自ら気付き、考える力を養う「グローカル型探究プログラム」

昭和女子大学附属昭和高等学校 オンライン研究発表会 ビタミンママ

▲2021年度グローカル型探究プログラム成果発表会(昭和女子大学附属昭和高等学校:東京都世田谷区)

ZOOMを利用したオンライン発表会に初参加

2022年2月、昭和女子大学附属昭和高等学校の研究成果発表会がオンラインで開催されました。ビタママ編集部から参加した筆者は、こういった形での研究発表会は初体験! 各グループ、テーマごとにZOOMミーティングルームは5つに分かれ、視聴者は興味のあるテーマのルームに各自ログインして研究発表を聞くスタイルです。
まずはこの部屋に!とZOOMを立ち上げて、コードを入れたら間違えて入室できず、再度入力したら違うテーマの部屋に入ってしまって、「あ、ちがう! でもこれも聞きたいかも・・・」と、右往左往。一人パソコンの前でジタバタしながら、最初の発表を視聴しました。

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▲2021年度グローカル型探究プログラム成果発表会のプログラム(昭和女子大学附属昭和高等学校:東京都世田谷区)

2年に及ぶ長期研究の成果を発表

昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校は、文部科学省の「グローカル型」指定校として、高等部では海外交流を交えつつ、国際的な視点から世界の課題解決に取り組むグローバルプログラム「LABO研究」に加え、地元世田谷を中心にボランティア活動で地域社会に貢献するローカルプログラム「サービスラーニング」を実践しています。本会は、3年前に本格導入されたこのラーニングスタイルの集大成となる研究発表会です。

まずは「サービスラーニング」のルームへ…。SDGsの観点から選んだ20種類ものテーマごとに、「地域貢献」を念頭に課題解決を図ります。

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▲「SNSに関するフィールドワーク」 2021年度グローカル型探究プログラム成果発表会(昭和女子大学附属昭和高等学校:東京都世田谷区)

興味深いテーマはたくさんありましたが、最初に視聴したのは「SNSに潜む危険」について。発表は、携帯電話の使用状況、SNSに対する危険認識度などに関するアンケートを基調としたフィールドワークです。驚いたのは、これらの研究の流れは、筆者の大学卒業論文とまったく同じ手法だったことで、「高校でこんなに高度な研究発表をするの!?」「私たちの時代とは隔世の感があるな」と感動するやら悔しいやら・・・。

本研究の流れは、

① テーマ決定

②  問題点に潜む仮説

③ アンケートなどの実地調査

④ 結果検証

⑤ 課題解決のためのボランティア活動

ここまでおよそ2年間。各チームに分かれて情報収集、フィールドワーク、実地検証などを進め、今回の研究発表までこぎつけたそうです。時間と労力を要し、そして何より、ひとりひとりが深く考えて自分の意見を形にしないと取り組めない探究学習だと感じました。

問題解決のために導き出した策は、SNSの危険を喚起する動画作り。制作した動画を小学生にも見てもらい、そこにさらなる問題点を発見・検証し、「改善ポイント」を洗い出し、今後の取り組みへとつなげていきます。

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▲「SNSに関するフィールドワーク」 2021年度グローカル型探究プログラム成果発表会(昭和女子大学附属昭和高等学校:東京都世田谷区)

目指すのは、具体的・主体的な課題発見と実践的思索

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ほかにも「子ども食堂と食品ロス」「差別や偏見のない世界をつくる」など、SDGsに沿ったテーマやジェンダーに関することなど、多彩なテーマについて発表が行われました。

冒頭のご挨拶で、総長の坂東先生が掲げられたのは、このラーニングスタイルの目指すところは「社会の具体的な課題の在り様」に目を向けること、「他人ごと、一般論でない実践的思索」を継続することでした。

書籍やインターネットから得た情報をベースにした研究調査ではなく、社会課題と直接向き合う実地研修の学習スタイルは、大きな達成感をもたらし、学ぶ喜びを実感したことでしょう。

大学附属中高一貫校ならではのアカデミックな研究スタイル

ローカルな課題に取り組むサービスラーニングと並行して、LABO研究の発表も行われました。こちらは、昭和女子大学の教授陣や外部講師の先生方を指導者として招聘し、海外研修も含めた研究発表を行う場です。 「日本人のジェンダーギャップ研究」や「多文化共生とボランティアの可能性」など、国際的視野と知識を求められる高度なテーマでもあり、興味深く拝聴しました。

コロナの影響で、海外での実地研修や海外学生との交流が叶わなかったり、フィールドワークに制限がかかったりというさまざまな困難に対峙しつつも、高校生が今回のような本格的な研究に臨めるのは、中学生のうちから培われた学びの姿勢があってこそ。改めて中高一貫校の魅力も実感しました。

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▲「ジェンダーかるた」2021年度グローカル型探究プログラム成果発表会(昭和女子大学附属昭和高等学校:東京都世田谷区)

「日本人のジェンダーギャップの研究」では、幼少期から無意識下で植えつけられる偏見について調査し、周囲からの影響を受けやすい子どもの方が、大人以上に男女の認識への偏りがあることが分かりました。この調査結果にショックを受け、幼少期からのジェンダーバイアス形成をなくすための取り組みを検討。「ジェンダーかるた」の制作や赤青で分類されがちなトイレの案内板に使われる新たなピクトグラムの制作などにチャレンジしていました。

また、「多文化共生とボランティアの可能性」研究では、実際に難民として暮らすフツ族の人たちへのインタビューを通して、それまで知らなかった世界の闇や理不尽に触れ、無力感を抱きつつも、自分たちに微力ながら何ができるかを真剣に考えました。
指導に当たった先生方の知見や人脈、専門分野の知識などを得て実現する事案に、大学附属校ならではの恵まれた環境が存分に生かされていると感じました。

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▲「ジェンダーかるた」2021年度グローカル型探究プログラム成果発表会(昭和女子大学附属昭和高等学校:東京都世田谷区)

SHOWA NEXTが育む自立した女性とは?

  • 種々の情報を集め、冷静に整理・理解し、考え、判断し、行動できる力を持った自立した女性
  • 課題を見つけて、周りの人々と協力して解決していく力を持った女性

今回の発表は、同校が目指す教育を広く認知するものとなりました。社会の課題と真摯に向き合い、ICTを駆使して画面の向こう側の人々に向けて広く発表する探究プログラム。新しい社会を見据えたカリキュラムSHOWA NEXTは、このような「アクティブラーニング」型の学びを活用し「主体的で対話的な、深い学び」につなげています。
同校での6年間の学びを糧に、一人一人の生徒が夢の実現に向けて未来へと羽ばたいていきます。

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