成城学園初等学校の保護者に聞いた「私たちの学校自慢」

個性を尊重しながら、周囲との協調性も育む伝統校、成城学園初等学校。保護者の方々からお話を聞きました。

メンバー

  • Gさん(保護者)

    小6に長女、中2に長男

  • Yさん(保護者)

    小6に次女、大学1年に長女

  • Nさん(保護者)

    小6に長女

この学校を選んだ理由

在校生の姿に驚きと感動
わが子もこうなってほしい

Gさん
長男のとき、私自身受験の経験がなかったので、いろいろな学校の見学に行きました。
その中でも心にグッとくるお話をしてくださったのが成城学園でした。
一番印象に残っているのが木登りの話で、落ちてけがをしてしまう子もいたそうなんですけど、それを一概に禁止するのではなく、折れない木を探して登ってごらん、っていう教育をしますというところに胸を打たれました。
もし失敗してもそこから学べることはあるし、その失敗に寄り添ってくださる教育に夫婦そろって共感したのが最大の理由です。

コミュニケーションカが高く、人前でも堂々とした姿を見せられるのは成城っ子の特長のひとつ。普段の授業でも人前で発表する機会が多く、人の話を聞く力も身についています。

成城学園初等学校:東京都世田谷区

Yさん
私も学校見学に来たのですが、在校生のコミュニケーション能力の高さに驚かされました。「その教室はこっちですよ」「席どうぞ」など、自然体ですっとできるのを見て、わが子も将来、こうなってほしいなと思いました。
また、1年生から6年生までが縦割りで3グループに分かれる「つながり」の時間があって、きょうだいのように関わるんです。
長女が小学生のときにお世話をした子が、次女が入学した際の担当の6年生になっていて、ずっとつながっていることを実感しました。
長女が中2のとき次女は小1で一緒に通学していたのですが、学園の正門でちょうどその子が来て連れて行ってくれたんだそうです。
長女は寂しさを感じる反面、その子の成長ぶりに頼もしさを感じたと言っていました。これもワンキャンパスならではの魅力ですよね。

Nさん
わが家も見学に来たときの、在校生の姿に心惹かれました。説明会ではいいところだけを見せようとせず、ありのままを話してくださいましたし、授業見学では児童さんが積極的に案内してくれたんですね。
「次、この教室でこれやるから見にきてよ」って声をかけてくれる子も。
そのとき、最も心に残っているのは音楽の授業を見たときでした。
娘が児童さんに名前を聞かれたので「××です」って答えたら、歓迎の歌に娘の名前を入れて歌ってくださったんです。
母娘ともどもジーンと来て、まさか学校見学でここまで感動させられるとは夢にも思わなくて。
工芸の授業でも「一緒にやろう」って誘ってくれるなど、みんなが歓迎ムードで、娘もこんなコミュニケーション力や社会性が身についてくれるといいなと思い、この学校を志望しました。
親が通ってみたい学校でもあります。

行事のはなし

行事を通して培われる
やさしさと思いやりの心

Yさん
音楽の会は成城学園初等学校の伝統的な行事のひとつです。
6月は合唱、12月は器楽合奏を講堂の舞台に立って披露します。
娘はシャイで人前に出ることが苦手なタイプだったのですが、先生方やお友だちの温かいフォローもあり、見事やり遂げました。
この曲を選んだ理由や聞きどころなどを説明する姿はわが子ながらとても立派でした。まわりの友だちが讃えてくれたこともあり、自信につながったようです。
また、本番の前には「聞き合う会」が開かれ、本番さながらに発表するんです。
それを聞いて、良かったところや改善した方がいい点などが伝えられ、本番に向けて一層、ブラッシュアップすることもあり、完成度はどのクラスもとても高いです。
娘の司会もそうでしたが、仲間同士で褒めたり、認めたりする機会が多く、自己肯定感につながっているようです。
だからみんな積極的で、何かの係を募るときたくさん手があがるという話もうなずけます。

Nさん
縦割りの色で分かれるユニットごとで行くグループハイキングは、心の成長につながる行事です。
5、6年生になるとハイキングコースの下見に行き、低学年の子たちがどう楽しめるか、危険はないかなどを確認しながらタイムスケジュールを練るんです。
歩く距離もけっこう長くて、どうフォローするか、鼓舞できるかなどもしっかり考えているようです。
遊んだあとの帰り道は低学年、特に1年生の児童にはきついようで、荷物も重いし、座り込んじゃう子も少なくないそう。
そんなとき、5年生が1年生の荷物を持ち、6年生がおんぶしてあげる。これも伝統的に継承されています。
そこでおんぶしてもらった1年生は学年があがるにつれて逞しさを増し、自分が高学年になったとき、荷物を持ってあげたり、おんぶしてあげたり。
年下の子へのやさしさ、思いやり、年上の子への憧れ、尊敬が、ずっと受け継がれているところに伝統校のよさが感じられます。

グループハイキングは5、6年生が事前に下見を行うなど、低学年の子がいかに楽しめるかを考えます。上級生が1年生をおんぶするシーンは継承され続ける伝統です。成城学園初等学校:東京都世田谷区

Gさん
3年生以上が取り組む劇の会が印象的です。
劇の授業があって、そこでは大きな声を出しても笑われないっていう安心感を持たせてくれるなど、まずは子どもたちが本気になって取り組める環境づくりをしてくださる時間なのかなと私は捉えています。
講堂の舞台に立って自分の名前や好きな食べ物を言って、遠くにいる先生に声が届くか、なんて練習もしたようです。
娘はどちらかというと人前に出るのが苦手なタイプなのですが、この練習もあって、劇の会では大きな声ではっきりとセリフを口にしていました。
立ちすくんだり、声が小さかったり、なんて子はまったく見かけませんでした。
娘のクラスは「蟲侍(むしざむらい)」という、椈(ぶな)組さん伝統の劇でした。セリフは「きゃー、怖い」だけでしたが最初はそれすらも言えず、棒読みでクラスのお友だちに笑われていたようです。
それがきっかけで、家に帰っていろんなシチュエーションの「きゃー、怖い」を練習していました。
劇の会は大成功で終えて、6年生の最後に何をしたいか聞かれた娘は「もう一度、劇をやりたい」と。たったひと言のセリフでしたが、いろんなプロセスと成長を感じることができ、親子で感動して涙しました。

劇の授業で声の出し方、感情の込め方など、学んできたことを披露する劇の会。その完成度の高さからわが子の成長が伝わり、感動で涙する保護者も少なくないそう。成城学園初等学校:東京都世田谷区

勉強のはなし

一人一人に合わせた指導と
きめ細かなフォローが安心

Nさん
数学は毎日、オリジナルのプリントが宿題として出ます。国語はやっぱり漢字の練習ですね。
英語もiPadで単語の練習の宿題が出るんですけど、オンラインで管理されているので、提出しないとすぐにわかるんです。
その都度、先生がフォローしてくださるのはとてもありがたいです。
娘は理科の授業がとても面白いとよく話してくれます。
6年生になると2時間続けて授業があって、実験がメインなんですね。
実験が終わると班ごとでノートにまとめてレポートを作るんです。
一方通行的な授業ではなく、自分たちで実際に体験することで記憶に刻まれるというか、理解につながりますよね。そんな授業が多い印象を受けます。

「理科のへや」にはさまざまな実験機材が揃います。1,2年生は「総合」3年生から「理科」に変わり、独自の教材と実験を通して深く学びます。成城学園初等学校:東京都世田谷区

Gさん
英語は1年生から始まり、6年生で英検4級の取得が目標です。
ネイティブの先生は常にいらっしゃるので、日常的に本物の英語に触れられるのはとてもいい刺激になっているようです。
授業もとても楽しいようで、本人は勉強と思っていない節はありますが、学園として英検4級を取得するという目標のもと、カリキュラムをしっかり設けてくださっているので安心してお任せできます。

あと、理科にちなんで天体観測の会が行われたり、体育館でプラネタリウムが上映されたり。
散歩の授業では拾った椎の実を炒って食べたことも。
落ち葉を拾ってプールにして飛び込むとか、成城っ子だからこそできた経験もたくさんあります。
教室や理科のへやだけでなく、学園全体が学びの場になっていることも成城学園の特長です。

天体観測の会が行われたり、体育館でプラネタリウムが上映されたりと、子どもたちの興味・ 関心を引き出す催しがたくさん。また学園内は自然も多く、至る所が学び場です。成城学園初等学校:東京都世田谷区

独自の取り組み

さまざまな活動で感じる
“児童ファースト”の気持ち

Gさん
「特研」、正式名称は特別研究と言って、自分がやりたいことを選ぶ5、6年生の選択授業があるんです。
サッカーやバレーボール、バスケなどの運動系から書道、演劇、サイエンスなどの文化系まで全15種類あって、先生方が得意とする分野を教えてくださいます。
希望者が一人でも開講しますし、子どもたちの「やりたい」を最優先してくださるんです。
うちの子は他では経験できないことをやりたいということで太鼓部を選んだのですが、夏の企画で有志を募って顧問の先生が浅草にある太鼓のバチの専門店に連れて行ってくれたんです。
そこでいろんな木材の中から自分のお気に入りのものを選んで、名入れまでしてもらって。
これを手にしたことで熱量が一層上がって、練習の成果を文化祭で披露してくれました。
このバチは宝物だし、プライスレスな経験をさせてくださったなと感謝しています。

Yさん
放課後に行われる、課外活動クラブというのがあります。
合唱部とブラスバンド部、ライフセービング部があって、朝練や放課後に活動をしていて、合唱部はNHKの合唱コンクールに出場していて、2018年と2019年は東京都本戦で銅賞を獲得しています。
その後はコロナ禍でずっと歌うことができなかったのですが、夏休みに1週間だけ練習して、最終日にミニコンサートをしたんです。
一人でもコロナ感染が出たら中止という緊迫した状況の中、幸い、誰も感染することなく、先生方や卒業生、保護者も見に来てくれて、とても温かい会になりました。
自分の子どもが出ていない保護者の方もたくさん来てくださってありがたいなと思うと同時に、つながりというか家族のような温かさを感じました。

課外活動クラブは合唱部、ブラスバンド部、そしてライフ セービング部があります。ライフセービングではAEDや心 臓マッサージなど、なかなかできない経験も。成城学園初等学校:東京都世田谷区

Nさん
クラスデーはクラス単位で、担任の先生が子どもたちにさせたいことをする1日です。
劇の会が近ければ練習をしたり、遠足に行ったり。ダンボールハウスを作るクラスや、宿泊に出かけるクラスもありました。
保護者の協力のもと、みんなでカレーを作ったことも。成城学園はお弁当なので、みんなで一緒のものを食べたことはとても貴重な経験で、喜んでいました。
先生が子どもたちにさせてあげたいこと、経験させたいこと、学ばせたいことをテーマにいろいろ考えてくださって、保護者の関わりも加味しながら、そこにも成城学園の方針の一つである三位一体があって、子どもたちの成長につながるだけでなく、思い出にも残るのがクラスデーのよさですね。
うちの娘は2年生のときに、4年生のクラスと学校の宿泊施設がある伊勢原へ行きました。
成城学園初等学校は3年生から宿泊体験がはじまるので、その前に練習しようということで。
現地では4年生のお兄さん、お姉さんに手伝ってもらいながら、ご飯を食べたり、ゲームなどのレクリエーションをしたり。お風呂上がりに髪を乾かしてもらったのも、とてもうれしかったみたいです。

3年生から始まる宿泊学習を前に、2年生が4年生と伊勢原にある学校の宿泊施設へお泊まりの練習に。クラスデー は先生の「子どもたちにさせたいこと」が第一です。成城学園初等学校:東京都世田谷区

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