肥満かどうかは、年齢と体重、性別、身長などの総合的な判断が必要です
1歳以上の幼児は、肥満度=(実測体重-標準体重)/標準体重×100で計算しますが、この計算に必要な標準体重は性別・年齢・身長で異なり煩雑です。
ご家庭では母子手帳にある肥満度判定曲線や成長曲線を使って、お子さんの成長をマークしていきましょう。
身長に対して体重だけが増えているようなら注意が必要です。見た目で判断せず、まずは小児科で相談することをお勧めします。
肥満と診断されたら
肥満の多くは、消費エネルギーより摂取エネルギーのほうが上回っていることが原因で、簡単に言えば、運動不足と食べ過ぎ。これは子どもに限ったことではありませんね。お菓子やジュース、炭水化物等のとりすぎに注意し、適度な運動を心がけましょう。
正しい生活習慣も大切です。早寝早起きを心掛け、決まった時間に3食とりましょう。
また、幼児は1回の食事の量が少ないので、おやつは食事で補えなかったエネルギーや栄養をする目的であることをもう一度認識しましょう。もちろん、食の楽しみという側面もありますから、スナック菓子やジュースを絶対に与えてはいけないということではありませんが、欲しがるからと言っていくらでも与えるというのはやめましょう。
規則正しい生活、適度な量の食事とおやつ、そして運動習慣を幼児のうちに身につければ、思春期にダイエットに悩む心配がなく、大人になってから糖尿病や脂質異常、高血圧などのリスクも回避できる可能性が大きくなります。
私たち小児科医は、成長過程を見ながら適切なアドバイスをして、将来を見据えた改善へと導きます。当院のように、管理栄養士が常駐していれば、より詳細な相談にも応じることができます。
お話を伺った、さとう小児科クリニックについて
アレルギー治療に積極的と伺いました。
勤務医時代から現在に至るまで、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息など、さまざまな症例のお子さんを診察しています。
症状を抑え、悪化させない治療をしながら、親御さんと協力して根治を目指すことが重要です。いま、積極的に取り入れている舌下免疫療法は、アレルギー性鼻炎に高い効果が期待できます。
自宅でできるので、通院回数を抑えられる点もメリットです。また、近年増えている乳幼児の食物アレルギーは、治療とともに食生活への注意も大切です。
当院の管理栄養士が卵や大豆、小麦などの相談を行いますので、自己判断による食事制限をさけ、成長に不可欠な栄養素を摂取しながら改善を目指しましょう。
お話を伺ったのは
さとう小児科クリニック 院長 佐藤雅彦先生
北里大学医学部卒業。日本小児科学会認定小児科専門医。医学博士。北里大学小児科入局、同大学医学部小児科研究員、診療講師などを経て2007年より現職。