【管理栄養士監修】イヤイヤ期の子どもの食事の悩みを解消!

イヤイヤ期の子どもの食事イメージ

イヤイヤ期の子どもの食事の悩みを、さとう小児科クリニック(横浜市港北区)の管理栄養士の佐藤紋子さんが解消します!

お話

さとう小児科クリニックの管理栄養士の佐藤 紋子さん

佐藤 紋子さん

女子栄養大学を卒業後、北里研究所メディカルセンター病院などで勤務。現在はさとう小児科クリニックにて管理栄養士、日本糖尿病療養指導士等の資格を活用した栄養相談などを行っている

Q.【イヤイヤ期】好き嫌いが激しく、好きなものしか食べてくれません

A. 好き嫌いも自我が芽生える成長の過程
子どもの意思を尊重しながら、原因を探って工夫を

イヤイヤ期の子どもの食事イメージ

2~3歳はイヤイヤ期とも呼ばれ、自我が芽生え、自己主張が強くなる時期。好き嫌いもその成長の過程です。見た目や食感、味、硬さなど、細かいところでこだわりや自己主張が出てきます。特定の食材を好むというのもこのころからです。ですから、この年齢の特徴ととらえ、親があまり神経質になりすぎないことも大切です。

この時期は、好き嫌いのほかにも、「これを食べてからじゃないと食べない」とか「もうこれでごちそうさまなの!」といったマイルールをもち始める傾向があります。親としたら「えっ、何で?」と思うかもしれませんが、子どもの意見を頭ごなしに否定せず、「これも自分の主張ができるようになったのね」と成長の過程ととらえて尊重してあげることが大切です。

「元気になるから、お母さん一口だけ食べてほしいな」と、子どもに選択させるような働きかけも有効です。子どもも満足し、受け入れてくれる可能性が高くなります。

食べなくても絶対に怒らないこと。
栄養は1週間の平均で考えればOKです

「せっかく作ったのになぜ食べてくれないの!」一生懸命準備をすればするほど、イラっとするものです。でもそこは怒らず、ぐっとがまん。「食べた」「食べなかった」に一喜一憂せず、ゆったりと構えてほしいと思います。

栄養面でも、1週間単位で考えれば問題ありません。もし牛乳が飲めなくてもヨーグルトが食べられればカルシウムはとれますし、たんぱく質でも、魚が嫌いでも卵や肉、豆腐などの大豆製品をある程度食べていれば補給できます。代用の食品で十分に栄養は摂ることができるので、その時に食べなくても気にする必要はありません。1週間を平均して、主食、たんぱく質、野菜がとれていれば問題ありません。

もし、1週間を振り返ってみて、主食しか食べてなかった、全然食べてなくて体重が減ってきちゃった、といった場合には改善が必要ですので、その原因を探って対応していく必要があります。大きな病気が隠れていることもありますから、小児科や専門機関に相談してみましょう。

調理法や盛り付の工夫で食べたい気持ちを引き出そう!

子どもの食事の盛り付け工夫イメージ

子どもにどうしても食べてもらいたい、と思ったら、調理法や盛り付けなどを工夫することで効果があることも。順番を変えてみるだけでも、それがきっかけで食べてくれることもあります。
嫌いなものはその子の感性が表れます。雰囲気が嫌なのか、色が嫌なのか、食感なのか、味なのか、においなのか。一人一人違うので、そのあたりはおうちの方がよく見てあげて原因を探り、工夫してあげてほしいと思います。

少食の子には1回の食事量を少し減らして、完食できたという自信を持たせていくと、だんだんそれが嬉しくなって食べる方向にシフトしていくこともあります。

【子どもを食べる気にさせる5つの方法】
1.調理法を変える
2.見た目を変える
3.盛り付けを工夫する
4.いい雰囲気をつくる
5.食材や料理に興味をもってもらう

1.調理法を変える

同じ、じゃがいもでも、煮ものは食べないけどフライドポテトなら食べる、というように、調理法を変えると食べられることもあります。味つけも同様です。また、小さく切ってあると食べるけど、大きいと食べない、などサイズを変えると食べてくれることもあります。

2.見た目を変える

食パンは、サンドイッチやロールサンドにすると華やかで食欲をそそりますし、野菜も花や星、車の形の抜型などで抜くと、わくわくして食べようという気持ちが高まります。見た目を少し変えることで食べることへの興味につながります。

3.盛り付けを工夫する

お気に入りのキャラクターのお皿に盛り付けたり、たまにはお弁当箱に詰めてピクニック風にしたり。雰囲気をいつもの食卓じゃなく、少し変えてみるだけでも案外楽しい雰囲気で食べてくれたりするものです。

子どもの食事の工夫イメージ

4.いい雰囲気をつくる

「これおいしいんだ」「楽しいんだ」と思うと、「食べたい!」という意欲がわいてきます。お父さんやお母さんががおいしそうに食べている姿を見せたり、楽しい言葉がけをしたりすることでも、食べることがプラスのイメージになります。家では食べないのに幼稚園や保育園で仲のいいお友だちとだったら食べられる、というのもこのケースです。

5.食材や料理に興味をもってもらう

3歳ぐらいなら一緒に野菜を育ててみたりお手伝いをしてもらったりするのもいいですね。また、「これなら食べるから」といつも同じものばかりになってしまうと食べず嫌いにつながってします。

子どもの食事の関心を高める食材のイメージ

食べるか食べないかに関係なく、料理を食卓に並べておくことは大切です。毎日見ているとその食材や料理をだんだん見慣れてくるので、「どんな味がするのかな」と、だんだん興味をもち始めます。まったく見たこともない料理をいきなり目の前に出されると、やっぱり拒否してしまうところもありますよね。

Q.遊び食べが多く、いつまでもだらだら食事を続けてしまっています

子どもの遊び食べイメージ

A. 食べる環境を整え、食事は20分くらいで切り上げて
おなかをすかせておくことも大切です

好奇心旺盛な年ごろなので、食べることより遊びが優先されてしまうのも仕方がないことかもしれません。まずは「今から食べ始めるよ」というスイッチを入れるために、エプロンを身に着けるなどして食事をする環境を整えてみましょう。足をぶらぶらさせていると集中力がなくなるので、イスの高さは足が床につくように調節してください。また、テレビを消したりおもちゃをしっかり片づけたりして、食事に集中できるようにしましょう。

小さな子どもは、集中できる時間がまだ20~30分ほどです。ですから、長い時間かけて食べさせようとするのは逆効果。20分くらいは促して食べさせ、それ以上はごちそうさまにするなど、メリハリも大切です。割とおなかがすいていないということもあるので、遊びの時間を少し増やしておなかをすかせることも重要です。
また、夜寝る時間が遅い場合にも朝食が食べられなかったりする原因にもなるため、ふだんから生活リズムをととのえておくことを心がけましょう。

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