咳が2週間以上続いたら危険なサイン こまめな換気と免疫力を高めて予防を
初期症状での対応が重要 放置せず早めに受診を
空気が乾燥すると風邪をひく人が増えますが、発熱、体のだるさなどの症状で風邪のように見えて、実は結核の場合があります。警戒が必要なのは2週間以上続く咳です。血の混じった痰が出るのも特徴的です。
男性タレントでモデルもされているJOYさんは結核を風邪と誤診され、半年以上咳が止まらず、血を吐くに至って結核だと判明したそうです。結核は放置していると肺の組織が壊されて、呼吸機能が低下していくとても危険な病気です。
また、世界三大感染症の1つで日本は先進国の中でも感染率が高く、厚生労働省による2018年の統計では、全国で新たに1万5590人の結核患者が登録されました。
長期の投薬治療になることも
結核かどうかは胸部X線検査やツベルクリン皮膚試験、結核感染かを調べる血液検査で診断され、痰や胃液の中に結核菌が検出されると確定されます。結核菌は非常にしぶといのが特徴です。
治療は複数の抗結核薬を6~9カ月間服用する投薬治療になり、周囲に感染の恐れがあるうちは入院治療が必要ですが、菌の活動が停止したら通院治療が可能となります。
結核の薬には種類によってさまざまな副作用があることが知られていて、使用する薬に合わせた検査を行ったり、ビタミンB6製剤を同時に内服したりするなどの対策が取られています。
大人にワクチンはなし 換気とマスク、免疫力で予防
結核は感染した人の咳で空中に散った結核菌を、他の人が吸い込んで感染するので換気が重要です。感染者に直接触れたり、同じ食器を使ったりして感染することはありません。また、結核に感染しても症状が出ず、発病していない人が感染者の90%にのぼります。
高齢者の中には若いころに、かつての結核の大流行で感染し、体内で結核菌が冬眠状態で生き延びている人がいて、加齢に伴い体力が落ちると発症することがあります。
現在は、すべての乳児がBCG接種を受けるよう予防接種法で定められていますが、大人には効果的なワクチンがありません。「結核になりやすい条件」は以下の表のようにある程度明らかになっていますので、あてはまる方は注意が必要です。
監修
桜並木医院
院長 吉家 大亮先生