いつもだらだらしている、朝起きられず学校へ行けないなど、”なんとなくのカラダの不調”からくる集中力の低下は、毎日の食事を見直すことで解決できることも!
子どもの成長と食習慣について、ほしの小児クリニック(横浜市都筑区)院長 星野 千代江先生にお話しをお伺いしました。
集中力低下の原因は、実は栄養不足によるものも
集中力アップのために特に心掛けてとりたい栄養素が、「鉄」と「DHA」。特に「鉄」は、だらだらとやる気が出ない「なんとなく不調」の改善にも。特に受験期は食事を見直してみることも大切です。
まずは食事のタイミング。
塾が夜遅くまであると理想通りの食生活を実践することは難しいかもしれませんが、個人差はあっても、寝る直前にたくさん食べることはおすすめできません。
寝ている間に消化することになり、胃も脳も休まらなくなってしまうからです。寝る前に一気にたくさん食べるのではなく、塾に行く前と帰宅後の2回に分けて食事をとるなど、生活スタイルに合わせて調整しましょう。
間食には、甘いものよりたんぱく質を含む食品を
間食には腹持ちもいいので甘いものをちょっと…、と思いがちです。
しかし、成長期には、骨や筋肉、神経なども作っていかなければいけません。
勉強をすることでも脳の神経組織は発達しますが、肝心の栄養が不足するとうまくいきません。
小腹がすいたときには、甘い菓子パンより、卵など、たんぱく質が手軽にとれる食品に切り替えてみましょう。
集中力を高めるならこれ!
DHA
脳の働きを支えるといわれているオメガ脂肪酸、DHA。
体内ではほとんど作ることができない必須脂肪酸で、まぐろ・鯖・イワシ・サンマ、 ぶり などの魚に多く含まれています。
生魚を煮たり焼いたりして食べる以外にも、サバやイワシなどの缶詰を利用するのもおすすめです。
缶詰ならストックもでき、サラダと合わせたり、缶汁ごと入れてスープにしたりするなど、手軽にいろいろな料理に使うことができます。
鉄
集中力を高めるには、バランスのいい食事に加え、「鉄」が大事です。鉄はカラダに吸収されにくい栄養素なので、想像以上に鉄不足なことも。ビタミンB群と共に脳の伝達物質の代謝をよくします。
<鉄の上手なとり方>
・一度にたくさんとるより 2~3回に分けてとる
・効率的にとるには、植物性(プラムやほうれん草など)より動物性(赤身の肉やレバーなど)
・ビタミンCを含む食材と一緒にとる
ビタミンD
魚やきのこ、海草などに多く含まれます。さまざまなホルモンの作用を助けたり、ホルモンに近い働きをしたりする重要な栄養素で、腸内環境をよくする働きがあります。
腸内環境も整えて

栄養療法は、基本的にはいろいろな栄養素をとるということ。
ただ、消化管の状況が良くないと、せっかくの栄養も吸収されずに排出されてしまいます。
ですから、ビタミンDをはじめ、腸内でいい働きをするプロバイオティクスや、そのえさにもなる食物繊維などのプレバイオティクスをきちんと取りましょう。
便通も良くなって質の高い睡眠も得られ、風邪も引きにくくなります。
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