東急グループの礎を築いた五島慶太先生が、「世の中のために、人のために」という思想のもとに創立した学校を前身とする、東京都市大学等々力中学校・高等学校。
2009年「東京都市大学グループ」の誕生を機に、校名も新たに共学校として生まれ変わりました。以来、多様な留学制度やＩＣＴ(情報通信技術)の活用に力を入れています。
2024年度に着任された草間雅行校長先生にお話を伺いました。
６年間の一貫教育で「共生」「英知」「高潔」を身につける
（東京都市大学等々力中学校・高等学校）
「ｎｏｂｌｅｓｓｅ ｏｂｌｉｇｅ(ノブレス・オブリージュ)」。ちょっと聞きなれない言葉ですが、「高潔な若人が果たすべき責任と義務」といった意味で、東京都市大学等々力中学校・高等学校の柱となる教育理念です。
これをより分かりやすくするために掲げているのが、「共生」「英知」「高潔」の３つ。中学１年・中学２年では友だちや社会と共に生きる「共生」を、中学３年・高校１年では探究心を刺激する「英知」をというように、２学年ごとに教育目標を掲げています。最後の２年間では、自律して自立学習できる「高潔」な人になるべく、我々が全力でサポート。
６年間で学習と経験を積み重ね、社会のためになる人への道を切り開いていきます。
語学研修と手厚い英語教育でグローバルな大人に
東京都市大学等々力中学校・高等学校には、もう一つ教育理念があります。
「グローバルリーダーの育成」です。多様化する国際社会において、グローバルな視点に立ち、リーダーシップを発揮できる人材。
１０年後、２０年後に、そういった大人になれる力を養うのが目標です。
そこで力を入れているのが、語学研修や海外留学と英語力の向上です。語学研修はイギリスかシンガポールを選び、高校２年で全員が参加。
ほかにも、希望者を対象にしたターム留学や、英語の成績や英検の取得級、選抜テストをクリアした生徒が参加できる、10カ月のカナダ留学もあります。留学先で取得した単位を日本でも使えるため、帰国後は留年せず進級できるのも魅力です。
英語力の向上については、ネイティブ講師による指導はもちろん、毎朝英単語を学ぶ時間を設けるなど力を入れています。放課後には、ネイティブ講師や留学生と交流できる「イングリッシュサロン」を開放するほか、英検対策講座なども充実。その結果、2024年度は中学１年の英検４級合格者は全体の約89％、3級は47％、中学２年の英検３級合格者は約93％で、準２級以上の合格者も43％となりました。
帰国生や英語力のある生徒を対象にした選抜クラス「αクラス」の英語の取り出し授業。テーマを決めてネイティブの先生とディスカッションするなど、実用的な英語を学びます。（東京都市大学等々力中学校・高等学校）
学校オリジナルの「ＴＱノート」で自律と自立できる人に
同校では、生徒全員がiPadを所有。「ロイロノート」をはじめとした学習支援アプリを積極的に取り入れ、予習・復習・情報の共有などに活用しています。
その一方で、生徒の学習管理や時間活用能力を伸ばすために取り入れているのが、「ＴＱノート」です。学校オリジナルのノートで、時間(ｔｉｍｅ)を生かしきる探究(ｑｕｅｓｔ)の旅を手助けするという目的のもとに誕生しました。
生徒が翌週１週間の学習目標を立て、毎晩結果を書き込み、翌日、担任に提出。一見アナログなやりとりですが、手で書き込むことで自分を客観視し、管理できるようになるのがメリットです。
「ＴＱノートを積極的に活用し、自律と自立できる人になり、勉強も部活も頑張ってくれたら嬉しい。そしてゆくゆくは、社会のためになる人になってほしいと願っています(草間雅行校長先生)」
見開きで１週間を見渡せる「ＴＱノート」。左ページが時間軸になっていて、上段にはその日に取り組みたいこと、下段には実際にできたことを書き込みます。（東京都市大学等々力中学校・高等学校）
中学１年・中学２年の教育目標「共生」にちなんだ「菜園プログラム」。野菜の栽培を通し、共生や仲間について考えます。（東京都市大学等々力中学校・高等学校）
休み時間を利用して、畑の水やりも交代で。夏野菜がたくさん収穫できました。（東京都市大学等々力中学校・高等学校）
イギリスへの語学研修では、カンタベリー大聖堂やウィンザー城を訪れ、歴史や文化にも触れます。ドーバー海峡のホワイトクリフで、大自然を満喫。（東京都市大学等々力中学校・高等学校）
海外で生活経験がある帰国生が、自分たちが滞在した国について紹介する「帰国生プレゼン大会」。生徒たちの海外への興味をかき立て、グローバルな視野を広げます。（東京都市大学等々力中学校・高等学校）
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