A.夜間就寝時に1回以上トイレに行くのは夜間頻尿といい、治療の対象です。
1日10回以上の頻尿や夜間頻尿があったり、尿意を我慢できなかったりする場合は「頻尿」の治療対象です。夜間頻尿は3回を超えると転倒などのリスクが増え、寿命に影響すると言われます。
急な尿意を我慢できないときは「過活動膀胱」の可能性がありますが、これは病名ではなく症状名で、そこにはなんらかの原因があります。
年齢によって女性は膀胱の下垂、男性は前立腺の肥大が生じ、これらが原因のことが多いですが、子宮癌や膀胱癌など重大な病気が隠れていることもあるので、一度泌尿器科を受診することをおすすめします。
症状をきちんと把握し上手に薬とつき合うのが生活の質を向上させるコツ。
女性は泌尿器科の受診をためらうことがありますが、診断は尿検査や超音波検査などで、局所をみるような診察はほぼありません。また、1回の尿量を測って記録する排尿日誌は、膀胱がどの程度機能しているかを推測するのに役立ちます。
治療は薬物療法が主体で、膀胱が尿をためておく状態を安定させる薬、勝手に出そうとするのを抑える薬、夜間多尿(夜間の尿量が多い)を減らす薬などが有効で、漢方薬も利用します。
毎日服用する方法のほか、その日の行動予定に合わせて内服する方法もあり、状況に応じて細かく調整して安心して過ごせるようにします。
頻尿治療では、薬物療法と行動療法を一緒にやるのが効果的です。
水分はしっかり摂ってしっかり出すのが大切で、水分制限は脱水症や感染症のリスクを増やします。夜間頻尿には寝る前3~4時間の水分摂種を控える、また朝夕5分間ずつ青竹踏みをするのも効果的です。
冷え対策も重要で、生姜を摂ったり、腹巻きをしたり、就寝時にはアンカや電気毛布を使うほか、入浴時間を遅くすることも冬場は特に有効です。
夏は冷房による冷えすぎに注意しましょう。夕方に運動をする方が朝にするよりも睡眠が深くなり、夜間の排尿回数は少なくなります。薬物療法と行動療法を一緒にやっていくことが解決への近道です。
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