中学受験に向いている子って?

「うちの子は、中学受験に向いているかしら?」そんなお悩みをよく耳にします。実際、どのようなお子さんが中学受験に向いているのだろうと考えた時、地頭の良い子が……と言われがちですが、決してそうではないと思っています。なぜなら、私の息子がそうだったからです(笑)それなのに息子がなぜ希望の学校にご縁をいただけたのかは、本人の努力と用意した環境のおかげだったのかもしれません。

中学受験に向いているお子さんの特性や、私たち親ができることを経験談も交えながらお話したいと思います。中学受験で悩まれている方の少しでもお役に立てれば嬉しいです。

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相手の気持ちをはかれる子

息子の友達で筑波大学附属駒場中学に進学されたお子さんがいます。彼は、いわゆるジェントルマン。まだ気恥ずかしさが残るような高学年の頃、周囲の目を気にすることなく、私に気を遣って席を譲ることができるようなお子さんでした。

このような思いやりを持てるお子さんは、比較的希望の学校に進学されていた印象が強いです。地頭は期待できない息子も、人に対する思いやりで周囲から評価されるタイプの子でした。

そんな息子がどうやってこの性質を身につけたのか、その理由を考えた時に、「読書」と「親子の会話」が大きな役割を果たしていたのではないかと気付きました。読書では、登場人物や作者の感情を想像する力がつき、親子の会話では、会話のキャッチボールをするために、相手の気持ちをくみ取る力ついたのだと思います。

近年の中学受験の試験では、出題者の意図を考えたり、国語では作者や登場人物の感情を深くくみ取ったりする力が求められます。

この様なことは、一朝一夕には身につくものではなく、日頃の読書やコミュニケーションで少しずつ養われるものです。小さい頃からのコミュニケーションや読書、読み聞かせの習慣が、実は中学受験を後押しする大きな力となります。ぜひご家庭でも、日々、意識しながら過ごされてみてはいかがでしょうか?

▲相手の気持ちがわかる子は日々のコミュニケーションで育まれます

規則正しい生活の上でコツコツ努力できる子

憧れの中学校から合格をいただくためには、毎日の勉強習慣が必要不可欠です。これは言うまでもなく、日々の規則正しい生活が土台となります。しかし、「毎日決まった時間にやるべきことをきちんと学習する」ことは、言うは易く行うは難しなのです。

逆を返すと、毎日の勉強も習慣化してしまえば、勉強しない日があると違和感を覚えるようになります。実はわが家。5年生の夏休みに行った家族旅行から、長期休みの度の家族旅行を控える決断をしました。理由は、塾の講習などで忙しくなることはもちろんでしたが、旅行で日常から離れてしまうと、生活リズムが崩れてしまい、日々の勉強ペースに影響が出てしまうと思ったからです。

息子は、ちょっぴり不器用で、旅行でリフレッシュして「さぁ勉強をやるぞ!」というよりも、日常の生活にリズムを取り戻すのに苦労するタイプの子どもでした。旅行を控えたことで得られたことは、日常生活の安定。これが結果として、ブレのない学習を続けられたことにつながったのです。

規則正しい生活とは、目標に向かってコツコツ積み重ねができる生活環境ということではないでしょうか? 私たち親ができることは、その環境を整え、子どもの学びを止めないようにサポートすることです。規則正しい生活を送れるように、家族で協力していきたいですね。

▲毎日コツコツ学習できる習慣づけが大事です

負けず嫌いな子

塾では、成績順にクラスや席順が決まったりする厳しい現実があります。そこで友達と競って「負けたくない」という気持ちも大事だと思います。しかし、それ以上に「なぜこの問題が僕にはわからないんだろう?」「もっとできるようになりたい」「もっといい成績を取りたい」などと、自分自身への負けない持ちがとても大切だと思います。

何度も模試で思うような結果が出せず、涙をのんだ経験。それこそが、子どもの潜在能力を引き出すのではないかと考えます。悔しい思いがばねとなり、大きくジャンプできるのです。親としては、子どもがどう感じているかをしっかり受け止め、認めてあげること。そうすれば、自分のことのわかってくれたと感じ、高い壁ものり越える力が出てくるのではないでしょうか?

▲大きく羽ばたけ!
開成中高出身、現役で東京大学理科Ⅰ類に合格した運動神経がちょっぴり鈍い長男(まめ)と、有名付属中学校在籍の、のんびり屋の長女(そら)の母。幼・小・中・大と伴走してきました。たくさんの失敗や経験談を少しでも皆様のお役に立てればと思っています。

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