2025年に創立140年を迎えた高輪中学高等学校。長い歴史に培われた「自主堅正」の精神に加え、物事の本質を深く探究する姿勢を大切にした教育を行っています。
再開発により日々変化する街「高輪ゲートウェイシティ」とともに、新たな取り組みにも次々と挑戦。学校の歴史と進化、次の150周年へ向けての思いを、校長先生にうかがいました。
大きな変遷を経て迎えた140周年
次の時代を作るのは生徒たち自身

(高輪中学高等学校)
高輪中学高等学校の前身は、1885年、京都で創立。元々は西本願寺が作った学校でした。
1901年に京都からこの高輪の地に移転後の、1906年に仏教との関係からは離れ、高輪中学として新たなスタートを切りました。
昭和40年代には、中学を休校せざるを得ない時期があり、その後、再開して現在の中高一貫という形になったのが1989年です。このとき、校訓である「自主堅正」はそのままに、さらに「見えるものの奥にある、見えないものを見つめよう」という教育理念を定めました。
「自主堅正」とは、昨日より今日、今日より明日と、自分の能力を磨き、人格を成長させていこうという精神です。そして、教育理念には、物事を表面だけで判断するのではなく、内面に目を向けて深く探求していこう、との思いが込められています。現在もこれを大切な教育の柱として、日々、教員は生徒たちと向き合っています。
長い歴史の中でこうした大きな変遷を経験し、140周年の節目を迎えた2025年。高輪中がある地域、高輪ゲートウェイシティの「まちびらき」が行われました。
新たな環境変化の真っただ中にいる一方で、泉岳寺に隣接する高輪中は、緑豊かで非常に落ち着いた環境です。歴史と進化、その2つの側面を持った場所にあるということに、ある意味、運命的なものを感じます。
これからわれわれが地域のため、未来のためにできることは何か、生徒たちとともに考えていきたいと思っています。

校舎4階のテラスからは高輪ゲートウェイシティが一望できます。生徒たちにとって、テラスに設置されたベンチは憩いの場。「休み時間にここからの景色を眺めるのが癒しです」という生徒も。(高輪中学高等学校)
2020年に高輪ゲートウェイ駅が開業して以来、高輪中では、すでにいくつか街へ貢献する取り組みを進めています。
例えば、理科研究部は、JR東日本からの依頼で、校内でホップの栽培に取り組んできました。
工事で回収した土を再利用して育てたホップを使い、高輪ブランドのクラフトビールを作り出そうというプロジェクトですが、その過程でビールだけにとどまらず、ホップを使ったパン作りを行うなど、活動の輪は広がっています。

校内のさまざまな場所に、理科研究部が中心となって育てているホップの鉢が置かれています。ホップ栽培プロジェクトでは、同様に栽培に協力している地域の企業や住民と交流する機会もあり、コミュニティの活性化にも一役買っています。(高輪中学高等学校)

理科研究部の部員数は中高あわせて約70名。さまざまな生物を飼育しており、この日は孵化した稚魚にエサをあげたり、部員が沖縄で採集したトカゲの様子を見たり、和気あいあいと活動していました。(高輪中学高等学校)
また、高輪ゲートウェイ駅の屋根は折り紙をモチーフとして隈研吾氏が設計したものです。そこで、一昨年の秋ごろ、折り紙のワークショップが開催され、折紙同好会の生徒たちが講師として参加しました。
さらに、2025年3月~6月、高輪ゲートウェイシティの「まちびらき」直後から開催された「未来へつながる鉄道とまちづくり展」では、毎日曜日、旅行・鉄道研究部の生徒たちが、パソコンとモニターを使った鉄道の運転シミュレーション体験をお手伝いしました。ゲートウェイとは「入り口」を意味しており、この街は100年後の豊かな暮らしを見据え、ひと・自然・テクノロジーが融合する新たな国際交流拠点の入り口を目指しているとのことで、生徒たちは、さまざまな活動を通して、こうした環境の変化を身近なこととして感じています。
1つ1つのできごとは、真摯に目の前のことに取り組んできた生徒たちの活動が結果として形になったものと感じています。日々の積み重ねが、次の150年に続いていく。その歴史を作っていくのは生徒たち自身だということを、これからも伝えていきたいと考えています。
どんなに小さな興味・関心も
持ち続けることが未来への扉を開く

ダーツ部、マジック部、マケドニア研究同好会、琉球三線同好会など、めずらしい部活や同好会がたくさん。やりたいことがあれば、同じ趣味の仲間を集めて、顧問の先生を見つけさえすれば、新サークルの立ち上げが可能です。(高輪中学高等学校)
独創的な部活や同好会が多いことで知られる高輪中ですが、中でも特筆すべきは日本で唯一の「マケドニア研究同好会」です。
コロナ禍を機にオンライン英会話を導入した際、講師の中に、北マケドニア共和国の方がいました。
「どこにある国? どんな国?」、そんな生徒たちの素朴な疑問から、英語科の先生がマケドニアの言語、文化、自然、歴史などについて勉強するサークルを作ったのが始まりでした。
五反田にある大使館を表敬訪問して、大使にインタビューをしたり、逆に、高学祭(文化祭)に来ていただいたり。そうしたお付き合いを数年来続けていたところ、2025年5月、大阪万博で行われた北マケドニア共和国と日本の公式晩餐会に、マケドニア研究同好会顧問の先生と共に招待されました。
生徒たちの興味関心から立ち上げた小さなサークル発足がこのような広がりになったことは、驚きと同時に、大変嬉しさを感じています。卒業後も生徒たちにはさまざまなことに興味や関心を持つ姿勢を忘れずに、広く活躍してほしいと願っています。

バドミントン、卓球、サッカー、ゴルフ、剣道、柔道など、運動部の活動も盛んです。3階建てで冷暖房完備の体育館や、全天候型のグラウンド、部室があるクラブハウスなど、施設も充実しています。(高輪中学高等学校)
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