2025 成城学園中学校高等学校の特長ある学び 「マクダナ校との交換留学」に注目

2025年に、成城の地に移転してから100周年を迎えた成城学園中学校高等学校。
瀟洒な街並とともに〝成城″を象徴する緑豊かなキャンパスに、幼稚園から大学院までを擁し、質の高い教育を推進してきました。

中学校高等学校では「自学自習」「自治自律」を学びの軸とし、真の教養と生きる力を兼ね備えた人材を育成しています。
国際理解教育を推進する同校で開始から37年目となるアメリカのマクダナ校との交流について、英語科・国際交流担当の山本里沙先生にお話をうかがいました。

成城学園中学校高等学校
英語科・国際交流担当 山本里沙先生

学園全体で歓迎する気持ちが深い学びに繋がる交換留学制度

アメリカ東部のメリーランド州にある名門私立校「マクダナ校」と姉妹校関係にある同校は、1988年より短期・長期交換留学を行っています。
一年おきにそれぞれの学校を訪問する短期交換留学制度(希望制)は、同校の生徒が春休み中にマクダナ校を訪れ、翌年度の6月にマクダナ校の生徒を受け入れることで、お互いの異なる教育、文化、習慣を学びます。

(成城学園中学校高等学校)

取材にうかがった日は、ちょうどマクナダ校から2名の教員と8名の生徒が訪れている期間に当たり、校内が歓迎ムードに包まれていました。
高校2年の選択授業では、留学生が「書道」にチャレンジしている真っ最中。書道科の宮本先生が中心となり、国際交流も担当する英語科の山本先生もサポートに入ります。

書道は絵画のように塗ってはいけないこと、線は一回で引くことなど、書道に関する解説から、筆、硯、文鎮などの用語まで、予め先生が準備した英訳を参照しながら、懸命に留学生をサポートする生徒たちの姿が印象的でした。

成城学園中学校高等学校の書道にチャレンジする留学生

海、風、星、心、など、20ほどの見本の中から好きな文字を選び、書道にチャレンジする留学生。線が1本引けるたびに生徒から大きな拍手が起こります。(成城学園中学校高等学校)

成城学園中学校高等学校

(成城学園中学校高等学校)

普段の授業では墨汁を使用しますが、この日は墨を擦ることから留学生に体験してもらいます。(成城学園中学校高等学校)

マクダナ校からの留学生は、約2週間にわたって生徒の自宅にホームステイしながら、普段の授業や生徒が準備したプログラムなどを体験します。
迎える生徒たちは、プランニングしたコースで浅草を案内したり、茶道部の生徒たちがお点前体験を実施したり。

「日本の文化について知識がないと、海外の方にその良さやひとつひとつに込められた意味を伝えることもできません。留学生との交流は、英語力の向上だけでなく、自国の文化や歴史等を含む様々な学びを深める機会となっています」と山本先生。
留学生を歓迎したい、日本のことを伝えたい、という想いが、生徒たちの探究心や意欲をより一層高めているようです。

温かな校風が紡ぐ伝統の国際交流

英語科の山本先生は成城学園の卒業生で、高校2年のときにマクダナ校への1年間の長期留学を体験しました。
そして、この一年が山本先生にとって人生のターニングポイントとなったと言っても過言ではないそうです。

「自分の人生をより良いものとしてくれたマクダナ校から来てくれた生徒たちを、この学校の教師として迎えることができるなんて感慨深いです。こういったかけがえのない交流が40年近くも続いているのは、生徒たちに本物の国際交流を経験してほしいという学園の思いが丁寧に受け継がれてきたからだと感じています」。

成城学園中学校高等学校マクダナ校との交換留学制度

1988年から続くマクダナ校との交換留学制度は、学内での選考を通過すると1年間の長期留学も可能。帰国後は同級生と一緒に進級できます。(成城学園中学校高等学校)

山本先生に在校時の思い出をたずねると、
「先生が背中を押してくださって留学する決心がつきました。そういえば…はっきり覚えているのが、当時、レオナルド・ディカプリオのファンで、ファンレターを出したいというと、英語の先生が真剣に手紙の添削に何度も付き合ってくださったことが懐かしく思い出されます。今思うと返信が返ってくることは現実味がなかったのですが…」
とちょっとはにかみながら教えてくださいました。

「そんな先生方の生徒に対する温かさは、今もまったく変わってないですね。私自身も、生徒が悩んだとき、迷ったときはさりげなくそっと背中を押してあげられるように、生徒を見守っていきたいと思っています。そのために普段からの『生徒ウォッチング』は欠かせません」。

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