生徒たちの交流の場として賑わう、学校の中心にある吹き抜けのアトリウム。そんな、開放的な校舎が特徴なのが青稜中学校・高等学校です。今回は、学校が大切にしていることや取り組みなど、ビタミンママが校長先生にお話を伺いました。
教育とは生徒に希望を与えること
「挑戦」のマインドが学力を伸ばす
1995年に歴史ある女子校から男女共学になった青稜中学校・高等学校。大胆でスピード感のある教育改革のもと大学進学実績を大きく伸ばした注目の進学校です。生徒の学力の伸びを加速させたのは、「ふたつのベクトル」と青田泰明校長。「ひとつは進学を意識したきめ細かな授業やさまざまな講習。しかしそれだけでは他の進学校とそれほど違わないでしょう」。青田校長が青稜らしさと言うふたつ目のベクトルが「挑戦」のマインドづくりです。「進路を考えるときに生徒にはいまの自分よりふたつ上のレベルの大学を目標にしよう、と話します。自分の可能性を信じて頑張ることが成長に繋がるからです。これを『希望進路』と謳っています。学校生活でも、校則の改変や有志による新しいクラブの発足など、失敗してもいいからいろんなことに挑戦しよう、と主体的な行動を応援しています。教育で大切なのは生徒に希望を与えることなのです」。
教科の枠に捉われないゼミナール
学ぶ楽しさを知り、非認知能力を高める
学習支援はさまざまな形で行われています。自学自習の習慣を中学のうちに定着させようと導入されたのが「Sラボ」です。個別ブースが並ぶ専用ルームには、5~10人のチューターが常駐。生徒一人一人の質問にも答えます。「家に帰ったら勉強に集中するのはなかなか難しい。だったらすべてを学校のなかで完結できる環境をつくろうと考えました。Sラボが、確実に学力の伸びにつながっています」。
中学2、3年生を対象にした特別授業「ゼミナール」は、「学ぶことそのものを楽しんで欲しい」と、青稜の多才な教師陣が教科の枠に捉われない自由なテーマで14講座を開講。異学年混合のグループワークやディスカッションを交えながら個々の学びを深めていきます。青田校長も「SDGs」をキーワードに未来を良くする方法を考えるゼミを主催。CSR活動を行う企業を招待し、その取り組みを学ぶだけでなく、生徒のアイデアで商品開発まで行うことも。生徒の学ぶ意欲、思考力など非認知能力を培います。
「青稜は生徒も教師も楽しく挑戦できるプラットホーム」と青田校長。その姿は常に変わり続けています。
ビタミンママ編集部の注目ポイント
英語でコミュニケーションできる楽しさを知ろう!
中学生の「English Fun Program」
中学1~3年生を対象にしたEnglish Fun Program(イングリッシュ ファン プログラム)は学校内で年1回2日間にわたって学年ごとに行われる英語研修プログラムです。「第一の目的は英語嫌いにならないこと。そして、英語でコミュニケーションできる喜びを味わい英語学習の意欲を高めること。生徒たちからも大好評です」と英語科の郡山民子先生。
取材で訪れた日は1年生のプログラムが行われていました。青稜には5名のネイティブ教師が在籍していますが、あえてフィリピン、インド、オーストラリア、ドイツなど、国籍の異なる講師を外部から迎え、国ごとの文化や発音の違いも体験します。授業は講師1人につき生徒8~9名のグループに分かれ、ゲームや絵画などのアクティビティもあります。英語オンリーの授業に戸惑いながらも必死に話そうとする生徒の姿。あちこちの教室から楽しそうな笑い声が聞こえます。
2日間の集大成として1年生では2人1組で劇を発表。2年生ではプレゼン、3年生はディベートも体験します。
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