いつだって前向きで、まわりにいる人も幸せにしてしまうくらいキラキラと輝いている人。
それはきっと、自分らしく生きている“ウェルビーイングな人”。
この街にはそんな生き方をしている人がたくさんいます。
街で出会ったウェルビーイングな人たちの生き方からあなたらしく生きるヒントが見つかるかもしれません。
子どもの中学入学を機に一念発起
会社員からくもんの先生へ
午後2時をまわると、幼稚園や学校を終えた子どもたちが次々とやってきます。幼児にはサポートの先生が一人ずつつき、机を並べて運筆の練習。小学生は宿題を提出すると、席に座り、黙々と課題に取り組み始めます。静かな活気を感じるアパートの一室。ここは、今から3年前、くもんの先生としてデビューした渡辺恵子さんが0から立ち上げた教室です。
▲公文式木月4丁目教室
もともと、フルタイムで働く会社員だったという渡辺さん。結婚、出産、保育園入園、小学校入学…と、さまざまな節目を、働く主婦という立場で経験してきました。「子どもが中学入学の節目のとき、ああ、もうあとはひとりで進んで行けるだろうとホッとして。そのときに、さあ、自分の将来どうしようかな、と思いました」と当時を振り返ります。「いつか地域に根差して、子どもたちの成長に関わりたいと思っていたので、 いい物件が出たときにポンと飛びついた、というのが正直なところです」。ご主人からも背中を押され、25年勤めた会社を退職。くもんの先生としての一歩を踏み出しました。
会社員から、個人事業主への転身。何から何まで全部自分でやらなくてはいけない。それを「自分が思い描くようにやれる!」というプラスの発想に変えて邁進します。そして教室開設からわずか3年で、3歳から中学生までの地域の子どもたちがたくさん通う教室になりました。
できた子には「すごいね!」の気持ちを込めて大きな丸をつけます。これが子どもたちの自信につながります。
メリハリのあるスケジュール管理で
仕事もプライベートも充実
教室は週2回。その間に、子どもたち一人一人にあった学習計画を考え、準備をします。保護者との面談、スタッフの手配や生徒募集のチラシの作成など、さまざまな業務も忙しい中、渡辺さんは、趣味のテニスや子どもの学校役員の活動にもアクティブに活動しています。
そんな渡辺さんも、以前は毎日、朝から晩までくもんの仕事一色だったそう。でも、自分のための時間も大切にしなければと思い、趣味や学校行事などの予定を先にスケジュール帳に入れ、空いた時間をどう使うかという発想に切り替えました。すると仕事とプライベートの時間のメリハリがつき、どちらもさらにうまく回るようになったといいます。
お子さんの高校の文化祭では役員として仲間とお菓子の販売を担当。学校行事にも積極的に参加し、ご自身も楽しんでいます。
「テニスのコーチが強い球をくれることがいいときもあれば、緩い球をくれることがうれしいときもあるんです。それは子どもの学習内容を決めるときにも参考になりますね。それから、自分でうまく打てたなと感じた瞬間に『そう、そう、そう』と認めてもらえるとうれしいので、私も生徒が一生懸命取り組んでいるときに『そう、そう、そう』と声をかけ続けています(笑)。この学習の仕方でいいんだと分かると、子どもたちはさらに頭をフル回転させ、自分の力で課題をやり抜いてくれます」。
中学生から大好きでずっと続けているテニス。ご両親の趣味もテニスで、ときどき一緒に楽しむことも。さりげなくお二人の様子も把握でき、よい接点になっているそう。
プライベートでの気づきを子どもたちへの働きかけにも活かしている渡辺さんです。わが子の保育園時代を過ごした楽しい思い出の詰まった街。ここでまた保育園や学校の先生とも連携しながら地域の子どもたちを見守れることがうれしいと話す渡辺さん。「『この街の子はみんな賢いね』『やさしくて親切だよね』と言われるようになっていったら素敵ですよね。この教室があることで、この街で安心して子育てできるご家庭が増えてくれたらと思っています」。渡辺さんの描くこの街の未来。小さな教室から大きな夢が広がります。