日本プロテスタント発祥の聖地である横浜山手。
清楚な街並みと豊かな緑、そして美しい草花に囲まれ、学力とともに心も育つ環境です。
国連が進める「持続可能な社会の発展のための教育(ESD)」と、教科学習と英語学習を組み合わせた「内容言語統合型学習(CLIL)」を導入した教育が行われています。
▲校舎は乙女坂や地蔵坂を上った丘の上にあります。校内にも階段が多く、運動部のトレーニングの場として使用されることも|横浜女学院中学校高等学校|横浜市中区
聖書の教えが根付いていることを コロナ禍で改めて実感
プロテスタントのキリスト教精神に基づき、心穏やかに毎日を過ごしています。2020年春のコロナ禍における休校の際は、すでに生徒たちに定着しているICT環境を活用することで、オンラインによる授業が迅速に開始されました。
校長室に届く生徒たちからの手紙からは「コロナ禍でも日々学べることに感謝しています」「早く収まりみんな幸せになれますように」など、旧約聖書にある「何事にも時があり、天の下の出来事にはすべて定められた時がある」という教えが根付いていることが実感できます。
▲社会が抱える問題を自分ごととしてとらえ、解決策を話し合うESD。中1 から高2 までが取り組みます。|横浜女学院中学校高等学校|横浜市中区
ESD、CLIL、海外研修 興味・関心を引き出す多彩な選択肢
国籍や文化、立場の異なる人同士が、違いを認めながら共に幸せに生きる「共生教育」に力を入れており、各学年に「国際教養クラス」「アカデミークラス」があります。
「国際教養クラス」は、英語に加え、第二外国語(ドイツ・スペイン・中国)を学ぶところが大きな特長で、中1はそれぞれの国の文化を、中2は語学の基礎を、そして中3からは、うち1つを選択します。
一方、「アカデミークラス」は、すべての教科をバランスよく学びます。従来の特進クラスのカリキュラムを全教科で実施しています。中学入学時に選んだ国際教養・アカデミークラスは、高校に進学する際、クラス変更のチャンスもあります。
CLIL(クリル)教育の実践も大きな特長です。「内容言語統合型学習」を意味し、英語で考え、英語で表現するコミュニケーション力を育成することが目標で、国際教養クラスは中2から、アカデミークラスは中3から始まります。
さらに、もう一つの特長であるESD(持続可能な開発のための教育)と合わせ、生徒が生涯にわたって学び続けるための基礎を築きます。
高1のある日の授業テーマは「生物多様性」でした。地球上に存在する約三千万種といわれる生物の一部が、環境の悪化によって絶滅の危機を迎えているという現実について「生物はたくさんいた方がいい」「守るべき」という意見や「生物多様性が重要だと思っているのは人間のエゴ」という違う側面からの考えも出ます。
この授業に正解はありません。目的は答えを出すことではなく、地球が抱える問題をきちんと把握しながら、未来のために真剣に、そして多角的に考え自分の意見を持つこと。国際教養クラスは、さらにこれを英語で行います。