世田谷学園では、理数系好き男子のさらなる能力向上のために2021年度から「理数コース」の募集を開始。
1学年の定員200名は変わらず、160名が「本科コース」、40名が「理数コース」になります。入学後は、理数コース独自の体験型プログラムも準備されています。
▲2021 年度より論理的思考力を育てる理数コースで、社会が求める理系人材の育成にも力を入れます。|世田谷学園中学校・高等学校|東京都世田谷区
数学で養う論理的思考力をベースに 社会が求める優秀な理系人材を育成
国が提唱している「Society 5.0」は、膨大なビッグデータをAIが解析し、新たな価値を産業や社会にもたらすと言われています。
しかしAIはコンピューター、つまり計算機です。人間であれば曖昧な指示でも意図を汲んで動くことができますが、AIにはそれができず、人間が細かくプログラミングする必要があります。そこで求められるのが、数学によって培われた論理的思考力です。
コロナ禍においても企業の理工系人材への引き合いは底堅いと報道されているように、社会は優秀な理系人材を求めています。しかし、理工系の学生は大学全体の約26%に過ぎません。これに対して、世田谷学園で理系を選ぶ生徒は6割。中には小学生の段階ですでに理系に行くと決めている生徒も少なくありません。
そういうお子さんに積極的に入学してもらうことで「好き」を伸ばし、能力を向上させる。そのメッセージとして、2021年からは「理数コース」を新設することにしました。
▲調理室はIHクッカーを導入。料理もできる男子の育成に積極的です。|世田谷学園中学校・高等学校|東京都世田谷区
体験学習をさらに発展 理数コースのプログラム
「理数コース」の中学のカリキュラムは「本科コース」と同じですが、土曜日や総合学習などを活用して、理数コースだけの特別プログラムを組んでいきます。
たとえば、地方で田植えから稲刈りまでをする体験学習は、さらに田畑の土壌づくりや自動化などの生命科学やアグリテック、クリーンエネルギーやリサイクルなどの環境学習にもつなげていきます。修学旅行は本科コースの生徒と一緒に行くものに加え、中2で3泊4日の大島へ。活火山や海岸地形、考古学、生態系などの実地調査や研究なども積極的に行います。
もちろん、プログラミング教育も強化します。また、放課後の自主研究や夏休みの自由研究などを発展させた「理数探究」は1年間かけて研究し、校内で発表のあと、優れたものは外部の学術論文発表会に推薦していきます。
理科校舎である放光館をフル活用することでさらなる効果を上げます。高校からは、理科と数学の授業数を増やします。本科コースは理科3科目が選択必修ですが、理数コースは4科目として、理数系の総合的な能力を高める予定です。
お釈迦さまが誕生直後に語ったという「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」を英語で表現した「Think & Share」の精神のもと、すべてにかけがえのない価値があり、誰もが尊い存在であるという考え方に基づいた人間教育もしっかりと行いながら、グローバルリーダーを育てることが目標です。
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