2025 先生に聞く。文教大学付属中学校・高等学校が目指すこと

東急大井町線・池上線旗の台駅から徒歩3分。閑静な住宅街に佇む文教大学付属中学校・高等学校は、2027年に創立100周年を迎える伝統校です。
開校から続く教育理念「人間愛」を軸に、世界的に社会貢献できる人材育成に努める同校。
時代の変化を見据えた新しい学校づくりに取り組む校長の神戸航先生にお話を伺いました。

お話

文教大学付属中学校・高等学校 校長 神戸 航 先生
建学の精神「人間愛」を礎に
社会に貢献できる人間力を育む

文教大学付属中学校・高等学校
校長 神戸 航 先生

グローバルな視座で世界の課題に挑む
GCP(グローバルコンピテンスプログラム)

文教大学付属中学校・高等学校

(文教大学付属中学校・高等学校)

本校は、社会に出たその先を見据えた教育をテーマに、新しい学校づくりに取り組んできました。近年の入学希望者数の著しい伸びについては、社会に出たその先にどんな力が必要なのかを追求する我が校の教育に共感していただける保護者の方が増えている証と捉えています。

社会に出ると、考え方も世代も様々な集団の中でうまくコミュニケーションをとりながら、自分の意見もしっかり伝えていける力が欠かせません。まさに今、社会で活躍していらっしゃる世代の保護者の方々が、学歴では測れないこのような力の必要性を実感していらっしゃるのではないでしょうか。

社会で活躍できる人を育てる教育に必要なコンテンツとして、2022年にグローバルコンピテンスプログラム(GCP)を導入しました。
このプログラムは英語を学ぶのではなく、英語で学ぶプログラムです。世界中の様々な問題や文化の違いに目を向け、自分の意見をもち、グループ内で話し合い、発表します。

導入に至るまでに、社会に貢献できる人材に必要な力とは何だろう?と、教員同士で何度も話し合いを重ねる中で、本校の建学の理念である「人間愛」に改めて立ち返りました。
隣人への愛も、世界平和も、SDGsも、根底にあるのは建学の精神の「人間愛」に他ならない。そこで、「人間愛の精神をもって社会に貢献するために必要な力」を明確に提示するために、「人間愛」を「世界標準の貢献力」と表現し、必要な資質として5つの「文教ユニバーサルコンピテンシー」を策定しました。
発見力・思考力・行動力・探究力・表現力。この5つのコンピテンシーと、GCPのプログラムに高い親和性があったというのが、導入に至った経緯です。

文教大学付属中学校・高等学校 外国人講師と担任の先生のチームティーチングで行われるGCPの授業

外国人講師と担任の先生のチームティーチングで行われるGCPの授業。
国内外の大小さまざまな問題について考え、仲間と協力して解決策を見出し、英語で発表します。視野を広げ、主体的に物事に取り組めるマインドを育み、意見を言葉にして対話できる英語力も育みます。(文教大学付属中学校・高等学校)

GCPは、導入した後も本気で向き合い、よりブラッシュアップしていこうと改善を重ねています。これまでは、ネイティブ講師とともに日本人の英語講師が授業に入っていましたが、担任教師に担当してもらうことにしました。
そもそもGCPは語学を学ぶためのものではなく、英語を使ってSDGsや世界の文化、平和といった社会的テーマについて考えるプログラムです。言い換えると、英語版道徳のようなプログラムなので、教育課程を見直し、英語の枠から外し、総合学習に移行しました。
担任の教師が担当することで、全校を上げてGCPに取り組もうという意識が浸透し、一人一人の生徒の成長もしっかり把握できる体制になりました。
また、これまでは中学2年から導入していましたが、今年からは入学後すぐにスタートします。GCPを通して育まれたマインドが、部活動や学校行事などの運営にも発揮され、生徒が主役の学校づくりの勢いが増すことを期待しています。

「自分事化」するマインドを育む体験型プログラム

私は、「当事者意識を持つように」と生徒によく言いますが、そのためには、机上で考えるより、実際に目で見て体験して感じることが、一番の学びになると考えています。

中学生から参加できる海外研修として、セブ島語学研修を設けていますが、今年から「語学」の文字を外し、セブ島・グローバル研修として現地でしか体験できない異文化交流を盛り込みました。

研修の最終日に、セブ島から船で1時間ほどかかる離島を訪れ、現地の人たちと交流します。
電気もガスも水道すら通っていない家で、ひしめきあって暮らす環境とはうらはらに、子どもたちのキラキラした笑顔を目にした生徒たちは、「幸せとは何か?」と考えはじめました。
自分たちは環境を改善するために、こうしたほうがいい、あれがあった方がいいと考えるけれど、それって本当に求められているのだろうか?社会貢献につながるのだろうか?先ずは島の人たちの考えを聞くことが大切だと思う…と、生徒たちは多角的な視点で考えを深めていきます。
遠く離れた場所の、自分とは関係のないと思っていた人たちの事が、体験することによって一気に自分ごとになっていく様子を目の当たりにして、体験の重要性を再認識した出来事でした。

文教大学付属中学校・高等学校のセブ島グローバル研修

中1〜高2の希望者が参加するセブ島グローバル研修。語学だけではなくグローバルな視座を育みます。(文教大学付属中学校・高等学校)

この研修を経て、希望者だけでなく全員に異文化体験の機会を提供したいと考え、2026年度の入学生から中学、高校ともに修学旅行を刷新します。 
中学3年は沖縄に行きますが、ポイントは八重山諸島にも訪れることです。石垣島を拠点に、西表島、竹富島など、6エリアほどに分かれて異文化交流やダイナミックな大自然と触れ合います。例えば一見すると美しい海の中で、珊瑚が白化しているようすを実際に目にした生徒たちは、決して机上では得られない感情と共に、学びを深めてくれると信じています。

現地での体験を深い学びにつなげる力を養い、高校の修学旅行ではいよいよ海外へとフィールドを広げます。フィンランドやブルネイ、台湾など、特長ある3つのコースを準備しました。実際に足を運び自分の目で見ることで、遠い国の出来事を「自分事化」し、様々な疑問や課題に向き合い学びを深めます。

自ら考え、行動する主体性育む数々の行事

文化祭・体育祭・合唱コンクールといったイベントは、企画から運営まで生徒たちが中心となって行っています。予行練習でうまくいかないことがあっても、生徒たち自身で問題を乗り越えられるように、教員は最低限のサポートにとどめ見守ります。

以前は体育祭を中高合同で行っていましたが、コロナ禍をきっかけに別々に開催しています。合同で行っていた時は、自ずと高校生が仕切って中学生はついていくという関係になっていましたが、自分たちがやるしかない環境になったことで、中学3年生がすばらしいリーダーシップを発揮してくれるようになり、団結力も高まってきました。主体的に考え、行動する経験を積み重ねることが、子どもたちを大きく成長させてくれることを実感しています。

文教大学付属中学校・高等学校の駒沢オリンピック公園総合運動場で行われた体育祭

駒沢オリンピック公園総合運動場で行われた中学の体育祭。企画から当日の運営まで、生徒が中心となって行います。今年は、ミントグリーン組、ライトブルー組、ピンク組、オレンジ組の縦割り4チームで競い合いました。(文教大学付属中学校・高等学校)

こうした経験が積み重なることで、生徒たちは「やらされる学び」から「自ら動く学び」へと意識が変わっていきます。その結果、近年の大学合格実績にも顕著な成果が表れており、進学実績も飛躍的に向上しました。なにより嬉しい変化は、自分は何を学び、どのように社会に貢献していきたいのか、という視点で大学や学部を選ぶ生徒が増えてきたことです。

これからも、よりよい教育のために、常に進化し続けていきますが、根幹にあるのは「人間愛」です。人間愛をもって人に尽くし、困難や問題を仲間と共に解決していく、生徒一人一人がそんなマインドをもって未来に羽ばたいていくことを願っています。

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