いつだって前向きで、まわりにいる人も幸せにしてしまうくらいキラキラと輝いている人。
それはきっと、自分らしく生きている“ウェルビーイングな人”。
この街にはそんな生き方をしている人がたくさんいます。
街で出会ったウェルビーイングな人たちの生き方からあなたらしく生きるヒントが見つかるかもしれません。
退職を機にピアノを再開。
憧れのショパンに挑戦する日々
「ショパンに悪戦苦闘する毎日です(笑)」と少し照れながらもうれしそうに語る林達夫さん72歳。退職を機に、小学生のころから親しんできたピアノに再び向かい合う日々です。そのきっかけは、お孫さんの存在。「いつか孫と一緒に連弾したい」そんな思いを抱いて東京音楽学院へ。月に2回のレッスンに加え、毎日2時間のピアノの練習を欠かさず続けています。
「厳しくも的確な指導が受けられる」と林さんも信頼をおく金子幸子先生。「練習不足も一瞬で見抜かれてしまうので、自宅練習にも熱が入ります(笑)」。
ショパンの楽曲は、林さんにとって特別なものだといいます。「子どものころ、当時のピアノの先生に『あなたにはまだ早い』と、ショパンを弾かせてもらえなかったんです(笑)。はじめて楽譜を開くことができたのは大学生のころでした。そんなことから、今でもショパンは憧れです」。
毎年行われる発表会では、ショパンの『革命のエチュード』や『幻想即興曲』を曲目に。「発表の場があることで練習のモチベーションになりますし、人前で演奏する経験は大きな刺激になりますね」と林さん。今の夢は、ショパン国際ピアノコンクール一次予選課題曲を演奏すること。「特に『バラード第4番』は難曲ですが、いつか必ずチャレンジしてみたいです」。
さまざまな趣味を通じて
旧友との充実した日々
ピアノのほかにも、山登り、自転車、テニス、イタリア語…と、多くの趣味を楽しんでいる林さん。これらは学生時代に始めたことばかり。その当時の友人たちとは今でも同じ趣味をもつ仲間として楽しい時間を過ごしています。昨年は大学時代の山岳部の同期とモンブラン・マッターホルンのイタリア側をトレッキングしてきたそう。「今は、ピアノをはじめとする趣味を通して学生時代を生き直しているような、そんなワクワク感があります」。
東京音楽学院の発表会にてショパンを演奏する林さん。発表会は目標設定を明確にでき、練習のモチベーションアップにもつながるため、積極的に参加しています。