【教えてドクター】あごの成長と歯並びの関係

同年齢の子に比べてあごが小さいのでは、と言われました。このままでは歯並びが悪くなるのではないかと心配です。

日々の食事で口回りの筋肉を鍛える

あごが小さいと、乳歯から永久歯に生え変わる際、十分なスペースがないため、歯並びが悪くなる恐れがあります。そうなると、きちんと歯磨きができないので虫歯や歯周病のリスクも高まります。あごの健全な成長には、口まわりの筋肉を鍛えることが重要です。

ご家庭で気を付けてほしいのは、まず、何よりも日々の食事です。お子さんが3~4歳になってもやわらかい食べ物ばかり好むとしたら、あごは正しく発育しません。かたいものもしっかり噛んで食べることが大切です。

一般的には、「食べ物を口に入れたら30回噛むのがベスト」だと言われています。実際にやってみると、1口30回は大人でもなかなか大変です。その前に飲み込んでしまうんですね。でも、「30回」という目標があると、自分が噛む回数を意識するようになります。

ぜひ親子で「1口30回」を気にしながら一緒に食事をするようにしてください。よく噛むと脳の満腹中枢を刺激することにつながるので、パパやママのダイエットにも有効です。

お口の開きっぱなしにも要注意!

また、口まわりの筋肉が十分に発達しないままだと、口が開きっぱなしになることがあります。そうなると、鼻呼吸ではなく口呼吸になりがちで、口の中が常に乾燥した状態になります。

唾液には虫歯などを引き起こす菌の増殖を抑える作用があるので、乾燥により唾液が十分に口内に行き渡らないと、その効果が期待できなくなります。のどの粘膜が乾くことで風邪をひきやすくなることにもつながります。

歯だけでなく体全体の健康のためにも、まずは普段の食事から、「しっかり噛んで食べる」を意識しましょう。全身を使った運動により、あごの成長を促す方法もありますので、気になることがあればご相談ください。

お話を伺ったのは

よごう歯科クリニック
院長 余郷徹明先生

お子さんに大人気の歯医者さんです。

私自身、子どもが大好きなので、リラックスしてもらうためにキャラクターの帽子をかぶって接することもあります。泣いて治療を嫌がる子には「この虫歯は治そうね」ときちんと話をすると、案外素直に応じてくれるものです。

このとき「痛くないからね」とは言わず、「ちょっと痛いかもしれないけれどすぐ終わるからがんばろう」と声をかけます。もちろん、極力痛くないようにしますけどね(笑)。他の歯医者さんで治療を嫌がって断られた子も、ここなら大丈夫という嬉しいお声もちょうだいしています。

赤ちゃんは生後10カ月くらいからの来院が理想です。ママの治療のときに一緒に連れてきていただければ、ブラッシングの方法や食事のアドバイスもします。


最新情報をチェックしよう!