関西国際学園は、乳幼児から高校生までを対象に、一貫したバイリンガル教育を行っています。立ち上げは2001年。私が自分の子どもの幼稚園探しをした際、その教育内容が数十年変化していない点に疑問をもったことに端を発します。
国際化が進む中、英語を社内の公用語にする日本企業も増えているのに、教育界は取り残されていると感じました。必要なのは、国際カリキュラムを取り入れたイマージョン教育。英会話ができることはもちろん、コミュニケーション力とグローバルな視野を育てたいと思いました。
並行して、美しく正しい日本語、日本の文化を学び、日本人としてのアイデンティティを育むことも目標です。
スタート時は英語教育を行う小さな認可外保育所で、園児数はわずか7人でしたが、約20年たった今、学園全体の生徒数は1200名を超えました。子どもたちの将来の選択肢を広げるためのさまざまな試みを行う中、力を入れているのが国際バカロレア教育(IB)です。IBは文科省が推進するグローバル人材育成のための世界共通の教育プログラムで、世界の大学進学への可能性が開けるのです。
本学園は厳しい基準をクリアし、初等部がPYP校に、高等部はDP校に認定されました。PYPは3歳からが対象なので、このノウハウを幼稚部の教育にも取り入れ、子どもたちの「なぜ?」「どうして?」を大切にした課題探究の学習を行っています。
また、課題探究だけでなく、自分たちが得た知識や情報は他の人のために使い、自分たちが生活する社会や世界、国がより良いものとなるよう、すべての問題を自分ごととして捉え、解決していくことがこの教育の特徴です。
常に進化する当学園の根幹を支えるのが「カリキュラム・ラボ」という頭脳組織です。脳科学者の茂木健一郎氏が顧問を務め、選りすぐりのメンバーが、世界各国の優れたプログラムを有機的に組み換えて独自のカリキュラムを構築します。これを日常の教育に有効に活用することで、グローバル社会で必要な知識と人間力のあるリーダーを育てていきます。
お話
株式会社関西国際学園
代表取締役
中村久美子 学園長