昭和小学校のグローバルマインドとは

昭和小学校では、「小学校からのグローバルマインドの育成」をモットーに日常的な英語学習の強化に加え、 ボストンへのフレンドシップ・ツアーをはじめとするさまざまなグローバル教育に取り組んでいます。 その真の狙いとはどんなものなのでしょうか。実際に児童たちと接している先生方にお話を伺いました。(取材:2021年1月22日)

ボストン・フレンドシップ・ツアーは、単なる語学留学ではありません。共同生活する二人部屋の個室で、10泊11日間という期間を自己責任の下で生活します。洗濯も掃除も自分で行います。

もちろんすべて英語での生活ですから、なかなか通じないしコミュニケーションもとれません。当然です。しっかりとした英語の基礎力をもっていく必要があります。

しかし、それだけではありません。いきなりそういう環境に子どもたちを置くのではなく、そこには日常の学校生活や教育、昭和の国内研修施設で培った知恵、体、心が必要です。

(昭和女子大学附属昭和小学校 前校長 柴田 芳明先生 ※2021年度~真下峯子 校長)

昭和女子大学附属 昭和小学校 校長インタビュー 東京都世田谷区
▲ボストン・フレンドシップ・ツアー 5、6年生の希望者が、「昭和ボストン」で11日間を過ごす研修プログラム

昭和女子大学附属 昭和小学校 校長インタビュー 東京都世田谷区3年担任 富永先生

小1にしてみると、通学の時点ですでに「グローバル」教育です。電車通学の途中で寝過ごした、遅れたと、いろいろなトラブルに対して、自己解決するためには、見知らぬ人に自分の状況を的確に伝えなければなりません。小1なりのグローバルマインドがないと通学できないのです。

昭和女子大学附属 昭和小学校 校長インタビュー 東京都世田谷区音楽 田中先生

現地の空港での初めてのランチのときの話です。ファストフード店で子どもたちが飲み物を注文し、SmallMediumと発音したつもりだったのに伝わらず、仕方なくLargeを頼みました。するとバケツのように大きなコーラが来てびっくり!異国文化の洗礼を受けました。相手にきちんとものごとを伝えなくてはならないことを学ぶとともに、いつも周りの人に守られていることを実感した瞬間でした。

昭和女子大学附属 昭和小学校 校長インタビュー 東京都世田谷区

昭和女子大学附属 昭和小学校 校長インタビュー 東京都世田谷区家庭科 松下先生

現地のカフェテリアでは、朝食と夕食をいただきます。始めのうちは、家ではあまり食べさせてもらえないジャンキーなものや、自分の好きなものばかり選ぶんです。でも、次第に野菜や味噌汁など、調整するようになっていく。お金のことや自分の体のことを、ちゃんと考えるようになるんですね。語学、コミュニケーション力、自立・自律も育っていく。帰国してからの顔つきが変わるという、保護者の声もあります。

昭和女子大学附属 昭和小学校 校長インタビュー 東京都世田谷区社会 奈木野先生

現地では、同年代のアメリカ人の子とペアを組んで一緒に活動します。言葉が通じないときは表情やジェスチャー、絵を描くことも交えて子どもたちはコミュニケーションをとる工夫をします。午前中は語学学習や、ペアの子と共同制作などをして、午後はボストンの街中に出かけます。フレンドとは一日中ずっと一緒なので、次第に心のつながりができていき、最終日のお別れパーティーになると号泣している子がいっぱいいるんです。もし、オンラインで2週間同じことを続けても泣くような子はいないと思います。

昭和女子大学附属 昭和小学校 校長インタビュー 東京都世田谷区
▲昭和ボストン 昭和女子大学が所有するアメリカの教育施設

昭和女子大学附属 昭和小学校 校長インタビュー 東京都世田谷区6年担任 工藤先生

ボストンレッドソックスの試合を観戦しました。相手は大谷翔平選手がいるエンゼルス。レッドソックスのホームで大谷選手の応援をしますから、当然アウェーです。スポーツ観戦を通して、現地の雰囲気を感じ取ったことは、子どもたちにとってとても刺激的でした。

昭和女子大学附属 昭和小学校 校長インタビュー 東京都世田谷区体育 山口先生

思春期、真只中の子どもたち。気になるアメリカ人男子と帰国後も交流したい女子がいたんです。でも、連絡先が知りたいというのはジェスチャーだと伝えられない。Likeでは想いが強すぎる。どんな言葉で伝える?そんなときに覚えたことって忘れないですよね。実践の場で使う英語は本当に大切ですね。

昭和女子大学附属 昭和小学校 校長インタビュー 東京都世田谷区

昭和女子大学附属 昭和小学校 校長インタビュー 東京都世田谷区3年担任 富永先生

ボストンではさまざまな体験をしますが、子どもたちがそれまでに昭和小で身につけたものがたくさんあるから、新しい環境に行ってもそれを伸ばすことができるのです。3年生からの宿泊行事や、総合学習、教科学習などを積み上げ、それが素地となってジャンプアップする場所としてのボストンという位置づけです。ただボストンはスタート地点のひとつであるだけで、これからの中学・高校、そして大人になるための大切な転換点です。海外に出るだけがグローバルではなくて、他者理解、自分の立ち位置などは、日常の生活で培うもの。それが昭和のグローバルマインドです。

日常教育の視点から

昭和女子大学附属 昭和小学校 校長インタビュー 東京都世田谷区英語 人見先生

英語科では、児童が聞いて理解できる力、つまり「受信力」を主眼に置いています。低学年は絵本・歌・タブレット端末などを活用し、生活の中で使う英語を体験させながら、思いをのせた英語を子どもたちが楽しめるように工夫しています。

昭和女子大学附属 昭和小学校 校長インタビュー 東京都世田谷区英語 幡井先生

高学年は英語力に差が出てくる時期ですが、英語は特別な教科ではありません。他教科と同じで、分からなければ自分で調べ、友だちに助けてもらい、先生に尋ねる。楽しさを実感する中で、確実に伸びる授業を心掛けています。

昭和女子大学附属 昭和小学校 校長インタビュー 東京都世田谷区音楽 田中先生

1年生の授業で「英語が好き?話せる?」と尋ねたら、全員が笑顔で「話せます!」って、自信満々で答えるんですよ。キャンパス内に外国人がいると、走り寄って話しかけています。こういう子どもらしい積極性、大切にしたいですね。

昭和女子大学附属 昭和小学校 校長インタビュー 東京都世田谷区
取材:2021年1月22日

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昭和女子大学附属 昭和小学校 校長インタビュー 東京都世田谷区
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