東急東横線都立大学駅から徒歩十分。閑静な住宅街に建つ都立桜修館中等教育学校は、都内にありながら広い敷地と施設を有する中高一貫校です。6年間の教育活動の中で、思考力、決断力を養い、国際社会で活躍できるリーダーたる人材を輩出しています。
そんな都立桜修館中等教育学校をビタミンママが取材。国公立大学、理系進学の割合も高く、近年ますますその実績を伸ばしている同校の魅力をお送りします。
中高一貫校の強みを生かし、実践的な探究学習を強化
都立桜修館中等教育学校(以下、桜修館)の歴史は長く、古くは昭和4(1929)年に設立された府立高等学校を母体校とし、昭和24(1949)年、東京都立大学附属高等学校と改称。そして平成18(2006)年、6年制の中高一貫校として開校するに至りました。
現在桜修館では、6年間の中高一貫教育の強みを生かした先取り教育を進めており、そのためにできた時間の余力を、「探究学習」「国際理解教育」「理数系教育」に向けています。
物事を論理的に考える力を養うため、1年生から「国語論理」、「数学論理」という授業を組み入れ、解き方を学ぶだけではなく、論理的思考力を養います。国語論理では、クラスメートの書いたエッセーを読んで感想を書き合ったり、数学論理では和算の問題を作成したりするなど、言語力を鍛え、深く思考して自分なりの解答を導く練習をします。発表やまとめ活動なども多く経験し、5年生では、探究活動の集大成として、各自テーマを決め5000字の論文を作成。6年生でその論文の英訳要旨を作成するまでになります。書く力はもちろん、思考力、分析力、まとめる力、英語力など総合的な力を総動員することになりますが、生徒たちは6年間で十分その力をつけることができます。
生徒はみな自主・自律の気持ちが強く、学校行事はほとんど生徒主体で行います。大きな行事としてクラスマッチ(体育祭)、記念祭(文化祭)、合唱祭などがありますが、これらの実行委員を「幹部」と言い、「クラ幹(クラスマッチ幹部)」「キネ幹(記念祭幹部)」などと呼んで後期生(高校生)が前期生(中学生)を教え、導いています。1年生から見る5、6年生はずいぶん大人で、憧れもあり、いつか自分も幹部にと思う生徒も多いと言います。
英語力を生かして学び国際理解を深める
国際交流も積極的に行っています。海外への修学旅行のほか、希望者対象のオーストラリア研修や、エンパワーメントプログラムとして、アメリカの有名大学など世界のトップ校の生徒との交流など、ただ英語力をつけることに留まらず、英語力を生かして異文化交流し、外からの刺激を受けて新しい発見・発想ができるよう働きかけています。その一環として、4年生からは第二言語の履修も可能です。スペイン語、フランス語、韓国語、中国語など、生徒の希望によって履修でき、それも新たな異文化理解の端緒になります。
古くは大学の附属校だったこともあり、都内の公立校としては敷地も広く、プールや弓道場、蔵書約50000冊を誇る開放的な図書館などさまざまな施設を完備。部活動も活発で、充実した環境で学び、友人、先輩、後輩と切磋琢磨して成長することができます。先生方は、「10代の貴重な6年間を本校で過ごし、みずみずしい感性を失うことなく、リーダーとしてのスキルや資質を磨いてほしい。そして、素直でまっすぐな心のまま、世界に羽ばたく国際人になってほしい」と、日々新たな学習提案をしながら生徒と向き合っています。
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