中学受験を前に誰もが抱えるお悩みについて、中学受験塾で定評のある陽光学院の先生にお話しを伺いました。
A.子どものレベルに合った内容と量を見極め、算数は親がフォローを。
やり切る経験を増やして自主的に学ぶ姿勢を育む
家庭学習の基本は、「塾の宿題にしっかりと取り組むこと」です。宿題に毎回苦戦している場合は、担当の先生に相談して量やレベルを調整してもらったり、親がフォローしたりすることで、まずは宿題をやり切ることが大切です。
宿題をやり切る達成感が自信につながり、小5くらいからは自主的に家庭学習に取り組めるようになるのが理想です。リビング学習から、ゲームなどの誘惑のない静かな勉強スペースでの一人学習に切り替えるのもこの頃に。子どものペースに余裕が出てきたらフォローを減らし、問題のレベルを上げる、量を増やすなど+αの勉強に取り組むのがおすすめです。
親のフォローで伸びる子どもの「自学自習」力
家庭学習ではいくつもの教材に取り組むのではなく、塾の宿題を2回、3回と繰り返し行ってください。
親のフォローは達成感を感じやすい算数に限定し、1回目は教えながら、2回目以降は子どもが解答することで、学力がより定着します。
子どもを褒める機会が増えることも利点のひとつです。間違えた問題も、2回目に正解すれば褒めるチャンス。丸つけは、ぜひ一緒に行ってください。問題ごとに採点すると、視覚的にも丸がたくさん並び、子どもがより達成感を感じやすくなります。
親子の絆を深めて子どもの受験を支えよう
自学自習を定着させるには、子どもに「やらされている」感覚を植えつけないことが大切です。そこで心掛けたいのが、子どもの勉強に対して否定的な言葉を使わないこと、親子間で受験の捉え方や熱量に差があると認識することです。
志望校が目標になり得るのは受験間近の小6から。それまでは、宿題や小テストなど、「目の前の小さな目標」をひとつずつ乗り越えている段階ですから、ささいなことでも褒めてあげてください。その経験が、長く続く受験期の子どもを支えます。
家庭学習は親子の温かいコミュニケーションの場になることもあれば、子どもの勉強嫌いを増長させるきっかけにもなり得ます。子ども自身の成長も考慮して、できないことではなく、できたことに注目してあげたいですね。
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