相模大野高等学校を母体校に、神奈川県初の県立中等教育学校として2009年4月に開校した神奈川県立相模原中等教育学校。科学・論理的思考力、表現コミュニケーション力、社会生活実践力を育み、次世代を担うリーダーの育成を目標に掲げている同校を、ビタミンママが取材。その魅力をレポートします。
学習・表現・探究の相乗効果で課題発見と解決力を育てる
「次世代リーダーになるためには、高い知識・技能、国際社会への対応力、そして社会が抱える課題解決力が必要です。これらを身につけるカリキュラムを実践しています」と語るのは、神奈川県立相模原中等教育学校(以下、相模原中等)校長の藤原敬子先生。1・2年を基礎期、3・4年を充実期、5・6年を発展期として、さまざまな取り組みを行っています。
最大の特長は「相模原メソッド」です。これは「読書・暗唱・ドリル・自由発言・自由質疑(=学習)」、「発表・質疑応答・レポート(=表現)」、「探究・ディベート(=探究)」を三本の柱に、それぞれの相乗効果で授業を進めるというもの。とくに前期の1・2年生は教え込むより育て上げることに重点を置いています。教わることに対して自由に発話し、質疑を重ね、友だちの考えも取り込みながら理解し、納得するというプロセスを踏んでいるため、相模原メソッドの効果を最も得やすい時期、と藤原先生。授業を見ても先生が話す時間より生徒が友だちと話し合っている時間の方が多く、相模原メソッドが浸透していることがうかがえます。
体験学習、STEAM、ICTさらにキャリア教育も充実
中高の6年間を通して、校外での体験学習が多いことも特長です。1年生は入学直後の4月末に三浦へ。初日は相模原メソッドの理解を深める学習で、2日目はレクリエーションを通してクラスメイトとの親睦を深めます。2年生は職を知ることを目的に長野県茅野市での農業体験をはじめとした職業体験へ。3年生は福島県にあるブリティッシュヒルズでイングリッシュキャンプ。5年生は沖縄への修学旅行のほか、4年生の希望者を募ってオーストラリア海外研修など、生徒の興味・関心を高めるだけでなく、豊かな人間関係を築くことも目的とした体験学習を実施しています。
このほか、前期課程では教科書にあるほぼすべての実験をこなす週4~6時間の理科やネイティブの先生の指導のもと英語で発表する英語表現が1単位あるなど、すべての教科を次元の高いレベルで行うSTEAM教育、社会人講話や東工大の学生との交流をはじめとしたキャリア教育、さらに、コロナ禍を機に全教室に大型モニターを設置し、生徒一人1台のPCを導入するなど一気に進化したICT、これらの教育を通して、次世代を担うリーダーを育成。生徒ファーストの先生方に見守られながら、子どもたちは充実の6年間を過ごします。
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