▲グローバルな視野が広がる探究授業「15歳のグローバルチャレンジ」|桐蔭学園中等教育学校
自己肯定感を高める
「朝の1分間スピーチ」
桐蔭は、アクティブラーニング型授業、探究、キャリア教育を教育の柱としています。どれも自発的な学習を促すものですが、今回はキャリア教育について詳しくお話しします。
▲ 1年生から6年生までが取り組む朝の1分間スピーチ。スピーチが終わったら拍手を送る、メッセージカードには批判的なことを書かない、がルールです|桐蔭学園中等教育学校
1年生から6年間続ける「朝の1分間スピーチ」もキャリア教育のひとつです。1年生のテーマは「自分」。自分のことを自分の言葉で、一人ずつスピーチします。学年が上がるにつれ、テーマは学校や地域、日本、そして世界へと広がっていきます。
聴いた側はカードに肯定的な内容のメッセージを書きます。この繰り返しにより、キャリア教育の礎となる「傾聴」と「承認」の力がついていきます。
2021年4月からついに始動
「15歳のグローバルチャレンジ」
▲キャリア教育で2年生は「地域社会との連携」に取り組みます。オンラインで東急の社員の方とミーティング|桐蔭学園中等教育学校
3年生では「15歳のグローバルチャレンジ」と題して、1年間かけて「模擬国連」に挑戦します。3~4人のグループで世界の国々の大使になり、国際社会での問題解決に貢献するための議論を行います。担当する国は先進国、発展途上国、宗教、大陸のバランスなどさまざまな視点から割り振ります。
例えば、コートジボワールに割り振られたグループは「どこにあるの?」「言葉は?」「日本からの直行便はあるの?」など、素朴な疑問が次々に出ます。一つ一つをクリアにして、大使にふさわしい知識を身につけたら、プレゼン資料作りです。
▲グローバルな視野が広がる探究授業「15歳のグローバルチャレンジ」|桐蔭学園中等教育学校
「自国の魅力紹介」では、「カカオの生産量が世界一で、しかも高品質であることを第一に押し出す」という方針が決定すると、パワーポイントで資料を作成し、スピーチします。そして、日本に向けて、「2月になると、気持ちを伝えるためにチョコレートをプレゼントする文化があるそうですね。コートジボワールのカカオを使って幸せになってください」とメッセージを送ります。
また、「自国の問題点」では、経済状態の厳しさから、カカオ農園では小さな子が労働力となり、教育を受ける機会も奪われているという現実を伝えます。問題解決のためには、どこの国と協力する必要があるのか、なぜ問題解決が進まないのかなどを訴え、学年末の模擬国連会議につなげていきます。
▲ 2007年発足の模擬国連部。過去6年間の東京大学の学校推薦型選抜に4名の合格者を輩出しています|桐蔭学園中等教育学校
優れた総合学習である模擬国連。桐蔭にはこのノウハウがしっかりとあります。というのも模擬国連は、全国の高校生の有志が国内予選を経て、ニューヨークの国連本部で開催される世界大会出場を目指す超ハイレベルなイベントなのです。桐蔭学園には模擬国連部があり、世界大会に7年連続11回出場という実績があります。
このほかにも桐蔭には文武両面で優れた人材やノウハウがたくさんあります。これをキャリア教育に生かせることが本校の強みであり、特長です。
お話を伺ったのは
校長 岡田 直哉先生