幼稚園から高校までを一つの学校として捉える玉川学園独自の一貫教育「K-12」のもと、国際的に活躍できる次世代リーダーの育成、輩出を目指しています。大切にしていることや、取り組みなど、校長先生にお話を伺いました。
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五感を刺激する体験と
一流に出会える学園生活
2024年、玉川学園は95周年を迎えます。創立時から変わらぬ教育理念は、全人教育です。「真・善・美・聖・健・富」の6つの価値を大切に、「きれいな心」、「よい頭」、「つよい体」を調和的に育みます。この教育目標を具現化するために私たちが何より大事にしているのが、ホンモノに触れる体験です。
創立者の小原國芳が重視した労作教育がそのひとつで、生き物を触ったり、植物を育てたり、実際に自然を肌で感じて、そこから得られる感動を味わってもらいたいと考えています。大学の農学部の協力のもと、子どもたちが1年間かけて行う米作りは、まさにホンモノに触れる学びです。
もうひとつは音楽や芸術作品などを通して、一流に触れること。心の底から素晴らしいと感じることで、センスが磨かれ、向上心も生まれます。「歌で始まり歌で終わる」というほど音楽に力を入れている玉川学園では、毎年4年生が音楽祭に向けて、作詞作曲をし、発表曲を作り上げます。
真の国際人を目指して
プレゼン能力も強化
グローバル教育にも注力しています。小学部は「JP」と「EP」クラスがあり、どちらもバイリンガル教育を展開しています。
EPは基本的に国語と社会以外の教科を英語で学ぶことで、日常的に英語に触れ、6年生から始まる「IB(国際バカロレア)」クラスへとつなげる力をつけていきます。JPは主に日本語で教科学習が行われますが、1年生から週5時間の英語の授業があり、学園内で外国人の先生や留学生、海外帰国生と接する機会も多いため、自然と英語でのコミュニケーション力が身につきます。
論理的思考力やプレゼン力を磨く「学びの技」も特色あるカリキュラムです。PCCスキル、ネットリテラシーはもちろん、目指すは12年生(高3)までに、自分の考えをしっかりと人に伝えられる力をつけることです。幼稚部から高等部までをひとつの学校として捉える学園独自の「Kー12一貫教育」により、それぞれの成長の種を無理のない形で伸ばし、将来、真の国際人として世界に羽ばたいてほしいと願います。
米作り体験:大学との連携で広がる
学びは総合学園ならではの強み
学園の敷地内には、大学の農学部が管理する田んぼがあります。小学部からも歩いてわずか10分ほどの場所で、2年生は総合科の授業の一環として1年間かけて「お米の学習」を行います。5月、泥んこになって水田の代かきと種まきをするところからスタート。6月になると田植えをし、10月に稲刈りと収穫。11月に脱穀、精米と、米作りの一連の流れを体験します。
2023年度は大学の芸術学部のバックアップも得て、自分たちで育てたお米を食べるためのお茶碗作りも行いました。土をこね、絵付けをしたお茶碗を、学園の窯で焼いてもらって完成! さらに、収穫後に残った稲わらでほうきを制作したクラスも。米作りから陶芸体験、制作活動へと、学びはさまざま
音楽祭:音楽大好き!「玉川っ子」の集大成
4年生は作詞作曲も
玉川学園の1日は「歌に始まり歌に終わる」といわれるほど音楽に溢れています。授業は専科の先生が担当。楽器も伴奏も一流という環境で、日々ホンモノに触れることで、音楽を愛する「玉川っ子」を育みます。11月に学内のコンサートホールで行われる音楽祭では、1~5年生が日本語と英語の歌を披露します。
4年生は発表曲を自分たちで作詞作曲。一人一人が作った4クラス分全員の曲を、みんなで1曲ずつ歌い、「この曲のここがよかった!」とコメントを出し合います。自分たちの「発表曲としてふさわし曲」を選曲して、さらに「ここはこうしよう」と話し合い、最終的に発表曲が完成します。なかでも優秀な作品は、学園オリジナルの歌集「愛吟集」にも掲載され、多くの児童に長く愛される歌になります。