
お話を伺ったのは
女子栄養大学を卒業後、北里研究所メディカルセンター病院などで勤務。現在はさとう小児科クリニックにて管理栄養士、日本糖尿病療養指導士等の資格を活用した栄養相談などを行っている
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さとう小児科クリニックでは、週に4回、佐藤紋子さんによる予約制の個別栄養相談(無料)を実施しています。
離乳食の進め方や楽しくおいしく食べるための工夫、アレルギーへの対応、肥満、便秘や下痢など、子どもの食事に関することなら何でも応じてくれます。「予防接種や乳幼児健診についてでもOKです。一人であれこれ考え込まず、お気軽にご相談ください」。
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