横浜市港北区にある冨士見幼稚園は、2023年に創立70周年を迎えました。長年インクルーシブ保育を導入しており、障がいの有無に関わらず、互いの違いを認め合い、相手を思いやる心が育まれています。
そんな幼稚園の園長先生に、理念、特長などについてお話を伺いました。
お互いを認め合う毎日が積み重なって
昨年、冨士見幼稚園は創立70周年を迎え、親子3代で冨士見幼稚園というご家庭もあり、「家族そろって冨士見のファンです」といううれしいお言葉をいただくこともあります。東急線と相鉄線の新駅、「新綱島」が開業し、園バスがまわりきれない地域の方も、より通いやすくなりました。
幼稚園に通い始める子どもはまだ3歳。自分のことが中心なのは当然です。でも、ゆくゆくは人のことも考える、つまり思いやりの気持ちが必要になってきます。私たち保育者は、子どもたちを見守り、認め、褒めることを大切にしています。日頃から保育者は、子どもたちからどんな意見が出ても否定することなく、しっかり聞いて受け止めるようにしています。そんな環境が積み重なって、子どもたちは自信をもって歩んでいくことでしょう。
また、障害の有無に関わらず共に学ぶ、インクルーシブ保育を長年導入しています。互いの違いを認め合いながら、相手を思いやる心が自然に育まれていきます。
子どもたちに授けたいのは、未来に向かう力=非認知能力
縦割り(異年齢)保育にも積極的です。登園後の自由遊びでは、保育室や園庭で思い思いに遊びます。そこにはクラスや学年の壁はありません。入園したばかりで遊具の使い方を知らない年少児に年長児が教えてあげるシーンは、毎年春に見られる風物詩です。教わった年少児が年長児になると、今度は新入園児に同じように教えてあげる。自分の未来像が間近にあり、年上、年下に関係なくお互いを成長させる。これも縦割り保育の良さのひとつでしょう。
こうした日々の保育を通して未来に向かう力を育てることが、これまでもこの先も変わらない、私たちの保育目標です。