「強く・正しく・朗らかに」を校訓とし、創立130年超の歴史をもつ筑波大学附属中学校・高等学校。筑波大学と連携し、日本の教育を先導する研究校としての役割も果たしています。
都内とは思えない広い敷地のなかで、生徒一人一人の個性を引き出す学びが実践されている同校を、ビタミンママが取材。その魅力をお送りします。
生徒主導で行われる多彩でユニークな授業
筑波大学附属中学校・高等学校では、技能教科を含むすべての授業でグループディスカッションを行っています。例えば美術では、実際にアニメの一場面から消失点の位置や構図について論じるなど、自分の意見を発信し他者の考えを聞く時間を大切にすることで、各科目の内容をより深く理解すると同時に、思考力や判断力、表現力を育てます。
また、長きにわたり国際教育を実践しているのも同校ならでは。授業では英語での受け答えを基本とし、積極的なコミュニケーション能力を身につけます。シンガポールの姉妹校との交換留学、アメリカへの10日間のホームステイなど、英語力とともに多様性を学ぶ機会も多く設けられています。
探究心を育む「総合学習」では、中1で情報リテラシーを学びます。さらに中2・3になると、教科を横断したユニークな8つのテーマから各自興味ある題材を選択し、学年末には学外のコンクールへの応募や学内での発表を行います。
生徒が主役の学校生活その要は「自治」にあり
生徒による「自治」が盛んに行われているのも特長のひとつです。クラス、学年、学校全体とさまざまな単位で活動を行うHRH(ホームルームアワー)、運動会などの学校行事、生徒会・委員会活動、部活動に至るすべての運営を生徒中心に行っています。
中1の5月に行われる校外活動では、学級委員が中心となって、1学年200人ほどの生徒を束ね、どのようなレクリエーションを行うかなどを企画します。先生は見守る立場を貫き、生徒たち自身で改善点に気付くよう導きます。
全校生徒のリーダーとなる「全校週番」は生徒全員が務めます。活動場面が豊富で、すべての生徒がリーダーに挑戦できる環境だからこそ、活発な自治が行われ、生徒の自主性や協調性が育まれます。これまでも、放課後の生徒同士の教え合い学習の場を運営する学習委員会の発足や、生徒による学校説明会の開催など、さまざまな提案が実行に移されてきたといいます。
あるべき教育の姿を実践する筑波大附属中の「学び」
学習面・活動面ともに実地で学ぶことが多く、生徒たちには、「体感する機会」が数多く用意されています。時にはそのなかで失敗することもありますが、それを次に生かすための「ふり返り」を、授業や活動報告のなかでしっかりと行っています。このプロセスを繰り返すことで、想定外の事柄に対応するマネジメント力や問題解決力、不確かな未来を生き抜くための人間力を身につけていきます。
筑波大学の附属校として、日本の教育を先導する同校の「学び」は、先生たちの日々の研修や研究成果によっても支えられ、生徒の数だけ答えが生まれる、「本来あるべき教育」が実践されています。
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