▲理数コースの稲作体験。埼玉県坂戸市で5月に田植え、9月に稲刈りを行います|世田谷学園 中学校 高等学校
理数系強化プログラム推進中!
「好き」から広がる学びを大切に
校長先生
世田谷学園は、理数系男子を育てる教育をこれまで以上に強化するため、2021年度の中学1年生から「理数コース」を新設しました。これは、日本の理系大学生の割合が全学生の3割に満たないのに対して、本校では約6割が理系を選択していること、さらに中学入学時でも、すでに理数系を希望している生徒が4割近くいるという現状を鑑みた教育改革です。
しかし、12歳という年齢では、当然ながら進路が未定ということも多く、6割近くにのぼります。そこで、幅広く学び、多様な体験を重視しながら5年生(高2)になるときに文理を選択できるコースを「本科コース」としました。1学年約200名、5クラスのうち、4クラスは従来型の「本科コース」、1クラスが「理数コース」という編成になります。
▲放光館2~4階には生物、化学、物理の実験室と講義室を完備|世田谷学園 中学校 高等学校
秋元先生
「理数コース1期生」44名の担任をしています。彼らと個人面談をしたところ、将来は医師、エンジニア、建築家、宇宙関係の仕事など、理系のスペシャリストを目指している生徒が75%にのぼることがわかり、彼らの夢の実現を精一杯サポートしたいと気持ちを新たにしているところです。
校長先生
ふたつのコースで前期(1・2年)における月~金曜日のカリキュラムは基本的には同じです。どこが違うのかというと、どちらのコースも土曜日に実施する土曜プログラムや長期休暇などを活用した体験学習で、理数コースは「ならでは」のプログラムを多数用意している点です。
秋元先生
1年生は稲作体験、2年生は大島で火山や植生を学ぶサマープログラム、3年生は種子島宇宙センターや屋久島への修学旅行など、実体験を重視して具体的な専門分野の選択をイメージできるよう導きます。
校長先生
理科には、「観察、ひらめき、仮説、実験、実証」というプロセスが重要です。自分の中から湧き上がってくる「なぜ?」「どうして?」という思いを大切にして、科学的思考力を身につけてほしいと思います。
▲全教室にインターネット環境が整っており、生徒はタブレットを1人1台使用|世田谷学園 中学校 高等学校
真の科学人には人間力も必要
根底にあるのは仏教・禅の教え
▲階段状の視聴覚ホール。音楽の授業や吹奏楽部の練習も|世田谷学園 中学校 高等学校
校長先生
世田谷学園は、仏教・禅に基づく教育を行っています。お釈迦さまの「天上天下唯我独尊」という言葉を英語で表現した「Think & Share」という教育理念のもと、一人一人がかけがえのない存在であり、それを理解して認め合うことをモットーとしています。
本科コース、理数コースの2コース制という教育改革は本校のこの理念に合致したもので、今まで以上に心ある優秀な人材を育てていきます。
▲通常時200席の食堂。コロナ禍で席数は半数以上減らし、消毒をこまめに行うなど感染症対策を徹底|世田谷学園 中学校 高等学校
お話を伺ったのは
校長 山本 慈訓先生