いつだって前向きで、まわりにいる人も幸せにしてしまうくらいキラキラと輝いている人。
それはきっと、自分らしく生きている“ウェルビーイングな人”。
この街にはそんな生き方をしている人がたくさんいます。
街で出会ったウェルビーイングな人たちの生き方からあなたらしく生きるヒントが見つかるかもしれません。
初めてのフラから60年
湧き上がるフラへの想い
「フラの神様」として称えられるアンクル・ジョージ・ナオペさんから、「アロハラニ(天国の愛)」というハワイアンネームを授かった木方トシ子さん80歳。1977年にバレエスタジオを開設し、20年ほど前からフラダンススタジオ「アロハラニフラスタジオ」を主宰しています。
「フラは親友のようにいつも一緒にいたい存在」と語る木方さんがフラダンスと出会ったのは、幼いころから習っていたバレエのスキルを活かし、ショーダンサーとして活動していたころ。ハワイから来日した先生の指導を受け、夏には走るオープンカーやナイトクラブなどでフラダンスを披露していたそう。「それがほんとに楽しかったの」と懐かしく振り返ります。
当時の気持ちをふと思い出し、自身のバレエスタジオの移転に伴って、新しく始めたのがフラの教室でした。
50歳以上のマダムクラスには、フラ開設当時からの生徒さんも。体づくり、リフレッシュ、同世代の仲間づくりと、楽しみ方はさまざま。
縁に導かれ、「フラの神様」
アンクル・ジョージと出会う
フラの教室を始めたのは60歳も手前。モダンバレエと並行して、フラのレッスンに情熱を注ぎます。そんななか、時折スタジオに見学にいらっしゃる生徒のお父様の姿がありました。それがエカヒ佐野さんです。ハワイ島のコナで開催される55歳以上のフラの大会で2回優勝という快挙を成し遂げた方で、「生徒さんたちの熱気あふれるレッスン風景、特に子どもたちの物怖じしない元気な踊りを見て、これは素晴らしい先生だと感じた」と、のちに木方さんについて語っています。
そして、彼を訪ねてハワイから来日したアンクル・ジョージ・ナオペさんも、木方さんのアロハの心を伝えるレッスンに感銘を受け、このスタジオで2日間にわたってワークショップを行ってくれました。「クムフラ(先生)の数だけフラの振り付けがある。独自の想像力と創造力があるからフラは楽しい」と熱く語ってくれたアンクル・ジョージ・ナオペさんの言葉は、今も木方さんの宝物です。
子どもたちの成長を
間近に見ることができる幸せ
年配の方だけでなく、子どもや若い人たちが多いのも「アロハラニフラスタジオ」の特長の一つです。幼稚園でも教室を開き、たくさんの子どもたちがフラを楽しんでいます。「以前、ベビークラスがあって、当時はまだ音楽をかけて遊んでいる感じだったんだけど、その子たちが今はもう、成人してね」と木方さんは嬉しそうに目を細めます。
子どもたちも元気いっぱいにアロハの心を表現します。小さな子どもからシニアまで楽しめるのもフラの魅力。
発表会用の小物もたくさん!曲や振り付けのイメージに合わせて毎回とりかえています。
「この仕事をしていて、子どもたちの成長をそばで見られることが何より嬉しいの。人間としての成長もそうなんだけど、フラがどんどん上手になっていくの。小さなときはお遊戯を踊っているよう。でもあるとき突然、腰がふれるようになって、それで、どんどんきれいになっていくの。大人になってくると今度は内面も入ってくるでしょ。 そうすると雰囲気がすごく良くなってくるのね。もう本当に見せたいくらいよ」。
今は、自分が幸せでいることが仕事だと思って過ごしているという木方さん。「私が健康で、とっても幸せに生きているのを見て、こんな人生もいいな、って思ってくれたら、うれしいです」。
2年に1度、全クラス合同で発表会を行い、それが生徒さんたちのモチベーションにもなっているそうです。舞台の演出や構成、振り付けも木方さんが手がけます。