重症化して障害が残ることも。 必ずワクチン接種をしましょう。
細菌性髄膜炎には特に注意!
髄膜炎は、脳を包んで保護する髄膜が細菌やウイルスなどに感染して炎症を起こすもので、大きく分けて「細菌性髄膜炎(化膿性髄膜炎)」と「無菌性髄膜炎」の2種類があります。特に細菌性髄膜炎は、命に関わることや、知能障害や難聴、発達の遅れなどの後遺症が残ることもあります。
ここでは、細菌性髄膜炎に関して説明します。
罹患率が高いのは0歳児 5歳くらいまでは危険年齢
細菌性髄膜炎にもっともかかりやすい年齢は、生後6カ月から2歳くらいまでの乳幼児で、その約半数が0歳児です。
これは、免疫力が未熟なことが原因と考えられています。その後、成長とともに免疫力が上がることでかかりにくくはなりますが、5歳ごろまでは注意が必要です。 風邪との見分けがつきにくく 重症化することも 細菌性髄膜炎の症状としては、頭痛、高熱から始まり、嘔吐や全身のだるさ、項部硬直(首の後ろが硬くなる)などが見られます。
重症化し、重い後遺症が残ったり、命に関わったりすることも少なくない大きな原因として、初期症状が風邪に似ているために区別がつきにくく、診断が遅れるという点が挙げられます。
特に乳幼児は、自分で不快感を訴えられないため、寝ない、食べない、吐く、意識がもうろうとしている、ぐったりしているなど、いつもと違う症状に気付いたら、すぐに医師に相談しましょう。
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ワクチンを接種しましょう
日本の場合、乳幼児の細菌性髄膜炎の原因の約80%が、ヒブ(インフルエンザ菌b型:Hib)と肺炎球菌です。
どちらの菌でかかるかわからないため、生後2カ月でのヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンの同時接種が推奨されているのです。インフルエンザ菌b型に代表されるインフルエンザ菌は、冬に感染するインフルエンザウイルスとはまったく異なるものです。
細菌性髄膜炎の原因となる細菌は、多くの子どもののどや鼻の奥にすんでいるので、いつ、だれがかかってもおかしくありません。もし、2カ月目で接種できなかったお子さんがいらしたら、なるべく早く受けましょう。より大きなお子さんで、未接種の場合も、「もういいかな」と自己判断せず、必ず医師と相談しましょう。
お話
ゆめこどもクリニック
院長 林 毅陸 先生