「15歳のグローバルチャレンジ」では4人グループでひとつの国の大使を務めます。世界大会常連の模擬国連部の活動をベースとした、グローバルな視座を獲得するプログラムです。そんな、世界に目を向けた教育にも力を入れている桐蔭学園中等教育学校で今回は、学校が大切にしていることや取り組みなど、ビタミンママが校長先生にお話を伺いました。
夢中になれる楽しい学びで
学力や人間力を伸長
桐蔭学園中等教育学校は完全6年一貫教育を行う男女共学校です。「アクティブラーニング型授業」「探究」「キャリア教育」を教育の柱として、自ら考え判断し行動できる人材を育てます。
「アクティブラーニング型授業」はすべての教科に取り入れています。例えば「道徳」ではいじめ問題の解決策をグループごとに話し合って発表したり、短所として挙げた一面を仲間同士で長所に言い換えて伝え合ったりと、多角的に考え、主体的に発信することが求められます。また1年生には玉田校長と学年主任が担当する「言語活動特別授業」があり、絵を見て文章で説明したり、先生が読み上げた物語を600字程度でまとめる練習をしたりするなど、対話、説明、文章の書き方などを体系的に学びます。
世界の課題に挑む
15歳のグローバルチャレンジ
「探究(未来への扉)」は自ら学ぶ力を育てる授業で、3年生は「15歳のグローバルチャレンジ」に取り組みます。授業のゴールは年度末の「国連総会」で、生徒は世界のどこかの国の大使になり、諸問題の解決策を探ります。2学期は練習として「国連弁当会議」を開催し、世界中の人が食べられるメニューを考えます。「宗教上の理由で牛や豚が食べられない」「自国の経済を支えているカカオ豆をメニューに使ってほしい」など、各国が主張と譲歩を繰り返し、「全会一致で可決」を目指します。これは世界大会7年連続出場を誇る模擬国連部の活動をベースとしたもので、グローバルな視座を獲得する意欲的なプログラムです。
「主体的に取り組む姿勢や協働性は学校全体を活性化しています。生徒の自治活動もそのひとつで、生徒会が中心となって学校をよくするためのアイデアを募り、要望書として私に持ってくることもあります。2021年度は女子の制服に短い靴下の導入が実現しました。生徒主体、そして時代や社会に合わせて柔軟に変わっていく、これが桐蔭学園中等教育学校です(校長・玉田裕之先生)」。教育の3本柱と共に創立当初から成果を上げてきた習熟度別授業も継続して行い、学びに向かう力から知識・技能までを包括的に捉えて伸ばし、生徒の未来に結びつけていきます。
ビタミンママ編集部の注目ポイント
授業の枠を超えた放課後の活動「アフタースクール」
部活動をはじめ、考査前の学習支援、英語の資格や技能試験に対するフォロー、顕微鏡を使った理科実験など、さまざまな企画が行われており、多くの生徒が参加している「アフタースクール」。そのなかで、地域連携企画の一環として行われているのが、学園の広大な敷地の一角にある竹林での「タケノコ掘り」です。
2022年度は1年生を中心に100人以上が参加し、地元の方から竹にまつわる豆知識や掘り方のコツなどを教えてもらい、200本以上収穫しました。自然豊かな学園だからこそできる、春にしか味わえない貴重な体験です。
掲載されている、 ビタミンママ本Vol.94「いま、中学受験が増えている理由」好評発売中!
※画像をクリック(タップ)すると詳細ページに飛びます