在校生も携わる学校説明会
横浜市青葉区の丘陵地帯の一角という、自然に囲まれた場所にある桐蔭学園中等教育学校。2019年より男女共学化がスタートし、注目を浴びています。
11月9日に行われた2020年度の入試を見据えた同校の「秋の説明会シリーズ」学校説明会には、700名近い小学生と保護者の方々が集まりました。
会場となった同学園内「シンフォニーホール」の受付前では弦楽部の皆さんが歓迎の音楽を奏で、受付では在校生が、来場する方への資料の手渡しなどの業務をテキパキとこなしており、学校行事に積極的に参加する生徒たちの姿勢がうかがえました。
▲在校生の方も説明会の運営に携わります 桐蔭学園中等教育学校(横浜市青葉区)
▲弦楽部のみなさんによる歓迎の演奏も行われました 桐蔭学園中等教育学校(横浜市青葉区)
新しい学びの3本柱は「AL型授業」「探究」「キャリア教育」
14時30分より、説明会がスタート。司会進行を担当するのは、在校生の男女生徒です。
まずは校長の岡田直哉先生。
「本校は、新しい進学校のカタチを提案しています。近い将来、人工知能が社会で大きな役割を担うと言われている中、これからの社会で必要なのはイノベーションする力を持つことです。生徒たちには自ら考え、判断し、行動できる力を身に付けていってほしい。本校が取り組むのは、先の50年を見据えた学校改革です」と、力強く語りました。
このお話の中で新しい学びとして挙げたのが「アクティブラーニング(AL)型授業」 「探究(未来への扉)」 「キャリア教育」です。これらを3本柱に、完全一貫6年間のカリキュラムを実施していくそうです。
▲まずは岡田直哉校長によるあいさつと、新しい学びについてのお話から説明会はスタート 桐蔭学園中等教育学校(横浜市青葉区)
次に中等1年担当の福田先生が、1年生の学校生活、英語と数学の授業風景などの動画を用いながら、教育内容の説明を行いました。
「本校のアクティブラーニング型授業には、ペアワークやグループワークを取り入れています。これは授業のふり返りに加え、生徒同士が相手に説明をしたり、話し合ったり、発表したりすることで、自分では思いつかなかった視点や気づきを得たり、多様な意見を受け入れる力を養います」。
「探究(未来への扉)」については授業の中で、教師が話題を作り、生徒に考えることを促します。「なぜ?」「どうして?」というように、一つの事象について自身で課題を見つけ、解決方法を考えることで、探究力が身に付いていきます。
「キャリア教育」では「こうなりたい」ではなく「自分はこうありたい」という、夢ではなく現実に近いところに目標を設定します。そして「ありたい自分」について朝のホームルームの「1分間スピーチ」で語り、成長ポイントを明確化していきます。
教育内容の丁寧な説明のあとは、先生による生徒インタビュー。1年生の男女2人ずつがステージに上がり、学校行事のこと、部活のこと、受験勉強のことなどについて大きな声でハキハキと答えていました。女子生徒から「中等教育学校の1年生は男子よりも女子が少ないので、ぜひ女子の皆さんに入学してほしいです」というメッセージもありました。現在、中1の男女比は7:3。女子生徒2人は、同校の受験生に向けたかわいいリーフレットの編集に参加しており、女子受験生へのアピールを頑張っている姿が印象的でした。
▲インタビューでは学校行事や部活動、受験など、在校生の「生の声」を聞くこともできました 桐蔭学園中等教育学校(横浜市青葉区)
2020年の入試に向けて
最後に、2019年に行われた入試結果と、2020年の入試に関する説明、さらに試験問題の傾向と対策についてのお話がありました。2019年度入試のふり返りでは算数に着目。4科入試、2科入試は、小学校できちんと勉強してきた児童が得点できる基礎問題と標準問題が中心です。同校が求めている算数の力は「的確な計算力」「基本的な図形の知識」「文章やグラフを読み、それを式にする力」というお話から、問題を例にして具体的な解説も行われました。
また、2020年の募集要項の変更点として、午後入試の試験日を2月2日から2月1日に変更。2月1日に実施する午後入試は、2科目入試、または算数選抜入試になります。募集人数は男女別の募集に変更されるとのことです。
説明会の最後に、再び校長の岡田先生がステージへ。司会を務めた二人の生徒への突撃インタビューを行い、明るく微笑ましい雰囲気で説明会は終了しました。桐蔭学園中等教育学校の新たな教育への充実と生徒たちの生の声による学校生活の楽しさがよく伝わってくる説明会で、同校の新しい進学校のカタチが実を結ぶときは、そう遠くないと感じました。
6年生を対象にした「入試体験会」に関する詳細は、桐蔭学園中等教育学校のホームページをご覧ください。