固定観念にとらわれない 17の桐光流「持続可能な開発目標」

主体的に学ぶ講習制度、全国大会出場も果たす部活動、海外への修学旅行やグローバルプログラム、キャリア教育、大学訪問授業、ICT教育などの先進的な取り組みで、常に進化を続ける男女別学校です。
さらなるチャレンジである「TOKO SDGs」が、生徒の新鮮な学びと発見へとつながります。

校長 桐光学園中学校・高等学校 私立中高一貫校 男女別学 川崎市麻生区
▲アクティブラーニングの一コマ。TOKO SDGs でも活発にアクティブラーニングが行われます。自分自身の意見を表明するだけでなく、他者の意見に耳を傾け、取り入れることの大切さを学びます|桐光学園中学校・高等学校|川崎市麻生区

中高生が自分事として考えるための 桐光独自のSDGs

2015年9月に国連サミットで採択されたSDGsは、多くの学校で調べ学習等の題材となっています。桐光でも各教科のさまざまなシーンで取り組むため、その意義などはしっかりと理解できていますが「いまの中高生が喫緊の問題として考えられるのか?」という原点に立つと、これを自分事としてとらえられるようになるのは数年後では?とも。

そこで策定したのが「TOKO SDGs」です。議論に議論を重ねて生み出された17のテーマは、「生と死」「自由」「性」「芸術」など、発想力を広げるためにあえて抽象的なものにしました。

さらに生徒や教師、保護者の意見も吸い上げ、テーマごとに10ほどの項目で構成されています。桐光が掲げる「何をどう学ぶのかという生徒主体のあり方」を問うものです。

校長 桐光学園中学校・高等学校 私立中高一貫校 男女別学 川崎市麻生区

▲理事長の小塚先生が考案した「TOKO SDGs」のロゴ|桐光学園中学校・高等学校|川崎市麻生区

縛りのない自由な環境で 強さとしなやかさを

「TOKO SDGs」はテーマごとに担当教師はいるものの、教師の授業を生徒が受け、試験をして評価するというこれまでの常識を覆しました。

また、教師と生徒、先輩と後輩などの隔たりをなくし、有志の教師と参加したい生徒が集まり、共に考え成長していきます。桐光学園には200人ほどの教師がいますが、そのうちの10人、そして全生徒3000人のうちの200人が興味・関心を持ってこれに参加していることからも、桐光の真に自由な校風が顕れていると思います。

たとえば「境界」というテーマでは、ファシリテーター役の教師(校長自ら担当)が国境などイメージのきっかけになる一言を与えると、生徒からは「部活やクラスも一つの境界では?」という意見が出ます。

宗教やジェンダー、過去と未来、思想、戦争と平和なども「境界だ」という発想も飛び出し、その価値や必要性、賛否にまで発展していきます。グローバルシチズンという言葉は知らなくても、生徒のなかには確実にその考え方が存在しており、潜在的な意識や能力を引き出す貴重な時間です。

コロナ禍をきっかけに、リモートで学ぶ機会が増えつつあります。ニュースタンダードの時代へ移り変わろうとしている今、顔を合わせ、お互いの体温を感じながら、共に学び、笑い、そして涙しながら成長する大切さも再認識されています。

世の中には、答えは一つではないことがたくさんあります。学んでほしいのは、常識だけにとらわれない正しい「強さ」、そして違う考え方や立場を知り、理解しながら認める「しなやかさ」。この原点となるのが「TOKO SDGs」であり、この学びが、国連の掲げる元祖「SDGs」への興味と実現につながります。

お話を伺ったのは

校長 桐光学園中学校・高等学校 私立中高一貫校 男女別学 川崎市麻生区

最新情報をチェックしよう!