育ってほしい「自己肯定感」ベストタイミングは中高時代でしょ!

小学生ママの皆さん、こんにちは。鳥居りんこです。今日も皆さん、子育て、頑張っていることでしょう。それだけで、もう「偉い!」って抱きしめてあげたいですが、今回は「あ~、我が子は可愛いけど、子育て、めんどくさっ!」って思っているあなたへの「教育談義」をお送りします。

もしよかったら、ゴロゴロ(←すごく大事!)しながら読んでみてくださいね。

「どなたもウェルカム」が今の中学受験

公園やらスーパーでママ友に会うと「中学受験」の話をされるってことないですか? 「S塾は小1から入らないと、もう席がないらしい」とか「クラス落ちで大変」とかなんとかっていう話題…。何となく、焦りますよね。
中学受験 私立中学校 公立中高一貫校 ビタミンママ
ぶっちゃけね、今「中学受験」が流行りです。

コロナ禍で受験者は減るって予想されていたんですが、蓋を開けたら、2020年は逆に増えていたという! 首都圏の中学受験者数は2014年から7年連続で増加していて、計算上では小6生の約5人に1人がどっかの中学を受けたってことになります。

「はいはい、皆さん、お金持ちなのね…」「ふ~ん、頭良し子をお持ちでいいわね~」って、寝っ転がりながら「フンッ!」って思ったあなた。

その感想はある意味、正しいですが(笑)、この中には、私学と比べると断然お安い公立中高一貫校っていう選択肢もあれば、私立でもそこまでカリカリ勉強をしなくてもよい「思考型入試」ってもの、または「プレゼン入試」や「プログラミング入試」、あるいは「英語1科」「算数1科」だけで挑む入試も増えているんです。

つまり、入試方法も金のかけ方もよりどりみどり、群雄割拠、選び放題!? ということはです! どなたにも参戦可能ってのが今の中学受験ってことですね。

「課金するなら、今でしょ!?」の中学受験事情

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中学受験ブームの理由は主に次の5つです。

1.地元の公立中学に比べて教育内容が充実している
2.大学合格実績が魅力的
3.高校入試が必要ないので6年間を伸び伸び過ごせる
4.内申点を意識しなくていい
5.高校入試を止めた学校が多く、選択肢が狭くなった

それで、「課金するなら、今でしょ!?」ってことになっているんですね。

私など、可愛い我が子には「甘い汁」だけをチューチューして欲しかったので「中高一貫校の方が甘くて美味しいんじゃね?」ってくらいの激甘な動機で参入。当時は中高一貫校、特に私学がどういうものかもサッパリ分かりませんでした。

「私も中学受験してないから知らないな」って方もご安心ください。まあ、みんな、こんなもんです。ですから、現在は年齢を重ねたために改心している私がご説明しましょう。

私立中高一貫校とは?

私学って新設校もありますが、大抵、すごい昔から建っているんですよ。長い学校だと四百年前からあったりします。

目立つのは明治期に宣教師が建てた学校や財界人が人生を賭けて創設したって学校ですね。宣教師は言葉も分からない未知の土地で、文字通り命がけで来日し、この国の子どもたちに「教育を!」という一念で開校していますし、財界人は人生の終わりに「残すものは教育」という思いで、未来を生きる子どもたちにその志を託しました。

つまりね、どの学校にも「理念」があるんです。

学校によって、言葉は違うのですが、その源泉に湧き出ている熱い思いは同じです。

私の言葉で言うならば「人生を幸せに生きなさい」ってことです。それは「他者を幸せにすること」で叶うと訴えかけます。それがひいては自分自身を幸せにするって意味です。

「目の前の我が子が笑顔」ってだけで、あなたも幸せでしょ?

幸せは意外とシンプルなんだと思うのですが、私学はその笑顔が社会全体に広がるといいなって考えているんですね。そのために、各校は「社会貢献」ができる人材育成に命を懸けています。

「人の役に立つ人間になれ!」「それには、しっかりとした学力を根幹にせよ!」ということです。私学が勉強や運動に対して熱心なのはこのためです。

私学をはじめ中高一貫校には必ず「こういう人に育てる!」という理念と教育方針があります。それに共鳴したご家庭が行く場所だってことです。私たち親の側から言えば、「ウチの子をどういう大人にしてくれますの?」ってことですね。

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学校が大事な訳は何?

「ドラゴン桜」の続編がTBSで放映されて人気を博しました。底辺校から東大合格へ下克上していく物語で、ご覧になった方も多いでしょう。私は仕事柄、東大生や東大生のママに取材をすることが多いのですが、そこにひとつの共通点を見出しております。

彼ら、特に底辺校と呼ばれる学校から東大合格を果たした子たちに共通するものは「自分にも出来るかも!?」という薄ぼんやりとした思いなんですね。

彼らの多くは中高時代に「何かを懸命に頑張った」という体験をしています。生徒会、文化祭、部活、行事、何かの大会…。何かの目標を持ち、その役割をこなす内に夢中になり駆け抜けていったという体験です。

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中高一貫校は「経験せよ、失敗せよ、挫折せよ、そして学べ!」ということを言い続けますが、彼らは一人残らず、上記のような何かに熱中していきます。しかし、必ず、そこには失敗があり、挫折があり、学びがあるのです。そして、最後、「もうこれ以上はできなかった」というくらいの完全燃焼を経験しています。

その中で、彼らはハタと気付くわけです。「自分一人ではなかった」と。そこには励まし合う仲間や、温かい助言をしてくれる恩師がいるんです。

実は、この存在が大きくて、親だけでは引き上げられないものがあるので、学校は大事ってことになります。

大抵は先生の「オマエならやれる!」というプッシュで「自分にもできるかも?」という気持ちになり、更なる高みに這い上がっていくという図式が成り立っていますが、これは何も「ドラゴン桜」的な東大生の話だけではありません。

6年かけて「自己肯定感」を育てる

中高一貫校に行く意味はいろいろありますが、ひとつ核をなすものを挙げるならば「6年間で自己肯定感を育てる」ということがあります。「自己肯定感」めっちゃ大事です。

最初は誰でも自信ないですから、オドオドと何かに手を挙げ、周りの人たちから影響を受けながら、やがてそれを形にし、とりあえずの成果をあげます。結果的に「失敗」であってもいいんです。そのことを見ていてくれて、自分を認めてくれる人たちがいる。その時に自分自身に付く力が「自己肯定感」なんです。

自分がいて、仲間がいて、そして教師がいる。6年の歳月をかけて、徐々に己も他人も認められるようになる。これが理想ですが、「オマエならできるさ」とその学び舎に認められた子は自分のことが好きになり、自分の人生を愛おしく大切に生きるようになるでしょう。

大学進学実績がどう、偏差値がどう…と色々と気になるのが中学受験ですが、実はこれらはあまり重要ではありません。親が注視すべきは、「そこは我が子の花が咲きやすい場所」かどうかだけです。花が咲きやすいところに置けば、人は嫌でも勝手に花を咲かせます。

その場所を自由に選ぶことができるのが中学受験の一番のメリット。

「ちょっと興味あるなぁ…」って思ったあなた。まずは、気になる学校の説明会に行ってみましょう。あっちの世界も色々とワクワクするものなので、覗いてみるのも楽しいですよ。

●鳥居りんこ
作家、教育・介護アドバイザー。「偏差値30からの中学受験シリーズ」(学研)の著者。自らの体験を基に幅広い分野から積極的に発信し、悩める女性の絶大な支持を得る。近著に「親の介護をはじめる人へ伝えておきたい10のこと」(学研)近刊に「1日誰とも話さなくても大丈夫、精神科医がやっている猫みたいに生きる5つのステップ」「たった10秒で心をほどく逃げヨガ」(いずれも双葉社)、「神社で出逢う私だけの守り神」(祥伝社)など。
公式ブログ「湘南オバちゃんクラブ」
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