キリストによる「愛」の教えに基づき知育・徳育・体育の総合教育を実践しています。大切にしていることや、取り組みなど、校長先生にお話を伺いました。
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伝統を大切にしながら
新たな取り組みも積極的に
聖セシリア小学校は2024年度に創立95周年を迎えます。これを機にさらなる教育環境の充実を図っています。ハード面では英語専用のイングリッシュルームを設けたほか、廊下の色を一新。大きな窓と相まって、校内が、一層明るくなりました。
カトリック校としてキリストの愛の教えに基づく教育など伝統は大切にしながら、時代に合わせた新しい教育も積極的に取り入れています。ネイティブの専任教師が担当する習熟度別の英語教育をはじめ、表現活動や体験学習など、子どもたちの人としての土台を育てるさまざまな取り組みを行っています。
幸せな人生の糧となる
3つのコンセプト
表現活動においては「コミュニケーション能力」の育成にスポットを当てています。例えば3~6年生に「演劇」という授業があり、1年間を通して台本作りや大道具の制作などクラス全員で行い、2月の学習発表会でその成果を披露します。当日の発表も表現のひとつですが、それよりもひとつの作品を作り上げていくうえでの「話し合い」を大切にしています。「このセリフは悲しみを強く出したほうがいい」「ここはみんなで肩を組んで笑おう」など、子どもたち同士での話し合いをたくさん行うことにより、自然に「コミュニケーション能力」が育成されていきます。
体験活動では「本物に触れる」ことを大切にしています。理科の学習では教科書は一切使わずに、実験・観察を中心に授業が進められています。また、社会科では実際に現地に行って調べる社会科見学を積極的に取り入れています。例えば「伝統工芸体験」「かまぼこ作り体験」「スーパーマーケットのバックヤード見学」「パン工場見学」「環境管理センター見学」「新聞社見学」「自動車工場見学」「国会議事堂見学」「警視庁見学」「最高裁判所見学」など、たくさんの「本物に触れる」体験活動があります。
個を大切にする本校では、1クラス25名前後の少人数クラス編成を取り入れています。これにより一人一人をきめ細かに見てあげることができています。子どもたちが持っている力を最大限に発揮できる環境を整え、個性を伸ばす教育が実践できています。こうした日々の教育は未来を生きる子どもたちの「幸せ」につながると信じています。
コミュニケーションを大切に
教科を通した表現活動
「発想力や想像力、コミュニケーション能力を育む」を目標にさまざまな「表現活動」に力を入れています。授業は「演劇」のほかに、2年生には「共同制作」という授業も。1年間かけてみんなで話し合い、協力しながらひとつの作品を作り上げていきます。「作品の出来栄えよりも、作り上げていく工程でのコミュニケーションを重視しています(上田先生)」。
そのほか、3年生には通常の音楽とは別に「合唱」という授業もあります。合唱専門の先生が指導し、子どもたちは歌い合わせる喜びや達成感を体感します。このときもお互いの音を聞くコミュニケーションを大切にしています。
本物に触れる、記憶に残る
多彩な体験で深まる学び
「本物に触れる」ことを大切にさまざまな取り組みを行う体験活動。理科ではアルコールランプやろうそくなどに火をつけるとき、必ずマッチを使用します。「マッチの使い方を覚えることで火の性質を学ぶとともに、火をコントロールすることができるようになります。これもひとつの体験です」と理科を担当する校長の上田先生。3、4年生の「Nature Camp」では、ニジマスの生態やさばき方を知り、命をいただく意味を学びます。その後、実際に魚を捕まえてさばき、串に刺して炭焼きに。ここでもマッチを使って火をおこすところから体験します。
5年生の「雪の学校」では、スノーシューを履いて雪山をトレッキング。動物の足跡やフンなどを自然の中で観察します。「本物に触れる体験は記憶の深いところに刻まれ、一生忘れない知識となります(上田先生)」。