異国情緒あふれる山手の丘陵地で、高層ビルが立ち並ぶ横浜みなとみらい地区を見下ろし、心地よい風が吹き抜ける「横浜女学院中学校高等学校」。
太平洋戦争の戦禍からの再興のため、金子正先生が横浜千歳女子商業学校(創立1886年)と神奈川女子商業学校(創立1943年)を、1947年に合併創立したことで誕生しました。
イエス・キリストの教えに基づく「愛と誠」の建学の精神を、創立以来貫いています。鈴木雅子先生に中学・高校の6年間で育みたい生徒像についてお話を伺いました。
世代を超えて受け継ぐ校風は、挑戦するエネルギーとしなやかな心

(横浜女学院中学校高等学校)
可能性を伸ばして人生を豊かにする「学習指導」、個性を尊重して共に生きる喜びを高める「共生教育」、普遍的な価値観を反映した聖書の教えを学ぶ「キリスト教教育」を理念に掲げ、他者を認め全力で挑戦する校風が爽やかに息づく生徒たち。創立者である金子正先生は、常に「本校の宝は生徒だ」とおっしゃっていました。
生徒たちが、中学・高校の6年間で育む「挑戦するエネルギー」や「しなやかな心」は、何ものにも代えがたいと改めて実感しています。
その校風の下で育まれた心は卒業しても色あせることなく、同窓会にいらした皆さんの姿にすがすがしい品格を感じました。それはまるで血がつながっているように、脈々と現在の生徒たちにも受け継がれていると確かに感じました。
この学校生活で生徒たちに伝えたいことは、ご家庭はもちろん、学校や友人などとの関わりから、生徒本人が「愛されている」という絶対的な自信を持つこと。
さらには「自らを大切にすることができる」ことです。周囲から愛されているという自信がなければ、失敗を恐れて自由な発想ができず、挑戦もできなくなってしまいます。
さらに、生徒が何か挑戦をして失敗したとしても、気後れする必要は一切ありません。むしろ目標に向かって経験を積んだことで、自身の価値が上がっているのだと伝えています。

チャレンジをテーマに行われる「Assembly」は、校内外の活動に参加した生徒たちが、活動の中で学んだことや感じたことを発表する集会。毎月行われ、中学生と高校生の全校生徒を前に、希望者が登壇します。発表者の輝く姿に続けと、新たなチャレンジを促します。(横浜女学院中学校高等学校)

階段の踊り場に掲示された研究レポートは、2024年度の「鳴子スタディツアー」に参加した、現在高校3年生の4人が作成したもの。訪問先の東北大学で再生可能エネルギーの授業を受けたことをきっかけに、生ごみからメタンガスを生成する装置を校内に導入。文化祭で生成したガスを使ってお湯を沸かし、2日間で400杯のココアを販売した一連の内容がまとめられています。その結果を2025年3月に行われた日本水環境学会で発表し、その後、校内のAssemblyで全校生徒に報告しました。(横浜女学院中学校高等学校)
自分を愛してくれる第二の家族は、職員室の先生たち
子どもから大人へと変化する多感な年頃の生徒たちは、親御さんからの言葉を素直に受け入れられない時もあります。
保護者の方の手を離れて自立に向かう心を養う大切な時期に、健全な心の成長をサポートする大人の目が必要です。
第二の家族のような存在に。その想いを生徒が相談しやすい「壁のない職員室」にも反映しました。
生徒が職員室に来てくれたときは、忙しくても手を止めてしっかり話を聞くよう、先生たちに伝えています。
ちょっとした悩みや相談事でも、「職員室に行けば、自分を愛してくれている存在がこんなにいるのだ」と、生徒たちが感じ取ってもらえたらうれしいです。

壁のない職員室は、生徒たちにとって安心できる空間。カウンター前の広いスペースには、机もあり、腰を据えた相談もできます。この日は試験前で、生徒の立ち入りが制限されているため、いつものにぎやかさは試験後までお預けです。(横浜女学院中学校高等学校)
中学・高校の6年間で培う「6領域12コンピテンシー」
愛されているという実感は、ありのままの自分を受け入れるチカラに。そして多角的でグローバルな視野を育むことで、生徒それぞれのカタチで社会貢献を果たしてほしい。
そのような願いを具体化したものが、2023年度から掲げている「6領域12コンピテンシー(優れた成果を生み出す個人の能力)」です。「自分・隣人・世の中」の3つの視点から、「知る・行動する」の2つのアクションを起こすことで、それぞれの能力を身に付けることを目標としています。
例えば「自分」×「知る」なら「自らを振り返ることができる」「自らを大切にすることができる」。「隣人」×「知る」なら「多様性を尊重することができる」「対話することができる」。
そして「世の中」×「行動する」なら「『当たり前』を疑うことができる・改善策を考えることができる」などと表現されています。「大人でも達成することは難しいですが、まずは『自らを大切にする』ことを見失わずに、学校生活を送ってほしいと願っています。そして生徒たちには、自分の好きなことを見つけて、世の中のために活かせる大人になってほしいです。もちろん、誰かと比べたりする必要はありません。
中学・高校の6年間で培う「6領域12コンピテンシー」。自分を知り、世界を広げる教育ステップは、多角的でグローバルな知識と経験を両輪に、生徒一人一人の未来を拓く力となります。

お昼の時間は、クラスや学年の枠はなく校内の自由な場所で食事ができます。木の温もりあふれる教室や、みなとみらい地区を一望できる屋上など、中には校長先生とおしゃべりをするために校長室に訪れる生徒もいるそう。(横浜女学院中学校高等学校)
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