非認知能力を伸ばし 未来のイノベーターを育てる<桐蔭学園小学校>

幼稚園から大学までが学園敷地内に集う一貫校、桐蔭学園小学校。「自ら考え 判断し 行動できる子どもたち」を育てる教育を実践しています。大切にしていることや、取り組みなど、校長先生にお話を伺いました。

掲載されている、ビタミンママ本Vol.98「わが子の将来を左右する幼児期の過ごし方」の詳細は→コチラ▶︎

小学校で身につけたいのは
自分で考えて行動する力

横浜市青葉区にある桐蔭学園小学校。学校内にあるボルダリングコーナーで遊ぶ様子。

たくさんの本が気軽に手に取れる「ラーニングスペース」にはボルダリングができるコーナーもあり、子どもたちに大人気です

桐蔭学園では、2019年から、大きな教育改革を進めています。12年間の一貫教育で「新しい進学校のカタチ」を目指し、「真のエリート」を育てることを目標としています。「文武両道=真のエリート」というのはひと昔前の価値観で、激変する今の世の中においては、社会の変化を作り出すイノベーターとなり、その変革を推し進めていくリーダーこそ真のエリートだと考えています。

誰かの指示を聞いて動くのでは、イノベーターにはなれません。「自ら考えて行動する」ことが重要です。そこで学園では、全授業で自分の考えをしっかり伝えることを大切にすると同時に、社会に出た際に必要不可欠な能力を育むため、「探究」に力を入れています。

さらに、学年の枠を超えてやりたいことに参加できる課外プログラムを多数用意し、非認知能力をいかに伸ばすかを中心に考えています。6~12歳までの期間に非認知能力を大きく育てると、いざというときに動ける力や学べる力が身につきます。一方の認知能力は、中等教育学校進学後に自と追いついてきます。

学校、家庭、地域の連携が
よりよい教育につながる

横浜市青葉区にある桐蔭学園小学校。ICT機器を使った授業の様子。

1人1台のタブレットをフル活用して情報を収集、整理・分析を行い、より深い理解へとつなげていきます

IQやテストの点数で評価が可能な認知能力に対し、非認知能力は評価が難しいのではないか、教師の主観に頼るとしたら信頼性がない、とお考えの保護者の方もいらっしゃるかもしれません。学園では、OECD(経済協力開発機構)の指標を参考に評価表を作成し、客観的なスコアとして提示しています。こうした取り組みは、日本全国の小学校でも最先端の教育だと自負しています。

学園の考えや方向性は、ペアレンツプログラムを通じて保護者の方へもしっかりお伝えしています。改革は長期的スパンで進行予定なので、まだまだ試行錯誤の部分もありますが、私たちは、ともに走ってくださる保護者の方を求めています。

2022年度入試より、一般入試とは別に「アドベンチャー入試」を導入したのも、学園の思いに共感してくださる地域の方々に気軽にエントリーしていただきたいからです。ぜひ一緒に、これからの日本を担う子どもたちを育てていきましょう。

探究:社会で必要となる力を育む

横浜市青葉区にある桐蔭学園小学校。「探究発表会」の様子。

6年生の「探究発表会」は、同じ敷地内にある桐蔭横浜大学のクリエイティブスタジオで開催。5年生はその姿を見ることで、「次は自分の番!」と意欲を高めます

学園では、小学校で育むべき能力として、思考力、創造力、チャレンジ力、メタ認知力、思いやり、エージェンシーという6つのキーコンピテンシー(資質・能力)を設定しています。その実現のために行っている取り組みのひとつが「探究」です。総合学習やさまざまな教科で、ひとつのテーマを掘り下げていきます。まずは、体験的な活動から得た疑問をもとに自ら課題を設定。情報を収集し、整理していくことで、思考力や問題解決能力を育みます。

さらに、関西大学の黒上晴夫先生が開発したシンキングツールを活用することで、新たな気づきを生み出す機会も豊富。一生懸命チャレンジする心や最後まであきらめず全力で向かう気持ちも養われます。6年生は集大成として「探究発表会」でプレゼンを行います。

課外活動:個の能力を引き出し、
人間力を伸ばす

横浜市青葉区にある桐蔭学園小学校。ソーラン節を踊る様子。

ソーランチーム、「鉄~KUROGANE~」は、5年生以上の有志で構成されています。「桐蔭魂」を大切に、日々一生懸命練習に取り組みます

4年生以上の希望者が放課後や土曜に行う課外活動。従来からの「鼓笛隊」「合唱団」「鉄~KUROGANE~(ソーラン)」に加え、小学生から大学生までが一緒に活動する「チアダンス」が新たに加わりました。

学校行事で大活躍の「鼓笛隊」は、県の音楽会や合奏コンクールなどにも参加。「合唱団」はNHK小学校音楽コンクールで入賞するほどの実力派です。ソーランチームは、表参道や町田などで開催されるイベントで演舞を披露しています。

2023年の青葉区民マラソンでは、冒頭にパフォーマンスを披露した「チアダンス」のメンバーたち。そのあと、最後の1人がゴールするまで応援していた姿に、ゲストの有森裕子さんも感激していたそう。課外活動を通して、他人を思いやる気持ちや、地域貢献を大切にする姿勢も育っています。

掲載されている、 ビタミンママVol98.『デキる脳を育てる本』0〜5歳の脳活 発売中!

デキる脳を育てる本 ビタミンママ 本※画像をクリック(タップ)すると詳細ページに飛びます

桐蔭学園小学校の他の取材記事はこちら

※校名をクリック(タップ)すると詳細ページに飛びます

お話を伺ったのは

桐蔭学園小学校校長 森 朋子先生