未来に向けて常にアップデート 社会に貢献できる人間を育成する

▲週1回2コマ(90分)の「ゼミナール授業」では、2年生と3年生が学年を越えてハイレベルな学びを体験します。考える力や探求スキルを伸ばし、新たな学びへとつなげます|青稜中学校・高等学校

学ぶ意欲を刺激する
「ゼミナール授業」

青稜中学校では、2020年度から週6日7時間制のカリキュラムをスタートしました。学力の定着はもちろん、未来を切り開く力を養う時間にも充てています。そのひとつである「ゼミナール授業」は、中2と中3が対象で、2学年合同で行います。

講座は全部で14種類。基本的には1講座25名前後の少人数グループで、生徒自身が興味・関心のあるものを選んで、探究活動に取り組みます。担当するのは青稜中学校の活気ある教師陣で、専門教科の枠にこだわらず、自分の趣味や知識を絡めた多彩なテーマを設定しています。

授業スタイルは講義、グループディスカッション、プレゼンテーション、ワークショップなどを複合的に展開しており、例えば、一時は気象予報士を目指していたという、お天気マニアの理科のA先生による「目指せ!お天気お姉さん(お兄さん)!」は、気象の観点から知識を深めながらも、地球環境におけるさまざまな問題についても考えます。

ほかにも、漫画やアニメなどサブカルチャー的なものを使って読解力を鍛える講座や、芥川賞の歴史を振り返りながら過去の受賞作品を読んで考察する講座など、さまざまです。生徒たちは大学のゼミのようなハイレベルな探究の場を早い段階から楽しみながら経験し、将来の夢へとつなげていきます。

 青田校長自らが開講する
SDGsのゼミナール

▲体育は校内の施設のほか、学校の目の前にある「しながわ中央公園」の広いグラウンドも使って行います。中学の体育祭もここで開催します|青稜中学校・高等学校

私が担当するゼミ「2030~ミライへの挑戦~」は、SDGsに積極的に取り組む企業の方をゲストにお招きし、講演やワークショップ、校外活動を通して、SDGs実現に向けて自分たちでできることを考えていくというものです。

2020年度は7社の企業からご協力を頂きました。その中の1社、江崎グリコからは、校内にある自動販売機「セブンティーンアイス」に絡め、ごみやプラスチックなどの環境問題について話を聞きました。

▲休み時間に、友だち同士で学びを深める風景は日常的です|青稜中学校・高等学校

ごみの分別について、「どんなごみ箱が効果的か?」というテーマのワークショップも行い、生徒からは「ピタゴラスイッチみたいな仕組みを作って、ごみを捨てること自体が面白いと思えるようにする」「入れたら自動で分別する装置を作ってごみ箱に内蔵する」など、ティーンらしいユニークなアイデアが続々とあがりました。

さらに、SDGsを「自分ごと」として捉えるために、校内で回収したアイスのスティックをはしにアップサイクルする取り組みを行い、出来上がったはしは記念品として卒業生に贈りました。青稜では、SDGsはもちろん、未来につながる学びをどんどん絡め、新しくて面白い取り組みをしていく予定です。

お話を伺ったのは

校長 青田 泰明先生

慶應義塾大学法学部政治学科、同大学大学院社会学研究科修士課程。博士課程単位取得退学後、青稜中学校・高等学校で教壇に立ち、2020年より現職。

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