信頼できる先生と趣味が同じ仲間たち。ともに過ごす日々のすべてが学びに

高輪中学高等学校:東京都港区

昼休みのグラウンドは、バスケやドッジボールを楽しむ生徒たちで大にぎわい。都心の学校だけにスペースには限りがありますが、譲り合いつつ全力で遊べるのが高輪中学高等学校です。今回は、学校が大切にしていることや取り組みなど、ビタミンママが校長先生にお話を伺いました。

安心できる居場所で
目の前のことをコツコツと

創立から137年の伝統を誇る、高輪中学校・高等学校。自らを戒め正し、人格向上に努力するという意味の「自主堅正」を校訓として掲げ、生徒たちは入学直後から、「目の前のことにコツコツと真摯に取り組み、困難を乗り越えていきましょう」「学びを通じて自分の持つ能力を1日1日磨いていきましょう」と、長きにわたり学校が大切に伝え続けてきた精神を学びます。

さらにもうひとつ、大切にしているのは、生徒たちにとって安心・安全な学校であること。東日本大震災を教訓に、災害が起きたとしても全校生徒が3日間学校に滞在できるだけの備蓄や、校舎・施設の耐震性といったハード面での安全対策はもちろんのこと、生徒一人一人が友だち、先輩・後輩、教員とよりよい人間関係を築くことで、安心して学び、学校生活をエンジョイできるように、学習面と生活面、両方のサポートを手厚く行っています。

休み時間、友だちとの何気ない語らいも楽しい学校生活のひとコマです/高輪中学高等学校:東京都港区

6年間のうち、特に中1から中2にかけての2年間は、人間形成のために重要であると同時に多感な時期でもあります。教員のモットーは、「手は離して、目は離さず」。生徒が自ら考えて行動するように導き、何か困ったことが起きればすかさず教員が助け舟を出す。それが高輪の教育スタイルの特長です。

全教室にプロジェクターを完備。板書の時間が短縮されることで、授業の進度も速くなります/高輪中学高等学校:東京都港区

ICT教育と道徳を並行で

2022年4月、ICT教育推進のため、中1~高1の4学年で1人1台のタブレット型PCを導入しました。連絡事項の伝達、課題の配信、授業での活用といった取り組みと同時進行で、ネットリテラシー教育にも注力しています。「便利なツールであることは確かですが、正しく使うにはモラルや道徳心が不可欠なことを伝えなければいけない」と、平野校長。「生徒たちは日々変化する時代のなかで生き、コロナ禍まで経験しました。しかし、たとえ困難な状況にあっても、なんとか前に進もうと努力する姿や、芯の強さを発揮してくれています。受験を控えている小学生諸君も、今は迷わずに、目の前のことにひたむきに取り組んでください。ひとつひとつ熱心に向き合えば、結果は自ずとついてきます」。

タブレット型PCを活用した数学(幾何)の授業。内容はあらかじめクラス全員のPCに配信されます/高輪中学高等学校:東京都港区

ビタミンママ編集部の注目ポイント

生徒の性格も学力も熟知!
6年間同じ先生が見守ります

1学年が6クラスの高輪では学年に11人専任の先生がつきます。担任の先生が6人、学年主任の先生が1人、あとの4人の先生は副担任のような役割です。基本的には持ち上がりなので、中高の6年間を同じ先生方がずっと見守ってくれます。

生徒の性格も、趣味も成績もしっかりと把握している先生方ばかり。「今朝、あの子は少し元気がなかったかも」とか、「彼は数学でちょっと行き詰まっているみたい」など、先生同士が職員室で情報を共有するのも当たり前の光景です。また、生徒一人一人の個性をよく分かっているので、「この子は目標ができれば伸びていくはず」「リーダー的な役割を任せると飛躍するだろう」と、いつどこでその子なりのスイッチをオンにしてあげればいいかを的確に見定めることができると言います。同じ先生と6年間をともに歩む高輪のシステム。「何でも相談できて頼りになる」と、生徒からも保護者からも好評です。

授業が終わったとたん、「先生、ここ教えて!」と駆け寄る生徒の姿があちこちで見られます/高輪中学高等学校:東京都港区

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お話を伺ったのは

高輪中学高等学校校長 平野 豊先生