どうする?中学受験 寮生活も?注目のハロウインターナショナルスクールも2022年開校

12歳からの「寮生活」という選択

教育のプロは「寮での学校生活」をどのように考えているのでしょうか。アクセス教育情報センター代表の浅見均先生に伺いました。

お話


▲浅見 均 先生

理想の中学受験指導のできる塾作りを目指し、中学受験塾「アクセス」設立。アクセス教育情報センターでは、私国立中学情報の収集・分析・発信を行っている。

12歳からの寮生活、どう思いますか?

そもそも地元の公立校ではなく、受験を選択するということは、「学校を選ぶ」ということです。その選択肢のなかに、寮生活をする学校を候補に入れるのは「アリ」だと思います。しかし、中学から寮生活をしている生徒の数は日本ではまだまだ少なく、親御さんとしては「そんな年齢で親元を離れて人格形成の上で大丈夫?」「育児放棄のように感じる」などの考えもあるようです。

一方で、イギリスのパブリックスクールやアメリカのプレップスクールと言われる名門校の多くが全寮制を採用しているのは、寮生活の持つ教育力が伝統的に認められているからに他なりません。

寮生活のメリットはどんなところでしょうか。

さまざまなメリットが考えられますが、同じ年代の仲間と24時間生活を共にすることが一番のポイントです。

その効果としては、「自立心」「協調性・忍耐力」「協調性・忍耐力」が育まれるのはもちろん、「親子のつながりが強くなる」ことも特長的です。寮に入ると、これまでいかに自分が親を頼っていたかがわかるようです。親の子離れにもいいようですよ。さらに面白いのは「友達の範囲が広がる」ことで、休暇毎に友達の家を訪ねて、各地を回って視野を広げている生徒もいるようです。

大切なのは、選択肢を広げ、お子さんに合った学習環境を考えた上で選択することです。また、寮の学校を考える上で最も大事なのは、本人が「寮で生活してみたい」という気持ちがあるかどうかです。親だけの判断で寮のある学校に進学させてしまうと、親から見捨てられたのではないかという気持ちが生じ、マイナスの効果しか出ない場合もあります。親子での十分な話し合いが大切です。

浅見先生に聞く 個性ある「寮制の私立中高一貫校」

函館ラ・サール学園(北海道)

北海道函館市日吉町1-12-1

公式サイト
学園寮サイト

カトリック男子校で、鹿児島ラ・サールと兄弟校。進学教育はもとより、人間教育を大事にしており、宗教の時間や部活、生徒会活動を重視。同時に、問題を抱えた生徒を支援している。中学生寮は、学年ごとの大部屋(全国唯一の50人部屋)。そのなかで生活することで、現代の若者に欠けがちな人間関係とコミュニケーション力が自然に身につくと同時に、深い友人関係を築くことができる。学校や寮のHPで生徒たちの生き生きとした日常の様子を見ることができる。


札幌聖心女子学院(北海道)

北海道札幌市中央区宮の森2条16-10-1
公式サイト

女子のミッション校。寮生の約半数は関東から。新入生に対して高2・3の生徒がエンジェルとして寮生活をアシストしてくれる。部屋は2人1室で上級生と下級生の組み合わせ。舎監が9名(内8名は卒業生)と隣の修道院には4名のシスターがおり、多くの大人の目で生徒を見守っている。また、週3日1時間半ずつ留学経験のある卒業生や北大生がチューターとなって寮の生徒の勉強を見てくれる。短期・長期の留学生も滞在する国際色豊かな寄宿舎。Wi-Fi完備の共有スペースでオンライン学習も可能。


自由学園(東京)

東京都東久留米市学園町 1-8-15
公式サイト

1921年、ジャーナリスト羽仁もと子・吉一夫妻によって創立の男女別学校で、各学年1クラスずつ。寮は男子は中1で全員が入り、中2以降は希望制。女子は中1から希望制で、1部屋に各学年6~8人ずつの相部屋となる。

生活即教育を掲げ、教室の中での学科の勉強だけでなく、実生活のあらゆることを学びの機会と考えている。一例として、男子部では高2が週1回、女子部では各学年が曜日毎に交代で昼食を作る。調理担当は3・4時間目を使って準備をしご飯も薪で炊くなど、独自の教育を行う。


Afterコロナでは、子どもたちの教育はどのように変わるのでしょうか。
いずれにしても、親も子も新しい時代に向かって広くアンテナを張り、さまざまな情報を得ることが大切ですね。

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