子どもの成長とともに避けて通れない「受験」。公立校に進む場合は、高校入試が最初の受験になる場合がほとんどです。
「高校受験なんて、まだ早い」とお考えでしょうか。実は、小学生のうちから意識しておきたいポイントがあるのです。
高校受験対策のプロ、塾講師(学習塾FULLMARKS センター南)に伺いました。
まず知っておきたいのが、神奈川県の公立高校の入試のしくみ。複雑で理解しづらい内申点のこと、入試や合否判定方法など、詳しく伺いました。ここでは多くの生徒が受験する全日制の受験について取り上げます。
神奈川県公立高校の入試制度、5つのポイント
①神奈川県在住ならば、神奈川県内のどの公立高校を受験してもOK
神奈川県公立高校は学区制(※1)ではないため、神奈川県に住んでいれば、神奈川県内のどの高校でも受験可能。エリアに縛られることなく志望校を選ぶことができます。
(※1)通学する公立学校を、住んでいる場所・地域によって自動的に振り分ける制度。なお、神奈川県内の市立高校では学区制を採用しています
②受験できる高校は1校のみ。ただし出願後に志望校変更の機会がある!
受験できるのは1校のみ。しかし、出願後に各校の「受験の倍率」(※2)を確認した後、1回だけ志願校を変更することができます。変更期間は3日間程度です。
(※2)募集定員に対しての受験者数を示す指標のこと
③2024年度から面接が廃止。
学力検査では、原則5教科のマーク筆記試験を1回実施(一部、実技検査、自己表現検査や面接などの「特色検査」と呼ばれる特別な試験を追加で課している学校もあります)。推薦入試は行っておらず、2024年度から面接の一律実施が廃止されました。
④合否は「内申点」と「学力検査」の結果で決まる
内申点と学力検査の結果を各学校が定めた比率で計算した結果をもとに、合格・不合格が決定します。試験の結果だけでなく、中学での学習理解度や学習態度も考慮されます。
⑤合否決定には「1次選考」と「2次選考」がある
内申点と学力検査をもとに、1次選考で募集定員の90%、2次選考で残りの10%の合格者を決定します。2次選考では、内申点の観点のひとつ「主体的に学習に取り組む態度」の評価と学力検査の結果をもとに、1次選考の不合格者のなかから残りの合格者を決定するしくみになっています。
続く後編では、受験の合否に直接かかわる「内申点」や「学力検査」について詳しく伺います。どのように合否が決定されるのか、その計算方法など、いざ受験期を迎えてから慌てないためにも、子どもが小学生のうちから理解しておきましょう!
気になる「内申点」「学力検査」については、後編で詳しく解説!