2025 文教大学付属中学校・高等学校の特長ある学び「クリエイティブチャレンジ(CC)」に注目

東急大井町線・池上線旗の台駅から徒歩3分。
閑静な住宅街に佇む文教大学付属中学校・高等学校は、2027年に創立100周年を迎える伝統校です。
開校から続く教育理念「人間愛」を軸に、世界的に社会貢献できる人材育成に努めています。

時代の変化を見据え、常にチャレンジを続ける同校が取り組む主体的な探究活動「クリエイティブチャレンジ(CC)」について、渡邊雄祐先生にお話を伺いました。

お話

文教大学付属中学校・高等学校渡邊 雄祐 先生
自分で考えて行動する力がますます重要になってきます。

文教大学付属中学校・高等学校
渡邊 雄祐 先生

自分で考えて動く力を身につけるクリエイティブチャレンジ

「クリエイティブチャレンジ(CC)」は「総合的な学習」で行われる探究活動です。
中学1年~高校2年が対象で、自分でテーマを見つけて探究していきます。中学1年と中学2年はクラス単位、中学3年〜高校2年は学年もクラスの枠も取り払い、興味のある学問分野を選んで集まります。
そして、何を研究したいかをワークシートに書き込み、研究テーマが近い人とグループを組んで探究します。同じテーマの仲間が見つからない場合は個人で行うことも可能です。

4月から活動を行いますが、まずは「探究」の考え方を学ぶために、探究マインドを形成する教材「ENAGEED」を使って、考え方の手法を学びます。その後、文学、歴史、法律、経済、生物、工学、医療など、大学の学部のようなジャンル分けを行い、昨年は27もの分野に分かれて探究がスタートしました。

その結果、「フェアトレード商品の売り上げを伸ばして貧困地域に貢献する活動」や「多摩川に生息する絶滅危惧種の鳥・コアジサシの生態調査」「黒板が消しやすくなるチョークと黒板消し」など、200にも及ぶテーマが出揃い、それぞれの探究を深めました。

文教大学付属中学校・高等学校のクリエイティブチャレンジ(CC)

CCのユニークな点は、中学3年〜高校2年までの生徒たちが学年の枠をとりはらい、興味が同じ生徒同士でグループを組み探究していくところ。上級生が下級生に良い刺激を与えています。(文教大学付属中学校・高等学校)

「フェアトレード」の研究では、フェアトレードの認知度を高めることで売り上げが伸びるのではないかと考え、地元のスーパーに協力を仰ぎ、作成した「フェアトレードを広めるPOP」を店頭に設置させてもらい売り上げの変化を計測しました。
絶滅危惧鳥「コアジサシ」の研究では、減少しているコアジサシの飛来数を増やすため、多摩川への「デコイ」設置と、デコイのエコ化・簡易化を目指し、活動をしている団体へのインタビューや文鳥を使った実験などを行いました。このように生徒たちの探究マインドはどんどん深まっています。

コミュニケーションとアウトプットで「探究」を深める

「探究」活動は、さまざまな学年が入り混じったグループで行うので、中学生は少々ついていくのが大変ですが、先輩からの学びもたくさんあります。
先輩から学んだことを次は後輩に伝えていくので、文教のCCは回を重ねるごとに深まりを見せていきます。

「CCをはじめて今年で3年目ですが、毎年試行錯誤を重ね、ようやく形になってきました。昨年からは、単なる調べ学習で終わらせないために、中間目標を設け、必ず何かしら外部と接触することを義務づけました」と渡邊先生。

文教大学付属中学校・高等学校の探究祭

昨年度の探究祭から、発表はポスターセッション形式で行われ、スライドや作成した作品など、独自の材料を加えて発表を行うグループもあります。(文教大学付属中学校・高等学校)

専門家とコンタクトをとったり、外部向けに大学が行っているオンライン授業に参加したり。そこまで手が回らないという生徒は、大学のオープンキャパスで質問するなど、何らかの形で自分の探究を外に発信するために自ら動くことが重要だと言います。また、コンテストや出張授業などに関しては、告知や連絡をキャリア支援部から行うことで、生徒たちが参加しやすい環境を整えています。

文教大学付属中学校・高等学校の探究活動発表の場「探究祭」

2月に行われる「探究祭」は、4月から取り組む探究活動発表の場です。最終的に優れた探究を行なった9チームが選ばれ、ロータスホールで生徒や先生、保護者に向けてプレゼンします。(文教大学付属中学校・高等学校)

2月に行われる「探究祭」は、1年に及ぶ「探究」活動発表の場。生徒はここに向かって完成度を高めていきます。
「探究が成功してもしなくても、自分たちの活動がどうだったのか、それを発表して振り返り、次へつなげることが探究祭の目的です。これから先の社会は、自分で考えて行動する力がますます重要になってきます。世界で貢献する人材の育成に、CCは必要不可欠な学びになっています(渡邊先生)」。

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