2025 神奈川学園中学・高等学校の特長ある学び「KGラウンドシステム」に注目

神奈川学園中学・高等学校は1914年、第一次世界大戦が勃発し世界が混沌としている中で、「女子に生きる力を与えること」「判断する力を与えること」を建学の理念に設立された学校です。
グローバル社会における「女性の自立」に欠かせないツールである英語。

今年6年目となる「KGラウンドシステム」の授業を行う英語科主任の伊藤可奈子先生と、神奈川学園中学・高等学校の出身でもあり、現在は中学2年副担任の近藤詩織先生にお話を伺いました。

お話

神奈川学園中学・高等学校 英語科主任 伊藤可奈子先生 中学2年副担任 近藤詩織先生
伊藤先生「You can make mistakes(間違えてもいいよ)が口癖です。」
近藤先生「テンポよく行うことで、授業に飽きさせない工夫もしています。」

神奈川学園中学・高等学校
(左)英語科主任 伊藤可奈子先生(右)中学2年副担任 近藤詩織先生

失敗を恐れずに英語に取り組む意欲が向上した「KGラウンドシステム」

神奈川学園中学・高等学校では2020年度入学生から、週6~7時間の英語授業のうち、文法を体系的に学ぶ授業が2~3時間、ネイティブの教員による英会話の授業が1時間、さらに週3時間の「ラウンドシステム」を取り入れ、「聞く」「読む」「話す」「書く」の英語4技能を育てています。

同校が中学校で実施している「KGラウンドシステム」は、1年をかけて1冊の教科書を、達成目標を徐々に上げながら何度も繰り返し学んでいく英語の学習法です。
KGラウンドシステムは、ラウンド1からラウンド4までで構成されています。ラウンド1では教科書の内容に関連するイラスト(ピクチャーカード)を見ながら「英語を聞き取る」、ラウンド2では聞き取った音声を元に英文を並べ替えるなど、「耳から入る英文と、読む英文を一致させる」、ラウンド3では、「意味のまとまりを理解しながら英文を読む」、そして最後のラウンド4では、それまでの学習を“総動員”して「教科書内のイラストの内容を自分の言葉で説明する(リテリング)」という学習法です。
これに、文章中の単語や文法を理解しながら読んでいく「精読」を加えて英語の授業が構成されています。

神奈川学園中学・高等学校 英語の授業風景

中学2年のラウンドシステムを導入した英語の授業風景。(神奈川学園中学・高等学校)

「ラウンドシステムでは『発話』『音読』の機会が多くなります。当校では、1冊のテキストを「小さなセクション」を設定して1~3ラウンド+精読+(リテリング)を繰り返し、学習効果の向上を狙っています」と中2の英語を担当する近藤先生。
教科書は、会話が多く盛り込まれたストーリー性のあるテキストがベース。ラウンドシステムの授業は基本的に英語のみで行いますが、登場人物が中学3年間を通して成長していくため、生徒はテレビドラマを見るようにストーリーの展開を楽しみつつ、興味を持って授業に取り組めるといいます。

神奈川学園中学・高等学校リスニング演習の様子

リスニング演習の様子(中学2年)(神奈川学園中学・高等学校)

ラウンドシステムでは「ペアで音読」を多く取り入れています。
例えばオリジナルのワークシートを用いて、交代に様々な質問を英語で出し合います。
ひとりで英文を音読するだけではなく、間違えてもよいので、クラスメイトと英語を交わすことで授業がより楽しく感じられる取り組みです。

神奈川学園中学・高等学校のラウンドシステムワークブック

ラウンドシステムワークブック(神奈川学園中学・高等学校)

ペア活動を多く取り入れるラウンドシステムでは、前後左右のクラスメイトと楽しそうに音読をしたり、互いに質問をしたりしていました。
「『音読』の宿題に楽しく取り組んでもらえるように、私よりも音読が正しく早くできたらシールがもらえるということも授業に取り入れました。
私に勝つために、みんな必死で音読してくるので、今日もかなりの生徒に負けました(笑)。たくさん聞いて、たくさん声に出すことをとても大事にしています」と近藤先生。

神奈川学園中学・高等学校

(神奈川学園中学・高等学校)

ラウンドシステムによる英語学習は「発話することに怖気づかなくなる」ことが大きなメリットだそう。取材の日も、生徒たちは、とても楽しそうに5~6分の間でテンポよく「リスニング」「音読」「ペアワーク」「ラウンド」をこなしていました。

神奈川学園中学・高等学校

「各々のペースで声を出して読む「バズリーディング」と呼ばれる音読は、1回読むごとに体の向きを変えながらテンポよく行うことで、授業に飽きさせない工夫もしています」と近藤先生。(神奈川学園中学・高等学校)

ラウンドシステムが導入されて今年で6年目となる同校。導入前から英語の指導を行う英語科主任の伊藤先生は、「導入する前と後では、授業中の反応が全く違います。間違えを恐れず発話することができるようになりました」と語ります。
英検取得目標は、中学1年が4級、中学2年で3級、中学3年で準2級。ラウンドシステム導入後は、英検におけるライティングの成績アップに加えて、2次面接でも合格率が飛躍的に向上しているそうです。

神奈川学園中学・高等学校英語科主任 伊藤可奈子先生

「英語科の先生たちはYou can make mistakes(間違えてもいいよ)が口癖です。ラウンドシステムがスタートしてから、生徒たちにもそのマインドが浸透し、意欲を感じるようになってきました」と伊藤先生(神奈川学園中学・高等学校)

「KGラウンドシステム」の成功を受けて、2023年9月からは個々の英語の習熟度に合わせてクラス分けをして授業を行う「習熟度別授業」もスタート。2024年度からは、中学入学時からα・βのクラスに別れて、スタートし、一人一人の理解度や課題に合わせた、より細やかな指導により、個々の力を着実に伸ばし、英検の取得にもつなげます。テストのたびにクラスが入れ替わるので、生徒のモチベーションアップにもつながっています。
神奈川学園中学・高等学校のネイティブの先生による中学1年の英会話

クラスを3分割して行われるネイティブの先生による中学1年の英会話。ネイティブの先生が次々に指名して、時刻の表現をテンポよく答えていました。(神奈川学園中学・高等学校)

2024年度の中1では、入学生160人中14人が英検4級以上の有資格者としてαクラスでスタート。生徒たちは着実に力をつけ、中2となった今年度、αクラスの人数は56人に大幅に増えたそう。
また、同校の中学入試において、2025年度入試より英検資格を利用した入試が導入され、中学入学時の有資格者数が35人と、こちらも大幅に増えたそうです。

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