明治期の政治家、榎本武揚が設立した徳川育英会の育英黌農業科をルーツにもつ東京農業大学の隣に、東京農業大学第一高等学校・中等部があります。
同校の教育理念は「知耕実学」。敷地内に豊かな自然を擁する同校で、生徒はさまざまな実学を通して自らの“知の土壌”を耕し続けています。
生徒の日々の生活の様子から同校の魅力を探ります。
日頃の学びをより深める部活動に全力！
最初は無所属でしたが中学1年生の時の担任が生物部の顧問で、三者面談の時に誘われて入部しました。
うちの生物部は中高合わせて150人以上が所属する大所帯で、学外でのコンテストなどでも受賞歴があるなど実績も多くあります。
（東京農業大学第一高等学校・中等部）
今、僕が研究しているのは簡単にいうと「卵殻から出ている物質によって骨の再生が進むのではないか」というもの。JAXAでも金魚の鱗を骨の再生に応用できないかという研究をしているときいています。
うまくいかないことも多いですが、狙った通りの結果が出たときは達成感が大きいです。研究発表では他校の研究を目にする機会も多く、そういった校外での活動にも学びがあります。
生物部の拠点には生き物が所狭しと飼育されています。（東京農業大学第一高等学校・中等部）
「一中一高」ゼミで興味関心をもっと深められる！
学習・研究はもちろん、ライフスタイルやものづくりなどさまざまなテーマがある「一中一高ゼミ」は農一にしかないプログラムだと思います。
対象学年が絞られたものもありますが、放課後に開講される講座は好きなもの・興味があるものに自由に参加ができます。
多くは先生方の得意分野を生かした講座ですが、最近は生徒が主体となったゼミも増えてきました。
面白かったのは「映画予告編をひたすら観よう！」。予告編は映画本編の“オイシイところ”を集めているのでそれだけで１つの作品として面白さがあります。
「箱根ランナーを囲む会」や「スキンケア講座」などのゼミでは実際のランナーさんや化粧品会社で働いている人など、外部講師を招いたりもしていました。
最近はゼミをきっかけに学外のコンテストに応募して好成績を収めるケースも増えています。
「一中一高ゼミ」は学年・教科の枠組を超えたゼミ形式の講座。『知を広げる』『知を深める』を目的に年間 70～80 講座が開催されます。（東京農業大学第一高等学校・中等部）
リレーのバトンは大根!? SSFで熱くなれ！
学校の校章でもあり、所在地の地名でもある“桜”は農一生にとって、とても大事なものです。
そこから命名された中等部の体育祭が「SSF（Sakura Sports Festival）」です。
私はバスケットボール部で頑張っていますが、クラブ対抗リレーでは優勝することができましたし、クラス対抗でも足りない人数分を走りました。
リレーのバトンは大根なんです。バトンをもつというよりはラグビーみたいに抱えて走ります。当たり前ですが、落とすと割れちゃうじゃないですか！
そうするとかけらを拾い集めてまた走る…。農一ならではの光景だと思います！
SSFは、生徒が共創して開催。委員達が先生方を教室に集め、企画・運営について説明して、修正してより良いものにブラッシュアップします。（東京農業大学第一高等学校・中等部）
勉強にもおしゃべりにも。ラウンジが憩いの場
アリーナや体育館が複数あるなど、学校の敷地が広いところが魅力です。
もちろん冷暖房完備で、暑い夏も寒い冬も快適に過ごせるので学習に集中できるのがいいところです。
この学校は理系科目に注力していて、豚の目やネズミの解剖など最初は衝撃的だった授業にもどんどん関心がわいてきました。
2023年に新設された新2号館のラウンジはお気に入りの場所です。ごはんを食べるのはもちろん、ほどよく勉強したり、友だちとお喋りしたり……。
集中したい時は、隣に個別のブースに分かれた自習室もあります。部活のない日も放課後はラウンジで過ごすことが多いです。
新2号館のラウンジは、放課後も友だちと勉強をする生徒でにぎわいます。（東京農業大学第一高等学校・中等部）
（東京農業大学第一高等学校・中等部）
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